「心血を注ぐ」とは?意味や言い換え!例文と解釈
小説を読んでいると「心血を注ぐ」という言葉を見掛けることがあります。
一体どの様な意味なのか、類語や例文なども併せて紹介します。
目次
- 「心血を注ぐ」とは?
- 「心血を注ぐ」の誤用
- 「心血を注ぐ」を使った例文と意味を解釈
- 「心血を注ぐ」の類語や類義語・言い換え
「心血を注ぐ」とは?
「心血を注ぐ」の概要について紹介します。
- 「心血を注ぐ」の読み方
- 「心血を注ぐ」の意味
- 「心血を注ぐ」の言葉の成り立ち
「心血を注ぐ」の読み方
「心血を注ぐ」は「しんけつをそそぐ」と読みます。
「注ぐ」を「つぐ」と読まない様にしましょう。
「心血を注ぐ」の意味
「心血を注ぐ」は「自分の精神と肉体が持っている力をありったけ尽くして臨むこと」という意味です。
非常に重要な目標に向かって行動する時に、自分の力の限りを尽くすことを言います。
少し努力をしたり頑張ったりする程度ではなく、精神的にも肉体的にもギリギリの状態まで振り絞って頑張る時の表現です。
「心血を注ぐ」の場合は、短時間ではなくある一定の時間をかけて、人並み外れた努力を続ける時に使われます。
「心血を注ぐ」の言葉の成り立ち
「心血を注ぐ」は「心血+を(助詞)+注ぐ」で成り立っています。
「心血」とは、「心」と「血」で、人の身体で最も重要な要素であることから「精神と肉体のあらん限り」という意味になります。
「注ぐ」は「流れる」「降りかける」という意味の他に「集中する」という意味もあり、「愛情を注ぐ」などに使われています。
これらの漢字が組み合わさり「精神と肉体の限りを集中させる」という意味で使われる様になりました。
「心血を注ぐ」の誤用
「心血を注ぐ」の誤用として多いのが「心血を傾ける」です。
「傾ける」には「力や注意をひとつの方向へ向ける」という意味画あり、「注ぐ」とほぼ同じなのですが「心血を傾ける」という言葉はありません。
誤用される様になったのは「全身全霊を傾ける」「全力を傾ける」などの言葉と混同された為と思われます。
「全身全霊を」の場合「かける」「捧げる」「傾ける」「注ぐ」のどの動詞も続けて使えます。
一方「心血を」に対する動詞は「注ぐ」だけですので、覚えておきましょう。
「心血を注ぐ」を使った例文と意味を解釈
「心血を注ぐ」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「心血を注ぐ」を使った例文1
- 「心血を注ぐ」を使った例文2
「心血を注ぐ」を使った例文1
「諸葛亮は『天下三分の計』を実現させる為に心血を注いだ」
中国の歴史小説「三国志」で、諸葛亮が若かりし日に劉備玄徳に語った「天下三分の計」を実現させる為に、死ぬまで全力を尽くしたことを表しています。
「三国志」のタイトルはこの「天下三分の計」を表していて、諸葛亮の生涯の目標だったのでしょう。
「心血を注ぐ」を使った例文2
「彼はその研究に心血を注いだ」
どうしてもやり遂げたい研究があり、その為に人生を犠牲にしてまで尽くしたことを表しています。
何日も泊まり込みをして変化を確認したり、食事も何日間もカップ麺で過ごすなど、壮絶な日々を送っていたことが分ります。
「心血を注ぐ」の類語や類義語・言い換え
「心血を注ぐ」の類語を紹介します。
- 「命がけで臨む」【いのちがけでのぞむ】
- 「死力を注ぐ」【しりょくをそそぐ】
「命がけで臨む」【いのちがけでのぞむ】
「命をかけてもいいと思うくらいの真剣な態度で行動すること」を表します。
軍隊や災害救助隊など、本当に命の危険がある様な職務に対して使われます。
こちらは比較的短時間で済む任務が多くなります。
「死力を注ぐ」【しりょくをそそぐ】
「死んでも構わないと思う覚悟で、持っている限りの力をありったけ出して挑戦すること」という意味です。
こちらの場合は実際に命の危険がある訳ではなく「それほどの覚悟を持って」という意味です。
主にスポーツで重要な試合に臨む時に使われます。
「心血を注ぐ」は「自分の精神と肉体が持っている力をありったけ尽くして臨むこと」という意味です。
自分のことを顧みず何かに集中している人に使ってみましょう。