「厚顔」の意味とは?「厚顔」の語源や由来・読み方・英語・類語【使い方や例文】
「あの人は厚顔だ」と言うと良い意味ではないことは分ります。
どの様なネガティブな意味があるのか、使い方や例文も紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「厚顔」の意味とは?
- 「厚顔」の読み方
- 「厚顔」の英語(解釈)
- 「厚顔」の語源や由来
- 「厚顔」の言葉の使い方
- 「厚顔」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
- 「厚顔」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「厚顔」の類語や類義表現
- 「厚顔」と「傲岸不遜」の違い
「厚顔」の意味とは?
「厚顔」の意味と言葉の成り立ちについて紹介します。
- 「厚顔」の意味
- 「厚顔」の言葉の成り立ち
「厚顔」の意味
「厚顔」の意味は「周囲の空気や人の気持ちを全く読まずに自分を押し通す図太い神経を持っていること」です。
仕事でミスをしても「システムの故障ですので」と言って認めようとしなかったり、締切に遅れて書類を持って来て「これお願いします」と言って立ち去る様な性格のことです。
本来ならば「迷惑をかけて申し訳ない」と思う筈なのですが、他人が自分に対してどう思っているかを全く気にしない人のことを言います。
「厚顔」の言葉の成り立ち
「厚顔」の「厚」は「厚い」と読み文字通り「厚みがある」という意味があります。
「顔」は「面(つら・おもて)」のことですが、「どの面下げて」「面汚し」などという言葉に使われていることからあまり良い意味ではありません。
この2つの漢字が組み合わさり「厚顔」となると「面の皮が厚いこと」という意味になります。
「面の皮が厚い」とは「押しが強く図太い神経を持っていること」であり、「厚顔」の意味として使われる様になりました。
「厚顔」の読み方
「厚顔」は「こうがん」と読みます。
たまに「厚顔しい」と書いて「あつかましい」と読ませる文章がありますが、意味を重視した当て字です。
「厚顔」の英語(解釈)
「厚顔」の英語には様々な言い方がありますので、以下に代表的なものを紹介します。
- “thick skin”
- “lot of nerve”
- “imprudent”
“thick skin”
“thick skin”は直訳で「厚い皮膚」という意味で、「神経が図太い」という意味で使われます。
日本語と何となく意味が似通っているので使い易いでしょう。
“She has a thick skin.”で「彼女は神経が図太い=彼女は厚顔である」になります。
“lot of nerve”
“lot of nerve”は「神経が多い=神経が図太い」という意味があります。
「どんな神経しているんだ」というイメージで使うと良いでしょう。
「厚顔」というと相手を皮肉っている感じがするのですが、“1ot of nerve”は相手を非難する意味が強くなります。
“He has a lot of nerve.”で「彼はすごく神経が図太い=彼はすごく厚顔である」となります。
“imprudent”
“imprudent”は「分別がない」「軽率な」という意味があります。
“She is so imprudent.”で「彼は無分別だ=彼は厚顔だ」になります。
「厚顔」の語源や由来
「厚顔」の語源は、中国の「詩経」という歴史的書物に出てくる「巧言、簧の如し、顔の厚きかな」という一節からきています。
これは「巧みな言葉は笛を吹く舌の様なもので、恥知らずである」という意味です。
ここから「厚顔」という言葉が使われる様になりました。
「厚顔」の言葉の使い方
「厚顔」は名詞ですので、比較的自由に使えます。
「厚顔だ」と言い切ったり「厚顔な態度」など修飾語としても使えます。
どちらかと言えばあまり親しくない関係の人を非難する時に使う言葉ですので、ビジネスで使う時には十分注意しましょう。
「厚顔」を使った言葉・慣用句や熟語・関連
「厚顔」を使った例文を幾つか以下に紹介します。
- 「厚顔無恥な女」
- 「厚顔なふるまい」
「厚顔無恥な女」
「こうがんむちなおんな」と読みます。
「厚顔無恥」とは、「神経が図太い上に恥知らずな様子」のことです。
「厚顔」だけでも「恥知らず」という意味があるのですが、「無恥」を加えることにより「人の迷惑を顧みず自分の都合を優先させて押し通す人」という意味が強くなります。
尚、「厚顔無恥」を「厚顔無知」と書き間違う人がいますが、意味の上でも「恥を知らない人」のことであり「無知な人」ではないので注意しましょう。
「厚顔なふるまい」
「他人の都合や迷惑を考えず、自分のやりたい様に行動する様子」です。
会社でまだやるべき仕事があるのに「今日は予定があるのでできません」と言って平気で帰ってしまったり、デートでは男性がおごるべきと思ってお金を払う様子を見せないなどの自己中心的な態度をいいます。
本来は「恥ずべき態度」「人に迷惑をかけている態度」なのですが、自分では全くそれに気づかずに平然としている時にこの様に表現します。
「厚顔」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「厚顔」を使った例文を紹介します。
- 「厚顔」を使った例文1
- 「厚顔」を使った例文2
「厚顔」を使った例文1
「遅刻して何も手伝わない彼の厚顔ぶりに腹が立った」
チームでイベントを運営する時にはルールを守る必要があります。
事情があって遅刻するのはまだしも、その後全く手伝いをせずにサボっているのはあまりにも恥知らずで無礼だということを表しています。
「厚顔」を使った例文2
「世話になった人にお礼を言わない厚顔さに呆れた」
会社で異動や退職をする際に、世話になった人に全くお礼を言わず当然の様に辞めていく態度を非難しています。
その様な人材はむしろ辞めて貰ってスッキリしたと思われるでしょう。
「厚顔」の類語や類義表現
「厚顔」の類語を以下に紹介します。
- 「図々しい」【ずうずうしい】
- 「厚かましい」【あつかましい】
「図々しい」【ずうずうしい】
「神経が図太くて多少の事では動じない」という意味です。
一方的に自分の都合を押し付ける様な性格という意味も含まれていて、ネガティブなイメージになります。
「厚かましい」【あつかましい】
「遠慮や恥を感じない」という意味です。
「かましい」はその状態に近いことを表していて「の様だ」「の傾向がある」という意味になり、ネガティブな意味に使われます。
「厚顔」と「傲岸不遜」の違い
「傲岸不遜」は「ごうがんふそん」と読みます。
意味は「おごりたかぶって人を見下すこと」「慢心して横柄にふるまうこと」で、確かに「厚顔」と似ています。
「厚顔」は「神経が図太くて人に迷惑をかけても平気なこと」で、意図せずに態度に出るものです。
「傲岸不遜」は「思い上がって他人を見下すこと」で、意図して態度に表すものです。
「自分でそう思ってしているかそうでないか」という部分での違いがあるのです。
「厚顔」は「図々しくて人に対して平気で迷惑をかける様子」です。
一般的には「厚顔無恥」として使われることが多くなります。
人の態度や性格を非難する言葉ですので、慎重に使いましょう。