「捨扶持」とは?!読み方や解説
この「捨扶持」は、主に時代劇で聞く表現ですが、どんな意味があるのでしょうか。
目次
- 「捨扶持」とは?
- 「捨扶持」の概要
「捨扶持」とは?
「捨扶持」とは、捨てたつもりで渡す金品や食料のことです。
役に立たなくなった者に(生活の為に)渡すというニュアンスが含まれますが、そのような場合だけでなく、戦で怪我をしてまともに動けなくなった武士だったり、その家族に支給される現在の「恩給」に該当する場合にも使われることのある表現です。
- 「捨扶持」の読み方
「捨扶持」の読み方
「捨扶持」は、「すてぶち」と読んでください。
「扶持」(ふち)とは、武士や部下に与える禄(金品や食料)のことで、これが元になっている言葉です。
支給される意図に関わらず、ろくな量ではない扶持のことをこの「捨扶持」と表現する場合もあります。
「捨扶持」の概要
「扶持」は、武士の時代に家禄(いわゆる給料)がもらえる立場で仕えていれば支給されますが、それがかなり少ない身分だと、この「捨扶持しかもらっていない」などと表現することがあります。
現在でも、給料が安いということを「まるで捨扶持だ」のように用いることがありますが、若者が使うような言葉ではなく、年配の人でもないとまず使わないでしょう。
江戸自体に「扶持」と呼ばれた家禄は、年間2石(玄米に換算して、約300キログラム)からでした。
「捨扶持」は、これより大幅に少ない本当に捨てる程度の量の禄のことですが、先のように、怪我をした武士やその家族に支給される場合には、この限りではありません。