「滅多にない」の意味とは?類語、例文や英語を紹介!
「滅多にない」という表現を聞いたことがあるでしょうか。
また、滅多とはどのような意味なのでしょうか。
ここでは、「滅多にない」という言葉の意味や同義語について解説します。
目次
- 「滅多にない」の意味とは?
- 「滅多にない」の類語や言い換え
- 「滅多にない」の正しい使い方
- 「滅多にない」の例文
- 「滅多にない」の対義語
- 「滅多にない」の英語
- 「あまりない」と「ほとんどない」の違いについて
「滅多にない」の意味とは?
「滅多にない」という言葉には、「滅多に」に打ち消しの語を伴った形であり、「稀にしかしない」、「稀にしか起こらない」という意味を持ちます。
「滅多に」は頻度について表す言葉であるため、「ない」と打ち消しの言葉を付け加えることにより、頻度が少ないことを意味するのです。
- 「滅多にない」の読み方
- 「滅多」の意味
「滅多にない」の読み方
「滅多にない」の読み方は、「めったにない」になります。
「滅多」の意味
まず、「滅多にない」という表現について触れる前に「滅多」という意味について確認しておきましょう。
まず「滅多」には3つの意味があり、「軽率であること」、「ごく当たり前であること」、「どう起こしている」などという意味を持ちます。
例えば、「滅多なことをいうべきではない」「滅多なことでは驚かない」「滅多に高価な服は買わない」などと表現が使われます。
「滅多にない」の類語や言い換え
- 「ろくに〜ない」
- 「貴重」【きちょう】
- 「珍しい」【めずらしい】
「ろくに〜ない」
「滅多にない」という表現の類義語には「ろくにない」という表現が挙げられます。
「ろくに」十分に、満足に、まともに、という意味であり、ここに打ち消の語を伴うことによりある事柄がほとんど行われていない様子を指すことができるのです。
例えば「ろくに食べていない」と言えば、満足に食べていない、などという意味になります。
なお、「めったにない」というのは極端に頻度が少ないことを指しますが、「ろくにない」というのは「満足に」という意味を指定していますので、評価する意味が含まれるのです。
つまり、ある期待される状態が前提として存在しており、そこに満たっていない状態を指すということになります。
能力が不十分で何かができないということを指し、「ろくに書けない」「ろくに勉強できない」などと言われることもあります。
「貴重」【きちょう】
もしも起こりよる頻度や数が少なく、貴重である様、という意味で「滅多にない」という表現を使うのであれば、「貴重な」という表現も同義語として挙げられます。
例えば、博物館や美術館などで展示が行われている時、「このような現実は滅多に見られるものではない」という表現を使うことがあります。
そんな時、「貴重な展示物」などと言い換えることが可能になります。
「滅多に◯◯には行かない」と言った時、「せっかくの貴重な機会だから」などと会話が続くこともあるかもしれません。
「珍しい」【めずらしい】
また、場面にもよりますが「珍しい」という表現を使うこともできます。
「あの人は滅多にお酒を飲まない」「珍しいね」などという会話をすることがあります。
つまり、お酒を飲む頻度があまりに少ないため、お酒を飲むことが珍しい男と言い換えることが可能なのです。
もちろん、「珍しい」とはありふれておらず、興味が惹かれる、そのことについて見聞きする機会が少ない、という意味になりますので、シチュエーションによっては「滅多にない」の類義語にはならない場合もあります。
「滅多にない」の正しい使い方
「滅多にない」というのは大変難しいということです。
普通だったら起こらないようなことが起こったときなどに使えます。
「滅多」は本来は仏教用語から来ており、「計画性のない行動」「安易に考えて軽い気持ちで何かをしてしまうこと」を指すのです。
だからこそ、「めったにない」は考えに考えて行ったことであり、そこには何か重大な理由がある、と言われることもあります。
つまり、滅多にないというのは「何か理由があるのではないか」と思われるような時に使うことができるのです。
例えば、「あの人は滅多に学校を休まないのに」と言えば、学校休まなければいけないような重大な理由があったのではないか、という意味になります。
つまり、相手が何か失敗などをした時も「滅多に失敗しない人なのに」と言えば、何かあったのではないか、と理解を示すことにもなるのです。
逆に「ろくに学校に来ない」と言えば批判的な意味合いが含まれます。
「滅多にない」の例文
- 「滅多にない」の例文1
- 「滅多にない」の例文2
- 「滅多にない」の例文3
「滅多にない」の例文1
「彼女は滅多に仕事を休まない」
いつも仕事熱心で毎日しっかりと出勤しており、そもそも欠勤したことがないような女性がいきなり欠勤した場合、「彼女は滅多に仕事を休まないのに、どうしたんだろう」などということができます。
普段しっかりと出勤して仕事をしているからこそ、欠勤した背景には何か理由があるのではないか、と思います。
まさか彼女が仕事をサボった、寝坊した、などとは思わないです。
心配する意味も込めて、「彼女はめったに仕事を休まないのに」「何かあったのだろうか」と思うのではないでしょうか。
「滅多にない」の例文2
「彼は滅多に追試にならない」
誰もが、中学生や高校生の時に単語テストや定期テストなどを受けたことがあるのではないでしょうか。
