「顎で使う」とは?意味や類語!例文と解釈
慣用句で「顎で使う」という言葉があります。
一体どの様な意味なのか、語源や例文なども併せて紹介します。
目次
- 「顎で使う」とは?
- 「顎で使う」の表現の使い方
- 「顎で使う」の由来
- 「顎で使う」を使った例文と意味を解釈
- 「顎で使う」の類語や類義語
「顎で使う」とは?
「顎で使う」の意味は「高慢な態度で人を自分の思いのままに動かすこと」です。
人にものを頼む時にはへりくだってお願いするのが本筋ですが「やって貰って当然」と思っていることを言います。
人に対して「あれをやれ」「これをやれ」と命令しながら自分は何もせずにふんぞり返っている時の表現です。
- 「顎で使う」の読み方
- 「顎で使う」と「顎を出す」の違い
「顎で使う」の読み方
「顎で使う」は「あごでつかう」とよみます。
「顎」という漢字は難しく平仮名表記することもありますが、慣用句ですので読める様にしておきましょう。
「顎で使う」と「顎を出す」の違い
「顎で使う」と似た言葉に「顎を出す」があります。
この2つは全く意味が違うので覚えておきましょう。
「顎で使う」は、「傲慢な態度で人に指図して思い通り動かすこと」という意味です。
誰かが他の人に対して命令する行為を表す言葉です。
「顎を出す」は「疲れ切ってしまい動けなくなること」という意味です。
身体が疲れてしまい、動こうと思っても手足が動かず、頭が下がり「顎」が前に出ている状態から来ています。
「顎で使う」の表現の使い方
「顎で使う」の使い方を紹介します。
- 文法的な使い方
- 目上の人が目下の人に対してする行為
文法的な使い方
「顎で使う」は動詞を伴った慣用句ですので、そのまま文末に使えます。
副詞として使う時には「顎で使って」になり、受け身形として「顎で使われる」と使われることもあります。
目上の人が目下の人に対してする行為
「顎で使う」は、目上の人が目下の人に命令する時に使う言葉です。
しかも目下の人の意志を汲み取らずに勝手に決めてしまう時の表現です。
会話でも文章でも、「誰が」という主語と、「誰を」という目的語を伴って使われます。
「顎で使う」の由来
「顎で使う」の由来は、昔からの日本の身分制度から来ています。
昔から日本では、身分の高い人は「屏風(びょうぶ)」や「簾(すだれ)」の奥にいるなどして、目下の人に対して顔を見せない習慣がありました。
これは顔が分ってしまうと命を狙われる危険があったからです。
更に、家来と会う時には土下座をさせてほとんど自分の顔を見せない様にしていたのです。
家来は上目づかいに主君の顔をみるしかなく、「顎しか見えない」状態でした。
しかも当時は少しでも主君の機嫌を損ねるとその場で斬られてしまうこともありました。
その為に家来は、主君の顎が上下に動けば「可」であり、左右に動けば「不可」であるなど忖度をする必要があったのです。
このことから「傲慢に指図して人に命令すること」として「顎で使う」という言葉が使われる様になりました。
「顎で使う」を使った例文と意味を解釈
「顎で使う」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「顎で使う」を使った例文1
- 「顎で使う」を使った例文2
「顎で使う」を使った例文1
「うちの上司は部下を顎で使う人だ」
上司が非常に偉そうにしていて、部下に対して一方的に命令して自分の思い通りにしていることを表しています。
「顎で使う」を使った例文2
「先輩は奥さんに顎で使われていた」
先輩の家を訪ねて行った時に、奥さんの方が立場は強く、先輩の方が奥さんの言うことに従って働いていたことを表しています。
「顎で使う」の類語や類義語
「顎で使う」の類語を紹介します。
- 「酷使する」【こくしする】
- 「我が物顔」【わがものがお】
「酷使する」【こくしする】
「人だけではなく動物や機械などを、許容範囲を超えて働かせること」という意味です。
「我が物顔」【わがものがお】
「まるで自分がその場の主人の様に威張ってふるまうこと」という意味です。
「顎で使う」は「高慢な態度で人を自分の思いのままに動かすこと」です。
強引な上司や先輩などに対して使いましょう。