「ひもじい」とは?意味や類語!表現の使い方
今ではあまり使わなくなった言葉が世の中に数多くありますが、数年前に流行った言葉が死語となったのとは異なった性質のものかもしれません。
そのような言葉の1つに「ひもじい」という言葉がありますが、この言葉の意味を若い人の中で、知っている人はそんなに多くはないでしょう。
そこで、ここではこの「ひもじい」について説明をしていくことにします。
目次
- 「ひもじい」とは?意味
- 「ひもじい」の表現の使い方
- 「ひもじい」の英語と解釈
- 「ひもじい」を使った例文と意味を解釈
- 「ひもじい」の類語や類義語・言い換え
「ひもじい」とは?意味
「ひもじい」とは「空腹で食べ物が欲しい」や「ひどく腹が減っている」というような意味がある言葉です。
「ひもじい」の表現の使い方
「ひもじい」という言葉は、「お腹が空いている」という意味で使われていましたが、単なる「空腹」ではなく、「食べる物がなくて、飢餓状態に陥るくらいにお腹が空き過ぎて、極限状態になる」レベルの時に使われることがあります。
今の飽食の時代では想像がつかないかもしれませんが、戦後の貧しい時代にあっては、この「ひもじい」状態になっている人達が日本中にたくさんいたのです。
- 「ひもじい」と「貧乏」の違い
「ひもじい」と「貧乏」の違い
「お腹がひどく減っていること」を意味する「ひもじい」に対して「貧しい」という言葉があります。
「貧しい」とは、「財産や金銭が少なく生活が苦しいことや貧乏である」という意味になります。
「ひもじい」は「食料がなくで辛い思いしている状態」でもありますが、「貧しい」は、「量、質ともに劣っている」、「粗末で貧弱」という意味で、「ひもじい」より広い意味での「乏しさ」を意味しています。
「ひもじい」の英語と解釈
「ひもじい」を英語で訳すと、“hungry”、“starving”、“starved”などの言葉で表現することができます。
「ひもじい」を使った例文と意味を解釈
ここで「ひもじい」を使った例文を2つほど挙げてみることにしますので、活用場面をイメージしながら、その使い方の理解を深めてください。
- 「ひもじい」を使った例文1
- 「ひもじい」を使った例文2
「ひもじい」を使った例文1
「終戦当時のひもじい思いをしたことを考えると、今の時代はなんと裕福なことか」
終戦当時のことを記憶している人々が段々と少なくなっている現在では、「ひもじい」時代のことを伝える機会も少なくなっているのかもしれません。
今ではお金を払えば、それなりの食事が可能で、コンビニやファーストフードとありとあらゆる食事できる場所がありますが、本来なら「ひもじい」思いをした時代を忘れてはならないはずです。
「ひもじい」を使った例文2
「ひもじい時に食べる食事にまずい物はない」
これは昔のことわざをもじった例文ですが、お腹は空いている時に食べる料理は、どんなものでも美味しく食べることができます。
前の例文で挙げたように終戦当時では、ちょっとした食事でも美味しく食べることができたのでしょう。
「ひもじい」の類語や類義語・言い換え
「ひもじい」の類語としては、次のような言葉があります。
- 「空腹」
- 「腹ペコペコ」
- 「ひだるい」
「空腹」
「空腹」とは、「お腹が空いている」という言葉ですが、誰もが知っている言葉です。
「空腹」の時は、本当にどんな食事でも、美味しく感じるのですから、食べることができることに感謝しなくてはなりません。
「腹ペコペコ」
「腹ペコペコ」という言い回しも類義語として挙げることができますが、「ペコペコ」とは、物の表面をへこまることですが、そのような状態を示している擬態語です。
「ひだるい」
今ではほとんど使われることのない「ひだるい」も「ひもじい」の類義語になります。
この「ひだるい」は、中世時代に使われていたと考えられている「ひだるし」という言葉に由来していると考えられています。
「お腹が空いている」という意味の言葉ですが、この「ひだるい」が「ひもじい」の語源とされる見方もあるほどです。
「ひもじい」という言葉について見てきましたが、この言葉も今ではほとんど使われることがありません。
しかし、この言葉が使われていた終戦直後の歴史を紐解く機会にもなり、食事のありがたみを考えさせてくれるいい言葉だと思えてなりません。