「渾身」とは?意味や使い方!例文や解釈
「渾身」という言葉はどのような意味があり、使い方をするのかご存知でしょうか。
ここでは言葉の意味、使い方、例文などを詳しく解説しています。
では一緒に「渾身」という言葉の理解を深めていきましょう。
目次
- 「渾身」とは?
- 「渾身」の表現の使い方
- 「渾身」を使った言葉と意味を解釈
- 「渾身」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「渾身」の反対語
- 「渾身」の類語や類義語・言い換え
- 「渾身」の英語と解釈
「渾身」とは?
「渾身」とは体全体、満身という意味になります。
- 「渾身」の読み方
「渾身」の読み方
「渾身」と書いて「こんしん」と読みます。
「渾身」の表現の使い方
「渾身」とは、体全体、満身という意味になりますので、力いっぱい、全力でといった意味合いで使うことが多くなります。
例えば「渾身の力を振り絞る」「渾身の力で持ち上げた」などと使いますと、通常の腕だけの力ではなく、体全体を使って力一杯ということが伝えることができるのです。
また、一生懸命さといったものも表現できるでしょう。
「渾身」を使った言葉と意味を解釈
「渾身」を使った言葉や言い回しをいくつか紹介していきます。
意味の解釈もつけていますので、使い方の参考にしてみてください。
- 「渾身の力を振り絞る」
- 「渾身の力を込める」
- 「渾身のパフォーマンス」
「渾身の力を振り絞る」
「渾身の力を振り絞る」はよく使われる言い回しですが、意味は体全体の力を、ありったけ出すということになります。
使い方としては「渾身の力を振り絞り、何とか一人で片付け終えた」「ここは、絶対に支えなくてはならないと渾身の力を振り絞る」などと使います。
「渾身の力を込める」
「渾身の力を込める」とは体全体の力を十分に入れるという意味になります。
「絶対にこの岩を取り除くと、全員で渾身の力を込める」「渾身の力を込めるが、どうしても瓶のふたが開かない」などと使います。
「渾身のパフォーマンス」
「渾身のパフォーマンス」とは体全体を使った表現(演技、演奏など)に使われる言い回しですが、とてもダイナミックであるとか、迫力があるという時に使います。
「彼の渾身のパフォーマンスに、誰もが目を見張った」「渾身のパフォーマンスに、小柄な彼女がとても大きく見える」などと言います。
「渾身」を使った例文や短文など(意味を解釈)
それでは「渾身」を使った例文をいくつか紹介しましょう。
意味の解釈もつけていますので、使い方の参考にしてみてください。
- 「渾身」を使った例文1
- 「渾身」を使った例文2
「渾身」を使った例文1
「渾身の力を使っても、このドアは開かない、一体どうなっているのだ」
「渾身」とは体全体という意味ですから、体全体の力を使ってもドアが開かないということになります。
つまり例文のように「渾身の力」を持ってしてもドアが開かないということで、ガッチリと閉まっている、何か尋常ではない状態も伝わってくるのです。
「渾身」を使った例文2
「彼女のこれまでの恨み、悲しみを込めた渾身の体当たりに、さすがの彼もよろめき、非常に驚いた」
「渾身」とは体全体という意味ですから、ちょっと相手を押す程度の体当たりではなく、体全体でどしんとぶつかっていったことがわかります。
「渾身の体当たり」、つまり体重全部をかけたとあれば、さすがに男性であっても多少はよろめくでしょう。
「渾身」の反対語
「渾身」の反対語とはどのような言葉になるのでしょうか。
明確な反対語がない場合は意味合いから当てはまる言葉を探してみましょう。
- 「局部」【きょくぶ】
- 「半身」【はんしん】
「局部」【きょくぶ】
「局部」とは、全体の内のある限られた部分のこと、特定の場所、一部分という意味です。
「局部麻酔をする」「局部的な痛みがある」などと使います。
「半身」【はんしん】
「半身」とは体の上、もしくは下である、体の右、または左といった意味で使います。
「左半身のマヒ」「窓から半身を乗り出すのは危険だから止めなさい」「上半身」「下半身」などと使います。
「渾身」の類語や類義語・言い換え
言葉の意味が理解できましたところで、「渾身」の類語、似た言葉、言い換える言葉などもいくつか紹介します。
こちらの言葉も併せて覚えておくといいでしょう。
- 「満身」【まんしん】
- 「体全部」【からだぜんぶ】
- 「全身」【ぜんしん】
- 「五体」【ごたい】
- 「肢体」【したい】
「満身」【まんしん】
「満身」とは体中、全身という意味です。
またよく使われる言葉「満身創痍」とは全身傷だらけであること、また手ひどく傷めつけられる、非難を受けるといった意味になります。
「満身の力を振り絞る」「彼は世間にバッシングされて満身創痍だな」などと使います。
「体全部」【からだぜんぶ】
「渾身」を簡単な言葉で言い換えるならば「体全部」という言葉が当てはまります。
「体全部で支えるが、非常に重たい」「体全部の力を振り絞り、走り切った」「体全部が痛い、筋肉痛になってしまったね」などと使います。
「全身」【ぜんしん】
「全身」とは体中、体全体、総身、「渾身」といった意味となります。
「全身の力がまったく入らない」「全身麻酔と言われたが怖い」「全身全霊を打ち込んだ小説なので、ぜひ読んでください」などと使います。
「五体」【ごたい】
「五体」とは体の五つの部分という意味になります。
仏教においては、頭、両手、両足のことです。
「五体に力が入らない」「五体満足」などと使います。
「肢体」【したい】
「肢体」とは手足と体のことを言います。
「健康的な肢体」などと使います。
「渾身」の英語と解釈
「渾身」という言葉は英語ではどのように言い表すのでしょうか。
英語では“with all one's strength”(渾身の力を込めて)、“a work produced with tremendous labor”(渾身の一作)などと表します。
いかがでしたでしょうか。
「渾身」という言葉の意味、使い方、例文などまとめてお伝えしました。
「渾身」とは体全体、満身という意味になります。
よく使われますのは「渾身の力」という言い回しですが、これは「体全体の力」という意味であり「全力」という意味ではありません。
似たような意味合いかもしれませんが、厳密には違いがあることを覚えておきましょう。
それでは言葉の意味を正しく理解して使いこなしてください。