「埴安の池」とは?意味!解説
「埴安の池」とは、万葉集の中で使われている言葉で、特定の池を指している表現ではありません。
目次
- 「埴安の池」とは?
- 「埴安の池」の概要
「埴安の池」とは?
「埴安の池」とは、「埴安」(はにやす)にある池という意味で使われています。
「埴安」は、現在の奈良県の香具山(あまのかぐやま)付近を指す地名で、この言葉が使われたの歌の作者が、その地方で見た池に対して使ったものです。
「埴安の池」の概要
この池は、当時にあった池で、現在では存在していません。
その場所と解釈されている、天香具山の西麓の畝尾都多本神社(うねおつたもとじんじゃ)付近は、今では田園風景が広がっています。
新元号の出典元ともなった万葉集ですが、「雑歌(ぞうか)」という主に旅の中で詠んだ歌、「相聞歌(そうもんか)」と言われる男女の恋を詠ったもの、そして、「挽歌(ばんか)」と呼ばれる人の死の表現の歌で、これらの三篇で構成されています。
「埴安の池」と使われている歌は、「雑歌」に該当し、当時の埴安の地を訪れた作者によって生まれた表現だと言われています。
とても大きな池で、まるで海のようだったと説明している万葉集に関する解説文献も存在するほど、印象的な池だったようです。
現在では存在していない「埴安の池」ですが、その跡地となる神社の周辺は、今になってにわかに観光スポットとなっています。
これは、新元号の影響で、万葉集が改めて注目されていることと無関係ではないでしょう。