「気骨」の意味とは?「気骨」と「気概」の違い・読み方・英語・類語【使い方や例文】
今ではあまり聞くことが少なくなった「気骨」という言葉を知っている人はどのらくいいらっしゃるでしょうか?
昔はよく使れていたこの「気骨」について解説をしていきます。
目次
- 「気骨」の意味とは?
- 「気骨」の読み方
- 「気骨」の英語(解釈)
- 「気骨両々」の意味
- 「気骨」の言葉の使い方
- 「気骨」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「気骨」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「気骨」の類語や類義表現
- 「気骨」と「気概」の違い
「気骨」の意味とは?
「気骨」とは「自分の信じてることを貫ぬき、簡単に人に屈することをしない」、あるいは「強い心を持った」という意味のある言葉です。
簡単に言うと、「根性が入った」という意味で理解することもできるでしょう。
「気骨」の読み方
「気骨」は「きこつ」という読み方をしますが、特別に難しい読み方をする言葉ではないので、ここでしっかりと憶えておいてください。
「気骨」の英語(解釈)
「気骨」を英語で表現すると“spirited”、“plucky”という言葉で訳すことができます。
「気骨両々」の意味
「気骨」を含む熟語に「気骨両々」という四字熟語があり、「きこつりょうりょう」という読み方をします。
意味は「自分の信念を曲げずに厳正に貫こうとする態度のこと」を指しており、
「自分の信念を貫ぬく強い性格」の「気骨」と「威勢がある中には厳正の雰囲気」がある「両々」の2つの言葉が組み合わさることで、信念の強さがさらに強調されています。
「気骨」の言葉の使い方
「気骨」という言葉を使う場面としては、どんなに困難なことが目の前で起こっても、顔色1つ変えずに、堂々した姿勢に立ち向かって行く人を指して使うことになります。
「気骨」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
「気骨」を使った言葉の表現には、色々な慣用句がありますので、ここではそれらの表現を見て行きます。
- 「気骨のある」
- 「気骨の判決」
- 「気骨が折れる」
「気骨のある」
「気骨のある」とは。
「自分の確固たる信念を守って、どんなに大きな障害うや困難にも動揺することなく屈服しない強い意気を持っている」という意味があります。
「あの若さで腹の座っている気骨のある彼は、大したものだ」現代の若い人達は、ちょっとした困難なことが起こると、すぐに動揺したり、逃げ出してしまう人が少なくありません。
しかし、そのような世代の中にも、堂々とした青年がいるので、そのような人を見ると、つい応援したくなるものです。
「気骨の判決」
「気骨の判決」というと、「どんな圧力にも屈しない強い信念に基づいた判決」というような解釈をしたくなりますが、これは慣用句ではなく、過去に「NHKスペシャル」として放送されたテレビドラマの特別番組のことです。
太平洋戦争時の日本の鹿児島の選挙無効事件で、「選挙無効」の判決を下した裁判官のドラマで当時は非常に注目を浴びたドラマでした。
「気骨が折れる」
「気骨が折れる」とは、「色々と気を使い過ぎて精神的に疲れる」、あるいは「気疲れする」という意味があります。
「部下の指導で何かと気骨が折れるので、上司になると大変だ」最近は上司が部下に厳しい言葉を使うだけでパワハラで訴えられることがある時代です。
しかし、会社の業績を上げるために、貴重な戦力となる若手社員を教育することも、上司の大切な仕事です。
そんなことから、あれこれと考え過ぎて「気骨が折れる」ので、大変です。
「気骨」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、ここで「気骨」を使った例文を見ていくことにしましょう。
- 「気骨」を使った例文1
- 「気骨」を使った例文2
「気骨」を使った例文1
「九州人は、昔から気骨のある人間が多い印象があるのです」
人の性格は様々ですが、地域性があることも事実です。
東北地方であれば、非常に我慢強い人間性をイメージしますし、九州の人であれば、すごく「気骨」のある人ばかりいるような印象があります。
「気骨」は人の性格を表している言葉ですが、県民性を言い表すこともできる言葉です。
「気骨」を使った例文2
「今年の新入社員は、揃いも揃って気骨のあるヤツが全然いないな」
毎年4月になると、企業では多くの新入社員が入社してきます。
人事も優秀な人材を確保して採用しているはずなのですが、最近の若手社員は「気骨のある人間が少ない」と言われることも少なくありません。
頭がいい反面、「気骨」がないので、上司や先輩社員が指導で頭を悩ましてしまうのかもしれません。
「気骨」の類語や類義表現
ここからは、「気骨」と同じ意味やニュアンスを持っている類義語を見ていくことにしたいと思います。
- 「肝っ玉が座る」
- 「ガッツのある」
「肝っ玉が座る」
「気骨」の類義語として「肝っ玉が座る」という慣用句がありますが、この言葉は、「度胸があって全く動揺することがないという意味を持っています。
「肝っ玉」とは、「肝魂」の音が変化した言葉で、「肝に宿っている精神」で「胆力」や「勇気」という意味があります。
「気持ち悪い」という意味で使われている「キモイ」もここから来ているようですが、「肝」は、人の精神の根幹、すなわち中心であることを言っています。
その「肝っ玉がドンと腰を落として座っている」のですから、どっしりとした安定感をイメージさせます。
「ガッツのある」
「ガッツがある」も「気骨」の類語として挙げることができるでしょう。
「どんなに大変なことがあっても決してへこたれることがない」、「気持ちの強い人」という意味があります。
「困難なことにぶつかっても何度でも立ち向かう強さ」がありますが、「ガッツ」は英語の俗語からきており、「根性」、「やる気」のことを指しています。
「guts」という英語になるのですが、この意味は「内臓」です。
前項の「肝っ玉」の「肝」を同じ意味があるので、「気骨」で言っている「精神的な強さ」の象徴なのかもしれません。
「気骨」と「気概」の違い
「気骨」に似ている言葉に「気概」という言葉がありますが、この2つの言葉の意味は少し異なっています。
「気概」には「困難に屈しない強い意志」という意味がありますが、「難しいことや精神的に追い込まれるような苦しい状況下にあっても、絶対に負けずに目的を遂げるような強い気持ち」を示しています。
一方の「気骨」は「自分の信念を貫き、その想いを曲げることが強い心や精神」という意味になるので「困難に負けない、何かをやり遂げる強い気持ち」の「気概」とは異なるニュアンスがあります。
「気骨」とは、「強い信念を持っている」ということになるでしょうが、困難なことにぶつかった時は、動揺してしまうことが少なくありません。
そのために、私達は「気骨」を持てるような人でありたいと思うのです。