「浸潤」とは?意味や使い方!例文や解釈
「浸潤」という表現は日常生活ではあまり使用する機会がありませんが、「液体がしみ込んで濡れて広がるさま」などを意味している表現です。
「浸潤」には医学用語としての意味合いもあります。
「浸潤」という言葉の「意味・読み方・使い方・例文と解釈・類義語・英語」などについて解説していきます。
目次
- 「浸潤」とは?
- 「浸潤」の表現の使い方
- 「浸潤」を使った言葉と意味を解釈
- 「浸潤」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「浸潤」と「浸食」の意味の違い
- 「浸潤」の類語や類義語・言い換え
- 「浸潤」の英語と解釈
「浸潤」とは?
「浸潤」という表現は、「水などの液体が壁・床・布地などにしみ込んで濡れること」や「液体がしみ込んでその濡れた部分が広がるさま」を意味しています。
「浸潤」は液体がしみ込んで広がるさまという意味から転じて、「水がしみ込むように思想・勢力・価値観・雰囲気などが、社会(人々)に広がっていくさま」を意味しています。
また「浸潤」は医学的用語として、「がん細胞・伝染病の細菌(結核菌)などが、身体の細胞組織内に入り込んで増殖し、段階的に周辺に広がっていく」という意味も持っています。
- 「浸潤」の読み方
「浸潤」の読み方
「浸潤」の読み方は、「しんじゅん」になります。
「浸潤」の表現の使い方
「浸潤」の表現の使い方は、「水などの液体がしみ込んで濡れた部分が広がる場合」や「水がしみ込んで広がるように思想・価値観・勢力などが、人々の間に広がっていく場合」に使うという使い方になります。
例えば、「ヘイトスピーチなどの憎悪・悪意に基づく思想は、不満を持っている人たちの間に浸潤しやすいのです」といった文章で使用することができます。
また「浸潤」は「がん細胞・結核菌などが、身体の細胞内部に入って増殖している場合」にも使われます。
例えば、「がん細胞の浸潤が起こった時には、致命的リスクが高まります」などの文章で使えます。
「浸潤」を使った言葉と意味を解釈
「浸潤」を使った言葉を紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「液体が浸潤する」【えきたいがしんじゅんする】
- 「思想の浸潤」【しそうのしんじゅん】
- 「浸潤癌」【しんじゅんがん】
「液体が浸潤する」【えきたいがしんじゅんする】
「液体が浸潤する」という表現は、「水などの液体が布・木材などにしみ込んで広がっていくこと」を意味しています。
例えば、「布地に液体が浸潤すると、その液体の化学的性質によってはシミを取り除くことができなくなります」といった文章で使用することができます。
「思想の浸潤」【しそうのしんじゅん】
「思想の浸潤」という言葉は、「水がしみ込んで広がるように、ある特定の思想の内容・影響が人々の間に広まっていくこと」を意味しています。
例えば、「かつては資本主義・階級社会に対抗するマルクス主義(共産主義)という思想の浸潤がありましたが、現在ではその思想の有効性はほぼ失われました」といった文章で使われます。
「浸潤癌」【しんじゅんがん】
「浸潤癌」という医学的用語の表現は、「悪性のがん細胞が上皮組織の基底膜を突き破って、周辺の組織へと深く入り込んでいって増殖するタイプの癌」のことを意味しています。
例えば、「精密検査の結果、そのがんが浸潤癌であることが分かりましたが、患者にこのことをどう伝えるべきか迷っています」といった文章で使用することができます。
「浸潤」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「浸潤」を使った例文・短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「浸潤」を使った例文1
- 「浸潤」を使った例文2
「浸潤」を使った例文1
「こぼした灯油(軽油)が木材で造られたフローリングの床に浸潤して、簡単には消えないシミになってしまいました」
この「浸潤」を使った例文は、「浸潤」という表現を、「灯油(軽油)がしみ込んで広がり、フローリングの床にシミを作った」という意味の文脈で使用しています。
「浸潤」を使った例文2
「肺・肝臓・リンパ節などに深く浸潤したがん細胞のすべてを外科的手術で取り除くことは、現代医療の水準では極めて難しいことです」
この「浸潤」を使った例文は、「肺・肝臓・リンパ節などの組織に、がん細胞が食い込んで増殖していく」といった意味合いで、医学的用語としての「浸潤」の表現を使っています。
「浸潤」と「浸食」の意味の違い
「浸潤」という表現は、「液体などがしみ込んで濡れること、濡れて広がること」を意味しています。
それに対して、「浸食」という表現は「流水や雨水・風雨・波などが地表にある岩石・土壌を削り取ることやその作用」を意味しているという違いがあります。
「浸潤」は、「相対的に規模が小さくて水などの液体がしみ込んで濡れて広がること」を意味していますが、「浸食」というのは、「相対的に規模が大きくて流水・雨水・風雨などが地形を変えるほどに土壌を削り取ること」を意味しているという違いがあるのです。
「浸潤」の類語や類義語・言い換え
「浸潤」の類語・類義語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「浸透・濾過」
- 「蝕む」【むしばむ】
- 「拡散」【かくさん】
「浸透・濾過」
「浸透」という表現は、「水などの液体が対象にしみ込んでいくさま・液体が対象にしみ込んで透過すること」を意味しています。
「濾過」というのは、「不純物を含む液体が濾されて(こされて)しみ込んでいき透過すること」を意味する表現です。
それらの意味から、「浸透・濾過」は、液体がしみ込んで濡れるさまを示す「浸潤」と似た意味を持つ類語として解釈できます。
「蝕む」【むしばむ】
「蝕む」という表現は、「対象の内部にしみ込んだり入り込んだりして、内部から破壊するさま」を意味しています。
その意味合いから、がん細胞などが身体内部に入り込んで増殖し蝕むことを意味する「浸潤」に近しい意味を持つ類義語として、「蝕む」を指摘できます。
「拡散」【かくさん】
「浸潤」の表現は、「水などの液体がしみ込んで広がるように、思想・勢力・雰囲気などが広がって拡散するさま」を意味しています。
その意味から、「浸潤」と良く似た意味を持つ類語として、物質・情報・影響などが周囲に広がっていく「拡散」を上げられるのです。
「浸潤」の英語と解釈
「浸潤」という表現を英語で書き表すと、以下のようになります。
“permeate, permeation”(液体などがしみ込む・浸潤)
“infiltrate, infiltration”(液体やがん細胞などが浸潤する・浸潤)
“~be imbued with A”(~にAが広まる・~にAが浸潤する)
“Dirty water infiltrated(permeated) into the outer wall.”
「浸潤」という表現を使ったこの英語の例文は、「汚れた水が、外壁に浸潤しました」ということを意味しています。
この記事で解説した「浸潤」の表現には、「液体がしみ込んで濡れて広がること」や「水がしみ込むように思想・勢力・雰囲気などが拡散していくさまの喩え」などの意味があります。
「浸潤」の類語・類義語として、「浸透・濾過」「蝕む」「拡散」などがあります。
「浸潤」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。