「前代未聞」と「未曾有」との違いとは?分かりやすく解釈
この記事では、「前代未聞」と「未曾有」の違いを分かりやすく説明していきます。
目次
- 「前代未聞」とは?
- 「未曾有」とは?
- 「前代未聞」と「未曾有」の違い!
「前代未聞」とは?
「前代未聞」の意味と使い方について紹介します。
- 意味
- 使い方
- 由来
意味
「前代未聞」は「ぜんだいみもん」と読み、「これまでに、まだ一度も耳にしたことがない様な珍しい事や替わったこと」とい意味です。
使い方
「前代未聞」は、先祖の代になかった様な、全く聞いたこともないことが起きたり、目の当たりにすることを言います。
あまりに予想を超える出来事が起きた為に、驚いている気持ちも含まれる言葉です。
「今までにない」ということを強調していて、良い意味・悪い意味どちらでも使われます。
由来
「前代未聞」は、1300年代に書かれた戦物語である「太平記」の一節から来ていると言われます。
物語の中に「前代未聞の恥辱也(なり)」という一文があり、こちらで「未だかつてな様な恥ずかしめ」という意味で使われていたことから引用されています。
「未曾有」とは?
「未曾有」の意味と使い方について紹介します。
- 意味
- 使い方
- 由来
意味
「未曾有」は「みぞう」と読み、「今までに一度もなかったこと」「非常に珍しいこと」「仏教の経典の一つ」という意味があります。
使い方
「未曾有」は、今までに一度もなかった様な、極めて珍しいことを言います。
元々は仏教用語で良い意味だったのですが、段々と変化して良い意味・悪い意味どちらでも使われる様になりました。
現在では「未曾有の大災害」など、悪い意味で使われることが多くなっています。
「前代未聞」は「驚きの意味」が含まれるのに対して、「未曾有」は客観的で事実を述べているニュアンスがあります。
由来
「未曾有」は仏教用語で、サンスクリット語の「奇跡」と言う言葉が漢語に訳されたものです。
日本に伝わった時に「未だ曾て有らず(いまだかつてあらず)」と読まれて、そこから一般的のも使われる様になりました。
元は「いまだかつてない位素晴らしい」という意味でしたが、鎌倉時代になると良い意味・悪い意味でも使われる様になりました。
「前代未聞」と「未曾有」の違い!
「前代未聞」と「未曾有」は、同じ意味の言葉です。
「前代未聞」は「驚いた、呆れた」などの感情が込められ、「未曾有」は客観的に事実を述べているニュアンスがあります。
「前代未聞」と「未曾有」は、ほぼ同じ意味ですが、ニュアンスが違います。
その時の雰囲気によって使い分けられる様にしましょう。