「一丁前」の意味とは!語源や方言なのか解説
日常会話や映画・ドラマなどで「一丁前」という言葉が使われることがあります。
一体どの様な意味なのか、語源や使い方なども併せて紹介します。
目次
- 「一丁前」の意味
- 「一丁前」の表現の使い方
- 「一丁前」の語源
- 「一丁前」を使った言葉と意味を解釈
- 「一丁前」は方言?
「一丁前」の意味
「一丁前」の意味は「一人前であること」です。
「一人前」の意味は以下の2つです。
1つ目は「成人として認められていること」という意味で、年齢的に法律で成人として認められていたり、成人としてふさわしい能力があることを言います。
2つ目は「学問や芸事が一定の水準に達していること」で、十分な実力があり、人から評価される様な仕事ができる状態を言います。
- 「一丁前」の読み方
- 「一丁前」の「前」とは
「一丁前」の読み方
「一丁前」は「いっちょうまえ」と読みます。
ただし、口語では略して「いっちょまえ」と言う人も多くいます。
「一丁前」の「前」とは
「一丁前」は「一人前」という意味ですが、どちらの言葉にも「前」という言葉が付いています。
「前」とは接尾語で、名詞や動詞の連用形に付き、以下の2つの意味があります。
1つ目は「それに相当する分量や部分」で「分け前」「二人前」などに使われます。
2つ目は「その属性や性質などを強調する意」で、「男前」「腕前」などに使われます。
「一丁前」の表現の使い方
「一丁前」の表現の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 嫌味として使われることもある
文法的な使い方
「一丁前」は名詞であり、文末に使う時には助動詞を伴って「一丁前だ・である」になります。
副詞として使う時には「一丁前に」になり、名詞の前に付いて「一丁前な〇〇」と使うこともあります。
嫌味として使われることもある
「一丁前」は「一人前」という意味ですが、「一丁前な」と使う時には「生意気な」という意味を含むこともあります。
目上の人が目下人に対して嫌味を言う時に使われます。
「一丁前」の語源
「一丁前」の語源は「正丁(せいちょう)」という言葉です。
「正丁」とは、7世紀~10世紀の律令制の時代に使われていた言葉で、21歳~60歳の健康な男性のことです。
健康な男性は農作業や力仕事がこなせて、一人前の実力があることを「正丁」と言いました。
時代が流れるうちに「正丁」の「丁」が残り、「一人前」という言葉と混合されて、「一丁前」という言葉になったのです。
「一丁前」を使った言葉と意味を解釈
「一丁前」を使った言葉と意味を解釈します。
- 一丁前の口をきく
- 一丁前に意見する
一丁前の口をきく
「偉そうなことを言う」「自信を持って言う」という意味で、今まで若くて実力がないと思っていた人が、立派なことを言った時に嫌味として使います。
一丁前に意見する
「偉そうに人に自分の考えを言う」「自信を持って人に対して反対意見を述べる」という意味で、こちらも下の立場の人が目上の人にはっきりとものを言われて、「生意気な奴」と思ったり、反対に「骨のある奴だ」と好ましく思ったことを表します。
「一丁前」は方言?
「一丁前」を「いっちょまえ」と読むのは、方言ではありません。
「いっちょうまえ」が省略された言い方であり、日本各地で通じます。
「一丁前」は「一人前であること」という意味です。
相手の態度が立派で「素晴らしい」と思う時「生意気だな」と思う時に使いましょう。