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「憎まれっ子世に憚る」の意味とは?ことわざ?類語、反対語や使い方、例文を紹介!

「憎まれっ子世に憚る」という言葉の意味、読み方を紹介します。

さらに「憎まれっ子世に憚る」と同じ意味を持つ言葉や、使い方を紹介します。

憎まれっ子世に憚る

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「憎まれっ子世に憚る」の意味とは?ことわざ?類語、反対語や使い方、例文を紹介!>


目次

  • 「憎まれっ子世に憚る」の意味とは?
  • 「憎まれっ子世に憚る」の類語や似た意味のことわざ
  • 「憎まれっ子世に憚る」の使い方や例文
  • 「憎まれっ子世に憚る」の反対の意味を持つ言葉とは


「憎まれっ子世に憚る」の意味とは?

「憎まれっ子世に憚る」の意味とは?

社内や学校に困った人がいて、その人が周囲の人たちに迷惑を掛けながら、実はいちばん元気に活動している事があります。

そんな時に使いたい言葉が「憎まれっ子世に憚る」です。

「憎まれっ子」とは、そのまま「憎まれている人」「嫌われている人」、または「評判の悪い人」「人気のない人」などの事を指します。

正しい世の中なら、そのような人は社会からスポイルされるべきだと考えるかもしれません。

しかし現実には、そういう人に限って、誰よりも元気に活動しているものです。

逆にいい人は、現実に疲れてしまい、職場から去ったり、要職から外れてしまう事もあります。

例えば、評判の悪いIT企業の社長などを見ると、いつかは表舞台から消えるだろうと思うかもしれません。

しかし意外としぶとく、事業を大きくしたり、世の中に影響を与えるような大きな仕事を成し遂げたりします。

しかし、社員は振り回されて、同業界の企業も振り回されるなど、「憎まれっ子感」は相変わらずだったりします。

SNSなどでいつも炎上騒ぎを起こしているのに、しぶとく芸能界に残っている芸能人なども、「憎まれっ子世に憚る」の典型例かもしれません。

  • 「憎まれっ子世に憚る」の読み方

「憎まれっ子世に憚る」の読み方

「憎まれっ子世に憚る」「にくまれっこよにはばかかる」と読みます。

特に「憚る」「はばかる」と読むのが難しいと思います。

また「憚る」という言葉だけでも、「周囲に差し障るくらい勝手に振る舞う」という意味があります。

日常的には使う事があまりないくらい、面倒な感じの人が行動をする時、「憚る」という言葉で表現する事ができます。



「憎まれっ子世に憚る」の類語や似た意味のことわざ

「憎まれっ子世に憚る」の類語や似た意味のことわざ

それでは「憎まれっ子世に憚る」に似た言葉を見ていきましょう。

この言葉は日本だけでなく、世界中に似た意味の言葉がある事が分かります。

「憎まれっ子世に憚る」は世界共通の認識なのです。

  • 「雑草は早く伸びる」【ざっそうははやくのびる】
  • 渋柿の長持ち【しぶがきのながもち】
  • 憎まれ子頭堅し【にくまれこのかみかたし】
  • 正直者が馬鹿を見る【しょうじきものがばかをみる】

