「厚顔無恥」の意味とは?類語、使い方や例文、反対語を紹介!
日本語には色々な言葉があります。
昔から伝わってきたことわざや、日本古来の言葉が変化してきて、現代風にアレンジされてきた言葉もあります。
私達の生活の中や、ビジネス上でのコミュニケーションで、これらの言葉使うことがよくあります。
自分の感じていることや思いを伝えたり、あるいは物事の事情を説明する際に。
とても簡潔で理解しやすいからです。
これらの言葉を知ることで、普段の会話もより弾みが付くのではないかと思うのです。
目次
- 「厚顔無恥」の意味とは?
- 「厚顔無恥」の類語や似たことわざ
- 「厚顔無恥」の使い方
- 「厚顔無恥」を使った例文
- 「厚顔無恥」の反対語や対照語・対義語
「厚顔無恥」の意味とは?
「あいつは、なんて厚顔無恥な人間なんだ!デリカシーのかけらもないな」
このような言葉を使ったり、聞いたことがないでしょうか?
「厚顔無恥」という言葉は、一言で言うと、「厚かましい(あつかましい)」人に対して使う言葉です。
この「厚顔無恥」の意味は、「厚かましく、周りのことを気にせずなは振る舞いをするような恥知らずな状態や様」を言っています。
他の人に迷惑がなかかることなど全く構わずに、自分の都合や思いだけで好き勝手に行動することです。
- 「厚顔無恥」の読み方
- 「厚顔無恥」を分解して解釈
「厚顔無恥」の読み方
「厚顔無恥」は、(こうがん-むち)と読みます。
「厚顔」の語源と伝わっていることは、中国の最古の詩集と言われている「詩経(しきょう)」というものが基になっていると、考えられています。
「詩経」こ中には、305編もの詩が収められているのですが、この中には「巧言くわうの如く、顔の厚きや」という詩があります。
この詩の意味は、「言葉巧みに乗り切り、外面を良く見せて、内面の恥を上手く隠すこと」といった意味が込められている文章です。
この詩は、平安時代の頃に日本に「漢文」という形を通して、「厚顔」という言葉が伝わって来たのです。
この時の「厚顔」は、精神的な内面の汚さや醜さを意味する言葉として使われていたのです。
それが現代では、「厚かましい」という意味になってきたわけです。
「厚顔無恥」を分解して解釈
「厚顔無恥」で使われる「厚顔」とは、「面(つら)の皮の厚いこと」のいうことですが、意味としては「とても図々しく、人の思いを無視した行動や発言をするくらいに厚かましい」ことになります。
そして、「無恥」という言葉は、「恥を恥と思わないこと」を指しています。
恥知らずな人に対しては、よく「無恥な人」と表現することがあります。
この2つが組み合わさることで、「恥知らず」という様をさらに強く示す言葉となってくるわけです。
この「厚顔無恥」を使う時には、時々「厚顔無知」と書く人がいます。
これは誤まった使い方となるので、注意しておきましょう。
「無知」という言葉と混同しやすいのですが、この「無知」は、「知識や知恵がないこと」を表している否定系の言葉です。
このようなことから、「厚顔無知」と書いてしまいそうになります。
正しくは、「厚顔無恥」となり、「恥知らず」であることを示している言葉なので、「恥」という文字が含まれていることを覚えておくと良いでしょう。
「厚顔無恥」の類語や似たことわざ
「厚顔無恥」は、色々な言葉やことわざで言い換えることができます。
似たような今の言葉としては、次のようなものが挙げられます。
- 「恥知らず」【はじしらず】
- 「独断専行」【どくだんせんこう】
- 「身の程知らず」【みのほどしらず】
「恥知らず」【はじしらず】
「恥知らず」は、まさに「厚顔無恥」をストレートに例えた言葉でしょう。
「自分の行いについて、全く気にすることなく、省みる気持ちや様子がないこと」を指しています。
「あなたは、なんて恥知らずなことばかりしているの?」「お前のやっていることは、恥知らずなことだ。」
こんなその人を非難する強い思いの気持ちが込められていますね。
「独断専行」【どくだんせんこう】
「独断専行」も「厚顔無恥」に近い意味が含まれています。
「独断専行」の意味としては、「自分だけの判断に基づいて勝手に行動すること」になります。
まさに他人の状況や思いを全く気にせず、自分のしたいように行動することです。
「独断専行型」の行動を取る人は、「強く思い込んで、自分の考えに固執しやすい性格」です。
偏執的性格・石頭・頑固・頑迷固陋・偏屈と評されることがあります。
「わが社の社長はワンマンで独断専行の経営手法なので、後継者が育たないよ」
オーナー会社にありがちな傾向ですが、こんな時に使われる言葉ですね。
「身の程知らず」【みのほどしらず】
「身の程知らず」と「厚顔無恥」に近い意味を持っています。
