「赤子の手をひねる」の意味とは?ひどすぎる?類語、四文字熟語や使い方、反対語を紹介!
「赤子の手をひねる」という言葉を今まで耳にしたことはありますでしょうか。
よく使われることわざなのでおそらく大体の人が聞いたことがあるなと思ったのではないでしょうか?
では次にこのことわざを聞くとどのような印象を受けますでしょうか?
別になんともと思う人がいる反面「赤ちゃんが可哀想」と思われた方も少なからずいらっしゃるかと思います。
今回はそんな「赤子の手をひねる」ということわざについて解説をしていきたいと思います。
目次
- 「赤子の手をひねる」の意味とは?
- 「赤子の手をひねる」の類語や言い換え
- 「赤子の手をひねる」の使い方
- 「赤子の手をひねる」の反対語や対義語
- 「赤子の手をひねる」より簡単とは?
- 「赤子の手をひねる」は意外と間違えて覚えている?
「赤子の手をひねる」の意味とは?
「赤子の手をひねる」とは「力がなく、抵抗しないものであればやすやすと扱うことができる」「力の差があり、ものごとを安易に行うことができる」という意味を持つことわざです。
赤子とは赤ちゃんのことを指し、大人と赤ちゃんの力の差は一目瞭然であることからこのことわざは作られたようです。
赤ちゃんの手と大人の手の大きさや力の具合の差をイメージすれば「赤子の手をひねる」ということわざが持つ意味を想像するのは容易いことです。
- 「赤子の手をひねる」はことわざでもひどすぎる?
「赤子の手をひねる」はことわざでもひどすぎる?
「赤子の手をひねる」という言葉を検索すると「ひどくない?」や「もっと他にいい例えはなかったのか」という意見をよく見かけます。
確かに赤ちゃんのあの柔らかく力もろくに入らない手を見てこのことわざを考えついた人がいるのかと思うと少し背筋が凍るような思いになりますね。
ですが「ひどい」という意見と同様に見受けられたのが「もし自分だったら本当に赤ちゃんの手をひねることができるのか」という意見です。
こちらの意見を述べている方々は「赤ちゃんの手をひねるなんて可哀想で絶対に出来るわけがない」「赤ちゃんなんて触るだけでも傷つけそうで怖いのだから赤子の手をひねるなんてことは絶対に無理」という理由から「赤子の手をひねる」のは現実では容易ではない、と考えているようです。
「赤子の手をひねる」ということは物理的には容易なことですが、心理的、精神的には不可能に近いと考えている方が多いようです。
また「赤子の手をひねる」という言葉はひどいという印象を受けるかもしれませんが、あくまでことわざであり、比喩表現であるという言葉を念頭に入れておきましょう。
「赤子の手をひねる」の類語や言い換え
「赤子の手をひねる」という言葉に「力がなく、抵抗しないものであればやすやすと扱うことができる」「力の差があり、ものごとを安易に行うことができる」という意味があることはわかりました。
また「赤子の手をひねる」という表現に対し「ひどい」という意見があることもわかりました。
ではそんなひどいという意見もある「赤子の手をひねる」という言葉はどう言い換えればいいのでしょうか?
- 「赤子の腕をねじる」
- 「朝飯前」
- 「いとも容易く」
「赤子の腕をねじる」
こちらは「赤子の手をひねる」と同じ意味のあることわざです。
こちらのことわざですと「手」が「腕」、「ひねる」が「ねじる」に変化しているので「赤子の手をひねる」よりも乱暴な印象を与える可能性がありますね。
小さなお子さんを持っている方に対してこのことわざを使うと嫌悪感を与える恐れもありますので気をつけましょう。
「朝飯前」
「朝飯前」は単純に朝食を取る前と「朝食を取るようなわずかな時間でできるほど容易いこと、もしくはそのさま」という意味があります。
また「朝食をとるほどのわずかな時間で容易に行うことができること、もしくはそのさま」という意味を持ちます。
こちらの言葉は「それくらいなら朝飯前だよ」や「朝飯前でもそれくらいできるよ」というような形で耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「赤子の手をひねる」は力の差から安易に行うことができるという表現になりますが、「朝飯前」はわずかな時間で容易に行うことができるという意味になっています。
そのため力の差から容易に行うことができる場面でこの言葉を使うのは誤用になりますが、「手こずることなく容易に行うことができる」というような意味は「赤子の手をひねる」と同じです。
「いとも容易く」
「いとも容易く」は「とても、極めて」という意味を持つ副詞「いと」と「安易であり、わけもなくできる」という意味を持つ形容詞の「容易い」を合わせた「極めて容易にできること、そのさま」という意味を持つ言葉です。
こちらは「赤子の手をひねる」や「朝飯前」と異なり場面や状況といった前提がありませんのでどのような場面でも用いることができる表現になります。
「赤子の手をひねる」ということわざに対し抵抗感がある方はこの言葉に言い換えるのがおすすめです。
「赤子の手をひねる」の使い方
ここまで「赤子の手をひねる」の類語や言い換えをご説明してきましたが、続いては「赤子の手をひねる」という言葉を如何なる場面で使うかをご紹介します。
「赤子の手をひねる」という言葉はここまで何度か説明してきたように「力の差」や「相手の抵抗が弱い、またはできない」ことから容易に物事を行うことができる場面で用いられることわざです。
