「事なかれ主義」とは?意味や使い方!例文や解釈
「事なかれ主義」という言葉はどの様な意味で使われるのでしょうか。
類語や例文なども併せて詳しく紹介します。
目次
- 「事なかれ主義」とは?
- 「事なかれ主義」の表現の使い方
- 「事なかれ主義」を使った言葉と意味を解釈
- 「事なかれ主義」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「事なかれ主義」の反対語
- 「事なかれ主義」の類語や類義語・言い換え
- 「事なかれ主義」の英語と解釈
「事なかれ主義」とは?
「事なかれ主義」の概要について紹介します。
- 「事なかれ主義」の読み方
- 「事なかれ主義」の意味
- 「事なかれ主義」の語源や由来
- 「事なかれ主義」と「平和主義」の違い
「事なかれ主義」の読み方
「事なかれ主義」は「ことなかれしゅぎ」と読みます。
漢字では「事勿れ主義」と書きますが、読み方が難しい為に「事なかれ」と平仮名を混ぜて表記されることがほとんどです。
「事なかれ主義」の意味
「事なかれ主義」の意味は「常にトラブルに巻き込まれない様にふるまうこと」です。
問題や人との争いごとなどを好まず、毎日平穏無事に過ごすことを考えています。
大勢いる中では温和で大人しい性格で、一見好感度が高いのですが、いざという時に意見を言わなかったり、人が不利になりそうな時にも見て見ぬふりをするなど、卑怯な一面を持ってます。
自分が渦中の人になってしまうと色々と面倒だ思い、「なかったこと」にしたいと思うので、やる気や向上心に欠けるという点もあります。
「事なかれ主義」は集団行動において「協調性」や「和」を好む日本人に多い気質なのです。
「事なかれ主義」の語源や由来
「事なかれ主義」の語源は、それぞれの言葉の意味からきています。
「事」には多くの意味がありますが、「事なかれ主義」の場合「自然や日常におきる現象」「重大な事態」という意味が使われます。
「なかれ」は「勿れ」と書き、「してはいけない」「するな」という意味があり「驚くなかれ」「笑うなかれ」などに使われます。
「主義」は「その人が抱いている思想や方針など」という意味です。
これらの言葉が組み合わさり「大変な事態にしてはいけないという方針」という意味で使われています。
「事なかれ主義」と「平和主義」の違い
「事なかれ主義」と似た言葉に「平和主義」がありますが、この2つは明確な使分けがあります。
「事なかれ主義」は「トラブルや争いを逃げて回避する人」という意味です。
人から何か言われても言い返さず、まして自分から問題を投げかけることはありません。
基本的に「逃げ」の姿勢を保ってる人のことを言います。
「平和主義」は、「トラブルや争いを回避する為に努力する人」という意味です。
周囲で争いが起きない様に、正しいと思うことはちゃんと主張したり、時には仲裁に入ることもあります。
自分で行動を起こして平和を保とうとする人のことを言います。
「事なかれ主義」と「平和主義」の違いは「努力をするかしないか」という点です。
「事なかれ主義」の表現の使い方
「事なかれ主義」は、人の性格や考え方に対して使われます。
「あの人は事なかれ主義だ」と言えば、こちらから見その人の行動パターンをラベル付けしていることになります。
但し「事なかれ主義」は消極的、頼りないなどのネガティブなイメージがある言葉ですので、直接本人の耳に入ると不快に思われる可能性があります。
「事なかれ主義」を使った言葉と意味を解釈
「事なかれ主義」を使った言葉と解釈を紹介します。
- 「事なかれ主義の上司」
- 「事なかれ主義の夫」
- 「事なかれ主義の対応」
「事なかれ主義の上司」
職場の上司で、部下が仕事で顧客からクレームを付けられたり、人間関係で悩んでいたりしても見て見ぬふりをします。
面倒なことに巻き込まれるのを嫌い「適当にやっておいて」「がんばれ」などと、他人ごとの様に振る舞う上司に対して使います。
「事なかれ主義の夫」
夫婦関係で、主に嫁と姑とのトラブルに関して見て見ぬふりをしている時に使われます。
妻から愚痴や不満を言われても味方になることはなく、最悪の場合離婚につながるケースも多いのです。
「事なかれ主義の対応」
商品やサービスにクレームを付けた時に、なるべく大事にしない様にひたすら謝罪をしたり代替え品を送ってきたりする業者側の対応に対して使います。
下手に顧客を怒らせて消費者センターに相談されたり、ネットで誹謗中傷されることを恐れて、とにかく言いなりになることを選ぶのです。
「事なかれ主義」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「事なかれ主義」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「事なかれ主義」を使った例文1
- 「事なかれ主義」を使った例文2
「事なかれ主義」を使った例文1
「彼は事なかれ主義なので会議でも自分の意見を言わない」
業務改善の会議を行う時には、まずは叩き台として普段気づいたことを述べることが大切なのですが、なるべく面倒は避けたいと思う人がいて「特に問題はない」としか言わないことを表しています。
「事なかれ主義」を使った例文2
「学校は事なかれ主義でいじめを認めようとしなかった」
いじめがあったと主張する生徒がいるのですが、学校は面倒を避ける為にいじめの事実を最後まで認めようとしなかったことを表しています。
「事なかれ主義」の反対語
「事なかれ主義」に反対語はありませんが、近い意味の言葉を紹介します。
- 「積極的」
- 「アグレッシブ」
「積極的」
「自ら進んでものごとに取り組む様子」という意味です。
「アグレッシブ」
英語の“aggressive”が日本語化した言葉で「好戦的」「挑戦的」「攻撃的」という意味があります。
「積極的」よりも攻撃性の強い言葉です。
「事なかれ主義」の類語や類義語・言い換え
「事なかれ主義」の類語を紹介します。
- 「見て見ぬふりをする」
- 「当たらず触らず」
- 「傍観」
「見て見ぬふりをする」
「目の前で起きている問題をまるで見えていないかのように無視すること」という意味です。
「当たらず触らず」
「差し障りがない様に気を付けて行動すること」という意味です。
ものに当たらない様に、触らない様に注意することに由来しています。
「傍観」
「ぼうかん」と読みます。
「自分から手を出さずに、まるで関係無い立場を貫き側で見ているだけの状態」という意味です。
「事なかれ主義」の英語と解釈
「事なかれ主義」の英語表現を紹介します。
- “My boss always turns a blind eye to avoids trouble.”
- “He has a ostrich policy.”
“My boss always turns a blind eye to avoids trouble.”
「私の上司はいつもトラブルを避ける為に見て見ぬふりをする=私の上司は事なかれ主義だ」になります。
“turn a blind eye”で「見て見ぬふり」という表現です。
“He has a ostrich policy.”
「彼は事なかれ主義だ」になります。
“ostrich”とは「ダチョウ」のことですが、“ostrich policy”で「現実逃避」「事なかれ主義」という使い方をします。
「事なかれ主義」は「常にトラブルに巻き込まれない様にふるまうこと」という意味です。
温厚だけれども頼りない人に対して使われる言葉です。