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「一寸の虫にも五分の魂」の意味とは?類語、四文字熟語や使い方、例文を紹介!

日本には「虫」の慣用句やことわざが数多くあることを知っていますか。

例えば「虫がいい」「飛んで火に入る夏の虫」などなど。

同じく虫のことわざである「一寸の虫にも五分の魂」についてご紹介します。

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「一寸の虫にも五分の魂」の意味とは?類語、四文字熟語や使い方、例文を紹介!>


目次

  • 「一寸の虫にも五分の魂」の意味とは?
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の類語や四文字熟語
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の使い方
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の英語
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の反対語はどのような言葉があるの?
  • 「一寸の虫にも五分の魂」を分解して解釈してみると…


「一寸の虫にも五分の魂」の意味とは?

「一寸の虫にも五分の魂」とは、そのまま表現すると「どんな小さなものでも感情を持っている」になり、つまり「小さなもの(弱いもの)でもそれ相応の意地や感情を持っているので、決して侮ってはいけない」というたとえです。

小さく弱いものは、時には自分自身を指すことがあるかもしれませんし、他者を指すこともあるかもしれません。

自分を奮い立たせる言葉であると同時に、同じように生きているものを外見や自己判断で見下してはいけないという戒めの言葉でもあるのです。

  • 「一寸の虫にも五分の魂」の語源

「一寸の虫にも五分の魂」の語源

一寸(いっすん)とはと約3cmの長さをいいますが、ここでいう一寸とは「わずかなである」という意味です。

また、五分(ごぶ)とは一寸の半分、約5cmの長さをいいます。

つまり、虫のような小さいからだでもその半分には魂がぎっしりとつまっているのだ、と伝えている言葉です。

要約すると「(命は)平等である」を伝えていることわざなのです。



「一寸の虫にも五分の魂」の類語や四文字熟語

どのような弱いものでも気概があるのだという意味を持つ「一寸の虫にも五分の魂」と同じような意味の言葉や四文字熟語はどのような言葉があるのでしょうか。

「小さいもの(弱いもの)」「気概がある」をキーワードに類語をご紹介しましょう。

  • 「痩せ腕にも骨」【やせうでにもほね】
  • 「なめくじにも角」【なめくじにもつの】
  • 「山椒は小粒でもぴりりと辛い」【さんしょはこつぶでもぴりりとからい】
  • 「小さくとも針は呑まれぬ」【ちいさくともはりはのまれぬ】
  • 「三草二木」【さんそうにもく】
  • 「等量斉視」【とうりょうせいし】

「痩せ腕にも骨」【やせうでにもほね】

無力で弱い者でも、それなりの意地や誇りを持っているので、決して侮ってはいけない」というたとえのことわざです。

一見すると痩せていて貧弱な腕であっても、腕の中には堅い骨が通っているのだという意です。

「なめくじにも角」【なめくじにもつの】

殻も持たない弱そうに見えるなめくじにも角(つの)がある。

つまり、弱いものでも角を突いて歯向かうこともあるというたとえです。

弱い者だからといって侮ってはいけないという戒めの言葉です。

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」【さんしょはこつぶでもぴりりとからい】

「さんしょはこつぶでもぴりりとからい」と読むこのことわざは、「体は小さくとも優れた才能を持ち、侮りがたい存在である」という意味で、山椒の実は小粒ながら、激しい辛味と風味を持つことが語源です。

外見が小さいことを強調しているため、小柄な方のやる気を表すアピールとして使いやすい言葉です。

「小さくとも針は呑まれぬ」【ちいさくともはりはのまれぬ】

針はいくら小さいと言っても、飲むことはできないことから、小さくても侮れないというたとえです。

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」に近いことわざです。

「三草二木」【さんそうにもく】

「三草二木」の意味は、能力や素質の違いがあってもすべては平等だということです。

草木は大きさや種類に関わらず、雨の恵みや太陽からの日差しを平等に受けて育つことのたとえです。

「等量斉視」【とうりょうせいし】

「等量斉視」とは、すべての人々を差別しないで、平等に扱うことをいいます。

「等」「斉」もひとしいという意味を持っている漢字です。

「すべての人に対して平等に量(はか)り、平等に視(み)る」ということをいいます。

「一寸の虫にも五分の魂」の使い方

では、「一寸の虫にも五分の魂」はどのような時に使えばよいでしょうか。

「一寸の虫」は弱いもののたとえなので、他者にむかって使用するには注意が必要です。

特に上司や年上の方、取引先の方などに誤って使用すると失礼にあたるので気をつけましょう。

  • 「一寸の虫にも五分の魂」の例文1
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の例文2
  • 「一寸の虫にも五分の魂」の例文3

「一寸の虫にも五分の魂」の例文1

「いくら相手が初心者だからって、試合の前に遊んでいて大丈夫なのか?『一寸の虫にも五分の魂』っていうぞ」 このように自分より格下だと思っている人をいさめるときに使用できます。

「一寸の虫にも五分の魂」の例文2

「今日この日のために、血の滲むような努力もしてきた。相手がいくら強豪だとしても『一寸の虫にも五分の魂』だ。思い切ってやりきるそ」

大きなものに立ち向かう時など、自分を奮い立たせる場合にも「一寸の虫にも五分の魂」と表現できます。

「一寸の虫にも五分の魂」の例文3

「『一寸の虫にも五分の魂』といって、どんな生き物も懸命に生きているのだから、遊びで虫を殺したりするのはやめなさい」

命の価値の同等さを伝える時にも使えますね。



「一寸の虫にも五分の魂」の英語

「一寸の虫にも五分の魂」と同じような意味を持つ英語のことわざをご紹介します。

  • “Even a worm will turn.”
  • “The fly has her spleen and the ant has gall.”