そのため使用方法としては大企業と中小企業、強豪校と弱小校、プロとアマチュアなどの誰が見ても力の差が一目瞭然であるもの同士が競う際に用いられるのが一般的でしょう。
次に「赤子の手をひねる」という言葉をどのように使うのか例文を通してご紹介します。
- 「まるで赤子の手をひねるような試合だった」
- 「これくらいの問題であれば赤子の手をひねるように簡単に解くことができるよ」
「まるで赤子の手をひねるような試合だった」
「そういえばこの前のテニスの試合はどうだったの」
「いや、それが相手がまるっきり初心者でまるで赤子の手をひねるような試合だったよ」
「それは相手も災難だったね」
「赤子の手をひねる」は力量差が明確な場合に使われる表現なので上記のような場面で使うのは適切です。
ただ「赤子の手をひねる」という言葉を聞くと競った相手への同情も感じます。
ですのでこの場合は「朝飯前の試合だったよ」などに置き換えても良いでしょう。
「これくらいの問題であれば赤子の手をひねるように簡単に解くことができるよ」
「今回のテストでここの問題を解けたのは君だけなんだってね」
「これくらいの問題であれば赤子の手をひねるように簡単に解くことができるよ」
「さすがだね。数学の成績が学年1位の人は言うことが違うね」
こちらの場合は「物事を安易に行うことができる」という意味で「赤子の手をひねる」という表現が使われています。
「赤子の手をひねる」という意味は元来「力がなく、抵抗しないものであればやすやすと扱うことができる」「力の差があり、ものごとを安易に行うことができる」という意味を持つことわざなので多少意味のズレが発生しています。
ですが現代では力の差は関係なく容易に物事を行うことができる、ということを表現したい時にもこのことわざは使われますので誤用とまでは言い切れないでしょう。
ただより正しい表現をしたいのであれば「これくらいならいとも容易く解くことができるよ」などと言い換えることをおすすめします。
「赤子の手をひねる」の反対語や対義語
「赤子の手をひねる」という言葉の意味や言い換えについていままで学んできましたが「赤子の手をひねる」の反対語や対義語にはどういったものがあるのでしょうか。
以下にいくつか例とその意味を記載します。
- 「歯が立たない」
- 「太刀打ち出来ない」
- 「足元にも及ばない」
- その他の「赤子の手をひねる」の反対語や対義語
「歯が立たない」
「歯が立たない」とは「相手が自分の技量をはるかに超えていて、とても取り組めない」「自分の力が弱くて対抗することや、理解することができない」という意味を持ちます。
「太刀打ち出来ない」
「太刀打ちできない」は「実力の差の大きさなどの理由によって競争しても勝負にならない、相手にならない」といった意味を持ちます。
「足元にも及ばない」
「足元にも及ばない」とは「相手の力量が自分よりもはるかに優れていてとても敵わない、足元にもよりつくことができない」という意味を持ちます。
その他の「赤子の手をひねる」の反対語や対義語
上記以外にも「赤子の手をひねる」の反対語や対義語は存在します。
例えば「手の打ちようがない」「遠く及ばない」「勝負にもならない」「手も足も出ない」などがそうです。
「赤子の手をひねる」の反対語、対義語には手や足、歯など身体の一部が表現の中に含まれていることが多いようです。
「赤子の手をひねる」より簡単とは?
「赤子の手をひねる」という言葉についてまとめてきましたが時には「赤子の手をひねるよりも簡単なことだった」という表現を耳にすることもあります。
では「赤子の手をひねるより簡単」という言葉はどのように使われるのでしょうか。
「赤子の手をひねる」の意味は「力がなく、抵抗しないものであればやすやすと扱うことができる」「力の差があり、ものごとを安易に行うことができる」ですからそれより更に力のないもの、力量差がはっきりとしている相手にしていることになりますね。
そうなるともはや「追い討ちをかける」という劣勢、逃げている相手にさらに攻撃を仕掛けるという表現の方が近いように感じられます。
また「赤子の手をひねる」自体がとても容易であることを表現する時に使う言葉であるため「赤子の手をひねるよりも簡単」という表現には更に自分の力を誇示したい、力量差を示したいという印象を受けます。
そのため「赤子の手をひねるよりも簡単」という言葉は相手によっては「嫌な感じ」や「図々しい」というような印象を与える恐れもあります。
使用する際には相手や場面を考えて使う必要があると言えるでしょう。
「赤子の手をひねる」は意外と間違えて覚えている?
今まで「赤子の手をひねる」という言葉について解説してきましたが意外とこのことわざを「赤子をひねる」と間違えて覚えていることが多いようです。
「赤子の手をひねる」でもひどい、という意見があるのに「赤子をひねる」と間違えて覚えていては更にひどいと言われ兼ねません。
ひどいと言われないためにも自分が恥をかかないためにも間違えないように覚えておきましょう。
以上が「赤子の手をひねる」ということわざの意味や類語、使用例などをまとめた言葉になります。
「赤子の手をひねる」はことわざの中でも「あんまりにもひどい例えだ」と言われてしまいがちなので、意味だけでなく類語や言い換えを覚えておけば相手から「その例えって……」などと言われることもありませんね。
この機会に類語や言い換えもしっかり覚えておきましょう。