「匿う」とは?意味や類語!例文と解釈
刑事ものの小説やドラマなどで「匿う」という言葉が使われることがあります。
一体どの様な意味なのか、語源や使い方などを併せて紹介します。
目次
- 「匿う」とは?
- 「匿う」の表現の使い方
- 「匿う」の語源
- 「匿う」を使った例文と意味を解釈
- 「匿う」の類語や類義語
「匿う」とは?
「匿う」の意味は、「追われている人など、誰にも分らない様にこっそりと隠れ場所に潜ませること」です。
主に犯罪を犯した人に対して使われ、自分の意志で支援して、人目に付かない場所を提供して一時的に滞在させることを言います。
但し、その人が必ずしも犯罪者であるとは限らず、冤罪などで容疑をかけられたものの、納得できずに逃亡している人の可能性もあります。
また、最近では親に虐待を受けている子供を一時保護する場合も一般的に「匿う」という言葉を使うこともあります。
- 「匿う」の読み方
- 「匿う」と「囲まう」の違い
- 「匿う」と「隠す」の違い
「匿う」の読み方
「匿う」の読み方は「かくまう」になります。
非常に読み方が難しいので平仮名表記にすることも多くあります。
「匿う」と「囲まう」の違い
「匿う」と辞書を引くと「匿う・囲まう」と載っていることがあります。
どちらも「かくまう」と読み、使い方も同じとされていますが、ニュアンスが少し違ってきます。
「匿う」は、主に法律やルールに反して、追われている人を密かに隠し通す時の表現です。
「犯人を匿う」「盗品を匿う」などに使われます。
「囲まう」は、単純に隠して周囲から見えなくすることに使います。
「妾を囲まう」「かくれんぼをしている子供を囲まう」などはこちらを使っても良いでしょう。
「匿う」と「隠す」の違い
「匿う」と似た意味の言葉に「隠す」があります。
「隠す」は「しまい込んだりして人目に触れない様にする」という意味です。
明治時代までは「隠す」という言葉は「匿す」と書かれていました。
これは、昔は「匿う」という言葉には「弱い人や犯罪者をかばう」という意味はなかったからです。
近代になるに従い、段々と「匿う」と「隠す」という言葉に、動作の対象となる人の性質が含まれる様になり、使い分けされる様になりました。
「匿う」の表現の使い方
「匿う」の表現の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 意図的に隠すこと
文法的な使い方
「匿う」は動詞ですので、文末にそのまま使えます。
副詞として使う時には「匿って」になり、受動態として「匿われる・た」という使い方もします。
意図的に隠すこと
「匿う」は、相手が犯罪者や容疑者、或いは何かの事情があって逃げている人、更には力のある者にしいたげられている弱い者を、意図的に隠す時の表現です。
相手が勝手に住み着いている時や、そこに相手がいることを人に知られても良いと思っている時には使われません。
「匿う」の語源
「匿う」の語源は、漢字に由来します。
「匿」は「物をしまう場所」の象形である「はこがまえ」と、「一心不乱に神意を聞き取る巫女」の象形「若」で構成されています。
「隠れた場所で神託を受ける巫女」という意味から「匿」という漢字になりました。
「匿う」を使った例文と意味を解釈
「匿う」を使った例文と意味を解釈します。
- 「匿う」を使った例文1
- 「匿う」を使った例文2
「匿う」を使った例文1
「隣の子供が虐待を受けている様子なので、しばらく家で匿うことにした」
隣の家の子供が、親から虐待を受けている様子だったので、児童相談所の人が来るまで一時的に家に置いて相手の親には黙っていることにしました。
「匿う」を使った例文2
「おそらくこの人は容疑者の無実を信じて匿ったのだろう」
容疑者が捕まり、自宅に住まわせていた人がいるというニュースが流れました。
容疑者が無実だと信じて助けたのだろうと思ったことを表しています。
「匿う」の類語や類義語
「匿う」の類語を紹介します。
- 「保護する」【ほごする】
- 「事後従犯」【じごじゅうはん】
「保護する」【ほごする】
「弱い者に危険が及ばない様に守ること」という意味です。
「事後従犯」【じごじゅうはん】
「法律用語で、犯人の逃亡を手助けしたり、有利になる様に助ける行為のこと」という意味です。
「匿う」は「追われている人など、誰にも分らない様にこっそりと隠れ場所に潜ませること」という意味です。
弱い人を守る行為に使いましょう。