「雑草は早く伸びる」【ざっそうははやくのびる】

「憎まれっ子世に憚る」と似たような意味の言葉に、「雑草は早く伸びる」という言葉があります。

英語では“Ill weeds grow apace (fast). ”となります。

家庭菜園などをしている人なら実感があると思いますが、育てたいと思って気遣っている花よりも、雑草の方が元気に伸びるという事は良くあります。

「育って欲しい人は育たず、こんな悪いやつばっかり元気だよ」と、会社や学校で元気に過ごしている人たちを見て、上司や先生はため息をついているのかもしれません。

「憎まれっ子世に憚る」という現象は、日本だけでなく世界共通なのかもしれません。

雑草系のことわざは、他の国にもあります。

フランスには「雑草はひとりでに成長する」という言葉がありますし、スペインには「雑草は霜にも負けない」という言葉があります。

植物を育てて、作物を作る事は、人間の基本的な仕事のひとつですが、雑草に苦労した先人たちの気持が、このような言葉の数々に出ているような気がします。

渋柿の長持ち【しぶがきのながもち】

また「渋柿の長持ち」という言葉もあります。

この場合、渋柿に対応するのは「甘い美味しい柿」という事になります。

美味しい柿は、カラスに取られてしまったり、木から落ちてダメになってしまうのに、何の役にも立たない渋柿に限って、いつまでも木に残っている…というガッカリ感がこの言葉から感じられます。