“Even a worm will turn.”

「ミミズのような虫でさえも立ち向かってくる」

“worm”とは細長い虫の俗称でミミズやサナダムシなどをいいます。

「一寸の虫にも五分の魂」と同じく、どんな弱いものであろうと意地や感情があるのでばかにしてはいけないことのたとえです。

この表現の最古の記録はJohn Heywood(ジョン・ヘイウッド1497-1580)の1546のことわざ集といわれています。

“The fly has her spleen and the ant has gall.”

「ハエにも脾臓(ひぞう)がありアリにも胆汁(たんじゅう)がある。」

ハエやアリのような小さな生き物も人間と同じく臓器をもっている。

すなわち、小さく弱いものであっても人間と同じく怒りや恨みの感情を持っているのだというたとえです。

「小さい生き物ですらそうなのだから、まして人間はいうまでもない」という意味でも使われることがあるようです。

「一寸の虫にも五分の魂」の反対語はどのような言葉があるの?

では、「一寸の虫にも五分の魂」の反対語にあたる言葉は何があるのでしょうか。

「小さく弱いものでもばかにできない」「小さいもの、大きいものにかかわらず命は平等である」この二つをキーワードに考えてみましょう。

  • 「独活の大木」【うどのたいぼく】
  • 「弱肉強食」【じゃくにくきょうしょく】
  • 「傲岸不遜」【ごうがんふそん】

「独活の大木」【うどのたいぼく】

「独活の大木」とは、大きいからだを持っていても役に立たないことのたとえです。

独活(うど)は地上に出る前の若く柔らかい状態のものは食べられますが、大きく育ってしまうと堅くなり食用になりません。

独活は生長すると2m以上にもなりますが、いくら大きく成長したとしても建築材として使用できるわけでもありません。

「大きくても役に立たない」「小さくてもばかにできない」の反対のことわざになるのではないでしょうか。

「弱肉強食」【じゃくにくきょうしょく】

弱い者が強い者のえじきになること、つまり強い者が弱い者を思うままに滅ぼして、繁栄することをいいます。

「この世は所詮『弱肉強食』だ」など、所詮、弱いものは淘汰されて権力のあるものしか生き残らないのだという四文字熟語です。

「傲岸不遜」【ごうがんふそん】

「傲岸不遜」はおごりたかぶって人を見下したり、思いあがって謙虚さのないさまをいう四文字熟語です。

「傲岸(ごうがん)」とは、人を見下していばっていることをいい、「不遜(ふそん)」とは、思い上がってへりくだることのない態度をいいます。

人を見下して侮ることは「一寸の虫にも五分の魂」とは真逆のことです。

「一寸の虫にも五分の魂」を分解して解釈してみると…

「一寸の虫にも五分の魂」をそれぞれの言葉に分解してみると、より、言葉の意味が理解できるかもしれません。

ひとつひとつの言葉の持つ意味を色々な角度で考察してみましょう。

  • 「一寸の虫」
  • 「五分=同等」
  • 「魂=誇りと意地」
  • 「一寸の虫にも五分の魂」とは

「一寸の虫」

日本では「虫」のつく慣用句が多数あります。

「虫の息」「虫のしらせ」など、どれもよく耳にする言葉でなないでしょうか。

しかし、どの言葉も「蚊」「アリ」など、具体的な虫について語っている言葉ではありません。

古来より日本は虫とともに生きてきたといってもいいほど虫に親しんできました。

蝶が舞っていると「春」を感じ、セミの鳴き声を聞いて「夏」を感じます。

同じセミでもアブラゼミの鳴き声で盛夏を知り、ヒグラシが鳴き出す頃には「晩夏」を知り、コオロギやスズムシが鳴くと「秋」の訪れを知るのです。

このように虫を大切に思う日本人の気質から「一寸の虫」であっても大切に扱わなければならないという言葉ができたのかもしれません。

「五分=同等」

では、「五分(ごぶ)」とはどのような意味があるのでしょうか。

元々「五分」とは「五分刈り」の五分のように長さを表したり、「手数料は五分です」のように、1割(10パーセント)の半分、5パーセントを表す言葉です。

しかし、「五分」とは「双方に優劣の差がない」ことを表す言葉でもあるのです。

互角であることを「五分五分(ごぶごぶ)」というように、「五分」「同等」であることを意味しているのです。

「魂=誇りと意地」

さあ、最後に「魂(たましい)」が残りましたね。

魂がつく言葉にはどのようなものがあるでしょうか。

「魂が抜ける」「魂を入れ替える」「大和魂」など魂のつく言葉は多数あります。

元々魂とは「生きものの体の中に宿り、心の働きをつかさどるもので肉体から離れたり死後も存在し続ける」と考えられてきました。

このことから「魂」「(人を)形づくる上で大切な心の軸であり、精神の中枢」であるのです。

つまり「魂」は自分自身に「誇り」「意地」を持つことなのではないでしょうか。

「一寸の虫にも五分の魂」とは

外見や学歴、生い立ちだけで判断してその人価値を決めつけてはならない、という自戒のことわざでもあり、またどんな環境や状況であっても自分に自信を持っていくことが大事だということわざなのではないでしょうか。

icon まとめ

年をとっていくと段々と周りのものから丁重に扱われたり、失礼な物言いをされることもなくなってきます。

「初心忘るべからず」の精神を持つことが人生を豊かにするコツではないでしょうか。

自分の発言が奢り高ぶったところから出ていないかを今一度確認する意味でも、「一寸の虫にも五分の魂」を肝に銘じて生きたいものです。

また、人生を切り開かなければならない若い世代でも「一寸の虫にも五分の魂」と誇りと意地を持って奮い立っていきましょう。