そんな時、平均点や平均点の半分にも満たなかった場合、追試となることがあります。
追試は常、という人もいれば、ほとんど追試は受けたことがない、追試は今まで1度も受けたことがない、という人もいるのではないでしょうか。
いつも追試を受けている人が追試になったとしても何の違和感もありませんが、今まで1度も追試を受けたことがない人が追試となったら、「あの人は滅多に追試にならないのに」「体調が悪いのではないか」などと心配になります。
「滅多にない」の例文3
「この赤ちゃんは滅多に泣かない」
普段大きな声で泣くことがなく、ニコニコとしている赤ちゃんがいきなり泣き出したら心配になります。
「この赤ちゃんは滅多に泣かないのに」「珍しくこんなに泣いている」「体のどこか悪いんだろうか」と思ってしまうママやパパも多いのではないでしょうか。
「この赤ちゃんはろくに泣かない」と行ったりはしないです。
「この赤ちゃんはろくに泣かない」などと言ったら、むしろ逆に赤ちゃんを泣かせたいのかと思われてしまうでしょう。
「滅多にない」の対義語
「めったにない」という表現の対義語は「ざらにある」になります。
「ざらにある」という表現は珍しくもなんともない、ありふれている、という意味を表し、「ざら」という形容動詞が「もっぱらざらにある」という形で使われているのです。
「ざら」はカタカナで「ザラ」と書く場合もあります。
すでに似たようなものがたくさん存在していて新鮮味に欠ける、真新しくない、陳腐である、などということを表現したいときに使われます。
「滅多にない」の英語
- “rarely”
- “seldom”
“rarely”
例えば「あの赤ちゃんは滅多に泣かない」というのであれば“That baby rarely cries.”になります。
“rarely”に「滅多にない」という意味が含まれますので、この英語の文にdon'tなどの否定の言葉が入る事はありません。
肯定文に“rarely”を加えることで「滅多にない」と表現することができるのです。
だからこそ、“That baby doesn't cry”と言えば「あの赤ちゃんは泣かない」という意味になりますが、“doesn't”を取って“rarely”を付け加えることにより、「滅多に泣かない」という表現ができるのです。
“seldom”
“rarely”と同じく、“seldom”も「滅多にない」という形で使われます。
例えば、「彼は滅多に走らない」ということであれば“He seldom runs”という言い方をすることができるのです。
“rarely”と同じく“seldom”自体に否定の意味合いが含まれるため、“doesn't”という単語を使う必要はありません。
また、「あの赤ちゃんは滅多に泣かない」というのであれば“That baby seldom cries”でも大丈夫です。
何度も繰り返しますが、“rarely”や“seldom”という単語自体に否定の意味がありますので、“don't”や“doesn't”という単語を使う必要はありません。
「あまりない」と「ほとんどない」の違いについて
- 「あまりない」と「ほとんどない」の意味
- 「あまりない」と「ほとんどない」の英語
「あまりない」と「ほとんどない」の意味
「滅多にない」とは若干意味が違いますが、「あまりない」「ほとんどない」という表現があります。
よく似たような表現ですがこの2つはどのように違うのでしょうか。
「あまりない」というのは少しはある、ということになります。
例えば「電車が来るまであまり時間がないから急いで」と言えば電車が来る時間が確かに迫ってはいるものの、まだ充分間に合う可能性があるということになります。
それに対し、「ほとんどない」と言えば諦めた方が良い可能性も考えられます。
例えば「電車が来るまでほとんど時間がない」と言われたら、「急ごう!」より「次の電車は?」と返事をする人も多いのではないでしょうか。
「あまりない」と「ほとんどない」の英語
一般的に「あまりない」は“a few”、「ほとんどない」は“few”、と学生時代に習ったという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
「あまりない」にはaがつくから少しある、「ほとんどない」にはaがつかないから少しもない、あるいは少ししかない、という意味になるのです。
“There were a few people left”と言えば「少し人が残っていたよ」という意味になりますが、“There were few people left”と言えば「人はほとんど残っていなかったよ」という意味になるのです。
「滅多にない」という表現は日常的に使われる表現ですが、滅多にない何かが起こった場合、そこにはそれなりの理由があるということを覚えておきましょう。
そのため、もしも滅多にない何かが起こった場合、むしろなぜそのようなことが珍しく起こったのか、考えることが大切です。
例えば滅多に欠勤しない同僚が仕事を休んだり、毎日時間より早く来て仕事を始める同僚が遅刻した場合などはむしろそのような背景を心配する配慮が重要です。
さらに、確かに似たような意味合いで使われますが、「ろくにない」「ほとんどない」などという言葉も間違いのないように使い分けをしましょう。
確かに似たような意味を持っているように感じるかもしれませんが、表現が変わるとニュアンスが変わると言うことを忘れてはいけません。