「身分や立場を考えずに不相応な行動や発言をすること」です。
昔の武家社会や貴族がいる時代では、身分制度が厳しく定められていました。
そのような時代では、立場や身分や官職に合った振る舞いや行動が重んじりていたのですが、中には、「身の程を知らない」大名が、格上の人に対してもの申すことで、失笑を買ったシーンが、時代劇で見ることがあります。
このような時に「身の程を知らない」と言われるのです。
今でも、立場をわきまえず、そのような行動をする人が少なからずいますね。
「厚顔無恥」の使い方
「厚顔無恥」とは、「他の人のことを全く考えずに、自分の勝手な思いで、行動をしり発言をするだけでなく、その行動などに対しても全く恥じることや、申し訳なさそうな気持ちを持つことや態度を取らないこと」を言いました。
全く恥じる姿勢がないのです。
このような時に使用する言葉ですが、身近な日常生活やビジネスシーンなどでも。
色々な場面で用いられることがあります。
「厚顔無恥」を使った例文
- 「厚顔無恥」の例文1
- 「厚顔無恥」の例文2
- 「厚顔無恥」の例文3
「厚顔無恥」の例文1
「いくら暑い季節になってから、世の中も会社もクールビズになったとはいえ、いきなりビーチサンダルで、会社に出勤してくるなんて、あいつは厚顔無恥だよ。そうでなければ中々できない」
毎年、段々と暑くなってくる夏の季節。
昔のビジネスマンは、スーツにネクタイを締めることが、ビジネスマナーでしたが、今では、ノーネクタイのクールビズが当たり前の時代です。
オフィスでも、ラフなスタイルが認められるようになってきていますが、さすがにTPOに合わせた格好をするのが、社会人の常識と言うもの。
しかし、サンダルや短パンで出社する人もいるので驚きです。
まさに「厚顔無恥」としか言いようがありませんね。
「厚顔無恥」の例文2
「彼女は、すごくプライドが高くて厚顔無恥な人だよ。あれでは男性にモテるわけがないな。もっと可愛らしく振る舞うことができないのかな」
気の強い女性の人は、影で男性からこのようにささやかれれいるのではないでしょうか?
今はこんな発言を大っぴらに言うことはできない時代です。
それでも、周りのことを気にせずに、好き勝手な行動や物言いをする女性の人は、どうしても敬遠されてしまいます。
それは、男性だけでなく、同性の女性からでも避けられることです。
「厚顔無恥」な女性だからと言うよりも、その人の人間性に現れてくるものでしょう。
「厚顔無恥」の例文3
「無能で無責任な行動ばかりするあいつは、なんとも厚顔無恥な政治家といか言いようがないね」
政治家たるもの、常に襟元を正して、清廉潔白な行動をしなくてはなりません。
「黒を白」とすることは、決して許されることではありません。
しかし、議員になることだけが目標としている政治家も少なからずいるものです。
そのような人こそ、「厚顔無恥」という言葉が最も適しているのではないでしょうか?
「そうでもしないと、政治家が務まらない。」
と言いきれる政治家ほど、「厚顔無恥」なのかもしれません。
「厚顔無恥」の反対語や対照語・対義語
「厚顔無恥」の反対語としては、どのような言葉があるでしょうか?
- 「平身低頭」
- 「慎ましい」
「平身低頭」
「平身低頭」は、「厚顔無恥」の対極的とも言える言葉ではないかと思います。
意味としては、「ひれ伏して頭を下げ、恐れ入ること」となります。
使われている漢字からも、その意味がすぐに理解できることでしょう。
とても、腰の低い人のイメージがありますが、誰に対しても、このような振るまいができる人は、高い信頼を得ることができます。
社会的に成功した人でも、若い時に苦労して昇ってきた人は、いつまでも「平身低頭」の姿勢を貫いている人が少なくありません。
おそらく周りの人々に対して、「感謝」の気持ちが強いのでしょう。
「慎ましい」
「慎ましい」も「厚顔無恥」の反対語としての今で使われることが多い言葉です。
意味としては、「遠慮深い態度で常に控えめなこと」となります。
何事に対しても、誰に対しても、控えめな姿勢で臨むことになるでしょう。
「厚顔無恥」とは、「厚かましい」という意味から、自分の勝手な行動を取る人を厳しく非難する言葉としで使われることが多いのです。
人は、社会的な地位が高くなってくると、驕り高ぶりが、強くなってきます。
自信過剰とも言えるくらいに常識を疑うような行動を取ったり、失礼なことをすることがあります。
若い時は、控えめだった性格の人でさえ、いつの間にか、初心を忘れて、厚かましくなっていくことがあるのです。
決してそのようなことにはなりたくないのですが、こんな自分勝手な行動許取っていると、人からの信頼を失うことになります。
いつまでの謙虚な気持ちを忘れたくないものです。