例えば会社に同期入社した2人の新人社員がいて、仕事ができて愛想も良く人気がある人と、仕事もできず、性格的にも問題がある人がいるとします。

この場合、周囲の人たちが期待するのは、仕事ができて愛想が良い人が会社に残ってくれる事ですが、期待に反してすぐに会社を辞めてしまったりします。

そして結果的に仕事ができない、性格的にも問題がある「渋柿」のような人が、いつまでも会社に残る事になります。

こんな時に「渋柿の長持ち」という言葉を使います。

憎まれ子頭堅し【にくまれこのかみかたし】

さらに「憎まれっ子世に憚る」に似た言葉として「憎まれ子頭堅し」という言葉があります。

憎まれ子は、憎まれっ子と同じ、周囲の人から愛されていない人の事です。

そして「頭堅し」は、頑固で扱いにくいという意味になります。

憎たらしい人は、頑固で扱いにくいが、元気に仕事をしたり結果を出したりするというような意味です。

もちろん頑固で扱いにくく、やりたいように行動をするため、迷惑が掛かっている人はたくさんいます。

このように「憎まれ子頭堅し」という言葉を使う時は、ほめ言葉というよりも「やれやれ」という感じが強いようです。

正直者が馬鹿を見る【しょうじきものがばかをみる】

さらに「憎まれっ子世に憚る」に似た言葉として「正直者が馬鹿を見る」という言葉があります。

どんなに正直で真面目に物事に取り組んでも、結果的に悪い人には勝てない…そんな意味があります。

ドラマなどでライバルを描く時は、この「正直者」が主人子になり「憎まれっ子」が敵役になる事が多いです。

例えば医療モノのドラマの主人公が、患者の事をいちばんに考える正直者の先生で、敵役がスタッフや患者さんから評判が悪い憎まれっ子だったりします。

憎まれっ子なのに病院をクビにならないのは、信じられないような外科手術の腕があり、誰にもできないような難手術を成功させる…というような設定になります。

最近はドラマでも、正直者より、憎まれっ子の方が勝つ傾向にあります。

余計な気遣いをせず、目的に一直線に頑張れる「憎まれっ子」の方が、最終的に成果を出しやすいというのは一理あるのかもしれません。

もちろん、そのようにして成功を収めて、周囲から浮いてしまう人生で良いかどうかは別問題となります。

「憎まれっ子世に憚る」の使い方や例文

「憎まれっ子世に憚る」の使い方や例文

それでは「憎まれっ子世に憚る」の使い方を具体的に見ていきましょう。

使い方を覚えると、困った人が目の前にいる時に、その気持ちを表現しやすくなるかもしれません。

  • 「憎まれっ子世に憚る」の使い方
  • 「憎まれっ子世に憚る」を使った例文

「憎まれっ子世に憚る」の使い方

「憎まれっ子世に憚る」を使う時は、「憎まれっ子」がいる事が大切です。

さらに「元気」で、「仕事ができる」または「結果的に仕事で成功している」人の事を指します。

「憎まれっ子」の定義は、先述した通り「嫌われている人」「他の人に迷惑を掛ける人」「評判の悪い人」などを指します。

つまり「評判が悪く嫌われているのに、元気で仕事で成功している人」を見た時に、「憎まれっ子世に憚る」という言葉を使います。

周囲にいい人しかいない、恵まれた環境で暮らす人は、この言葉を使う機会がないかもしれません。

しかし、「憎まれっ子」の姿が、両手でも足りないくらい思い浮かぶ人は、この言葉を使う機会が多くなるでしょう。

「憎まれっ子世に憚る」を使った例文

それでは実際に「憎まれっ子世に憚る」を使って例文を作ってみましょう。

例えばブラック企業を率いている、法律的にはギリギリな感じの社長がいるとします。

多くの人は「早く目の前から消えろ」と思っていて、実際に問題を起こして訴訟などになり負ける事もあるのですが、何とか難局を乗り切って、再びメディアの前に出てくるとします。

そしてこの社長が自社CMに出演してはしゃいでいる姿を見ている時などに、多くの人は「この社長は憎まれっ子世に憚るだな」と思うはずです。

このように、本来は消えて欲しいのに、期待に反して元気に活躍している人の姿を見た時に「あいつはまさに、憎まれっ子世に憚るだな」と言います。

例文としては「あいつはまさに、憎まれっ子世に憚るだ」となります。

困った人を目の前にした時、本人に聞こえないように小さな声で、ため息交じりに「あいつはまさに、憎まれっ子世に憚るだ」と言いましょう。



「憎まれっ子世に憚る」の反対の意味を持つ言葉とは

「憎まれっ子世に憚る」の反対の意味を持つ言葉とは

「憎まれっ子世に憚る」の反対の意味を持つ言葉には、どのようなものがあるでしょうか。

憎まれっ子ばかりが世の中で活躍するのも悔しいので、反対の意味を持つ言葉も知っておきましょう。

  • 「正義は勝つ」【せいぎはかつ】
  • 「愛は勝つ」【あいはかつ】

「正義は勝つ」【せいぎはかつ】

最終的に正義は勝つという意味を込めた言葉が「正義は勝つ」です。

最近はあまり耳にしなくなった「正義は勝つ」という言葉ですが、以前は正義は勝つのが当たり前でした。

例えば戦隊物のヒーローなどは正義の象徴ですので、苦戦はしますが最終的に敵に勝利します。

「水戸黄門」のような歴史的なヒーローも、最終的に悪代官を懲らしめてくれます。

このような最終的に正義が勝つ物語を「勧善懲悪」の物語と呼びます。

ただ勧善懲悪の物語は気持ちがスッとするものの、あまりレパートリーが多くないため、魅力に欠けるストーリーになりやすいです。

ほとんどの人は正義のヒーローのような完全無欠で正しい人ではなく、悪い部分、弱い部分を持っています。

「憎まれっ子」くらいの方が、ドラマの登場人物としては魅力的なのかもしれません。

また「正義とは何か?」という難しい問題も、「正義は勝つ」という言葉は抱えています。

「愛は勝つ」【あいはかつ】

かつてのヒットソングに「愛は勝つ」という歌がありました。

最終的には愛の力が勝つという考えは、実は多くの人が共有しているかもしれません。

「正義」という言葉は、逆サイドにいる人から見ると「悪」である事が多いのに対して、「愛」という言葉は、誰に対しても好印象があります。

そのため、現在では正義よりも愛の方が、正義らしい意味合いを持っているかもしれません。

「愛は勝つ」「憎まれっ子世に憚る」の反対語としては少し弱いかもしれません。

しかし金持ちだけれど性格が悪く周囲に迷惑を掛けている社長と、お金はないけれど真面目で周囲の人に好かれている人が、同じ女性にプロポーズをした時、「愛の力」で後者が勝つかもしれません。

このような場面を見た時は、自然と「愛が勝つ」という言葉が頭に浮かびそうです。

icon まとめ

「憎まれっ子世に憚る」という言葉の意味や同義語、使い方を見てきました。

「憎まれっ子」は実際に世の中で活躍している事が多いので、この言葉を使う機会は今後も多くなりそうです。

できれば憎まれっ子よりも、真面目な人や優しい人が報われる世の中になって欲しいけれど、現実はそう甘くないのかもしれません。