「粗茶」の意味とは!言葉の意味を徹底解説
「粗茶」には、きちんとした意味がありますが、本来の意味としてはまず使わないという珍しい言葉です。
目次
- 「粗茶」とは?
- 「粗茶」の類語
- 「粗茶」を使った例文と解釈
「粗茶」とは?
「粗茶」とは、そのまま解釈してしまうと、「粗末なお茶」という意味になりますが、そのように使うことは実際にはまずなく、来客に対してお茶を出す際に、謙譲表現として用いる為の言葉です。
それがどれだけいいお茶だとしても、「粗茶ですが、お召し上がりください」のような形で使うことで、相手に対する礼儀になると考えていいでしょう。
- 「粗茶」の読み方
「粗茶」の読み方
「粗茶」は、「そちゃ」と読む言葉です。
そのような銘柄や種類のお茶がある訳ではないので、その点には注意してください。
間違える訳がないと思う人も居るかも知れませんが、同じく「あら」と読める漢字を使った「荒茶」(あらちゃ)というお茶が存在します。
その為、「粗茶」をその「あらちゃ」だと間違えないようにという意味で書いています。
「粗茶」の類語
「粗茶」は、相手に対して出すものを「大したものではない」と謙譲して使う言葉です。
そのような使い方をする言葉は他にもいくつかあり、このような表現は、日本人の奥ゆかしさからきていると考えていいでしょう。
- 「つまらないものですが」【つまらないものですが】
- 「心ばかりですが」【こころばかりですが】
「つまらないものですが」【つまらないものですが】
人に何かを持参する際に、このように添えて渡すという使い方になります。
この表現は、実際に使ったことがある人も多いのではないでしょうか。
もちろん本当につまらないものを持ってきた訳ではなく、謙譲表現として使っています。
例え高価なものや時間を掛けて選んだものでも、こう表現するのが礼儀です。
「心ばかりですが」【こころばかりですが】
上の「つまらないものですが」の言い換えになります。
意味は変わりませんが、主に年配の人が用いる表現で、その相手も比較的年配の人ということが多いです。
「粗茶」を使った例文と解釈
「粗茶」を使った例文と、その意味の解釈です。
先にも挙げたように、この言葉は来客に対する決まった礼儀だと考えてください。
- 「粗茶」の例文1
- 「粗茶」の例文2
「粗茶」の例文1
「粗茶ですが、よろしければどうぞ」
来客に対するお茶の出し方として、とてもスタンダードな形です。
ただし、ビジネスでの来客にはあまりこの「粗茶」とは使わず、単に「(よろしければ)どうぞ」と出すのが普通です(仰々しくなってしまいます)。
「粗茶」の例文2
「粗茶と言われて出されたお茶だが、玉露の素晴らしいお茶のようだ」
そのようなお茶でも、「粗茶」として出すのが来客に対する礼儀です。
場合によっては、本当に出がらしのような粗末なお茶が出てくることもあるかも知れませんが、そのようなお茶でも、高級な玉露であっても、同様に「粗茶」と表現するものです。
「粗茶」や「つまらないものですが」といった謙譲表現は、日本ならではのようで、海外ではまず用いられていません。
高いものであっても、相手に謙ってわざわざそのように表現するのが日本人のいい所なのかも知れません。