「厭う」とは?意味や言い換え!例文と解釈
皆さんは「厭う」という言葉を色々な場面で見たり聞いたりしたことがあるかと思います。
しかし、日常会話の中では、そんなに頻繁に使われているかと思いきや、そうでもなさそうな言葉です。
そこで今回は、この「厭う」にフォーカスして考察していくことにします。
目次
- 「厭う」とは?
- 「世を厭う」の意味
- 「厭う」の表現の使い方
- 「厭う」を使った例文と意味を解釈
- 「厭う」の類語や類義語・言い換え
「厭う」とは?
「厭う」とは、「嫌がる」、「嫌になって避ける」、「嫌う」ということや「大事にする」、「庇う(かばう)」という意味があります。
- 「厭う」の読み方
「厭う」の読み方
「厭う」は「いとう」と読みますが、使われている漢字が日常では、目にする機会が少ないので、ここで忘れないように確認しておいてください。
「世を厭う」の意味
「世を厭う」という言い回しがありますが、これは「煩わしい俗世間を忌み嫌う」、あるいは「その気持から俗世間を避けるように暮らす」という意味になります。
これから転じて「出家する」や「世俗から離れる」という解釈も生まれています。
「生きていることで直面する辛いことや悲しいから逃げ出したい」、「生きる苦しみを避けたい」という意味で「世捨て人」になるような意味合いが含まれています。
「厭う」の表現の使い方
「厭う」は「嫌う」、「避ける」というニュアンスがあるために、日常から「避けたい」という場面で使われることになります。
「厭う」を使った例文と意味を解釈
では、ここで「厭う」を使った例文を見ながら具体的な活用シーンをイメージしてみることにしましょう。
- 「厭う」を使った例文1
- 「厭う」を使った例文2
「厭う」を使った例文1
「目を覆うような悲劇が続いてしまったことで、妻は世を厭い、心を閉ざしてしまったのです」
「目を覆うような悲劇」とは、「奥さん」からすると、恐らく子供さんに降りかかった不幸のことかもしれません。
しかも、それだけでなく、さらに辛い出来事が続いたことで、ますます悲しくなり、心の扉を完全に塞いだのでしょう。
「厭う」を使った例文2
「僕は難しいと思えることでも、自分の夢を叶えることができるなら、どんな困難も厭わない覚悟だ」
人は、どんなに大変なことでも、自分のやりたいこと、実現したいことがあれば、困難なことでも、ためらうことなく、チャレンジすることができます。
この例文はまさにそのことを教えてくれています。
「厭う」の類語や類義語・言い換え
「厭う」を他の言葉で言い換えるとするなら、どのような言葉があるかを見ていくことにしましょう。
- 「忌む」【いむ】
- 「嫌がる」【いやがる】
「忌む」【いむ】
「忌む」という言葉が「厭う」の類義語として扱うことができますが、「不吉なもの、汚れたものとして避けること」という意味になります。
特に宗教的であったり、呪術的なタブーを避ける時に使われる印象が色濃く出ています。
「嫌がる」【いやがる】
「嫌がる」も「厭う」の類義語として使うことができます。
「嫌いな気持ち」や「嫌だ」という気持ちをこの言葉で表現することができます。
言葉に出すだけでなく、表情やしぐさだけを見てもすぐに分かるのですが、まるでわがままし放題の子供のように、必死で抵抗しているようなことを思い浮かべてしまいそうな言葉です。
ただし、「厭う」は「嫌がる」とは異なり、抵抗することや、全てのことを放棄して逃げ出している感じがあるので、さらに「避ける」度合いが強い印象が残ります。
「厭う」の意味や使い方を活用シーンを例にして紹介してきましたが、この言葉は常に使われていることは、そんなに多くはないでしょう。
しかし、この言葉が当てはまるシーンは、意外とあるものなので、その場面で適切に使いこなすことができるように、普段から言葉の活用法を意識しておく必要があります。
これは「厭う」という言葉だけでなく、全ての言葉においても言えることです。