「財政ファイナンス」の意味とは!例文や表現の使い方
この「財政ファイナンス」は、政府にとっては「打ち出の小槌」ですが、あまり褒められたものではありません。

目次
- 「財政ファイナンス」とは?
- 「財政ファイナンス」を分解して解釈
- 「財政ファイナンス」を使った例文と意味を解釈
「財政ファイナンス」とは?

「財政ファイナンス」とは、政府が購入した国債をそのまま日本銀行(他国では、それに該当する中央銀行)に売却して現金にするといった国家運営の資金の調達手段です。
紙幣を発行している日本銀行が相手なので、国債の購入額分の現金がそのまま手に入ることになります(日本銀行からその分の紙幣が発行されます)。
国債の購入分の金額は、もちろん政府が国債の発行元である日本国自体に借金をしたということになりますが、この返済についてはほとんど行われていないのが実情で、言ってしまえば冒頭でも挙げた「打ち出の小槌」という状態です(やろうと思えば、この方法でいくらでも資金が作れてしまいます)。
他国ではこのような行為は禁止されており、日本でも財政法によって禁止となっています、「直接国債を保有すること」が禁止されているに留まっている為、購入と同時に日本銀行へ売却するというこの方法であれば、あくまでグレーながら、違法とはならないという解釈です。
- 「財政ファイナンス」の読み方
「財政ファイナンス」の読み方
「財政ファイナンス」は、「ざいせいふぁいなんす」と読んでください。
そのまま読めば何も問題ありません。
「政府の財政の為のファイナンス」という意味からできている言葉です。
この「ファイナンス」については、以下で詳しく説明します。
「財政ファイナンス」を分解して解釈

「財政ファイナンス」という言葉を2つに分解し、詳しく解説していきます。
- 「財政」
- 「ファイナンス」
「財政」
「財政」とは、国家や自治体などの公共的な存在における経済状況のことです。
本来はそのような意味の言葉ですが、「今月は我が家の財政がとてもピンチだ」のように、一般家庭のそれとして使われることも多いです(特に間違いでもありません)。
「ファイナンス」
「ファイナンス」は、資金の調達を表す言葉です。
要は「資金繰り」のことで、「借りる」という行為だと解釈してもいいでしょう。
これが悪化していると表現すると、資金繰りがうまくいっていないという意味になります。
「財政ファイナンス」を使った例文と意味を解釈

「財政ファイナンス」を使った例文と、その意味の解釈です。
いくら「打ち出の小槌」とは言っても、そうそう行えるものでもありません。
- 「財政ファイナンス」を使った例文1
「財政ファイナンス」を使った例文1
「前年度は財政ファイナンスで不足している歳入分を補ったそうだが、あまり感心はできない」
日本では2013年に実際に、この財政ファイナンスがあったとされています。
政府、日本銀行共にそれではないと強調していましたが、誰がどう見ても、財政ファイナンスそのものとしか言えない日本銀行による国債の大量買上げが行われたのは事実です。
この方法の問題点として、その為に購入された国債の金額分の紙幣が臨時に発行されることになるので、日本円の信用の低下を招いてしまうことと(数が限られているからこそ価値が保てます)、政府の借金となった分がその後どうなるのかという点が挙げられています。
特に日本円の価値を保つという点は、日本国民にとって大切なことなので、そう簡単には行えないと考えてください(しかし、2013年以降もこっそりと行われていると言われています)。
「財政ファイナンス」は、このような意味の言葉だと覚えておきましょう。
結果的に日本円の価値を下げることに繋がってしまう為、いくら不足している歳入分の穴埋めだとしても、とても感心はできない行為です。