「前例踏襲」とは?意味や類語
前例踏襲は、色々な分野で行われていますが、それにはいい面もあれば、そうでもない面もあると言えるでしょう。
目次
- 「前例踏襲」とは?
- 「前例踏襲」の表現の使い方
- 「前例踏襲」のメリット
- 「前例踏襲」のデメリット
- 「前例踏襲」を使った例文と意味を解釈
- 「前例踏襲」の類語や言い換え
「前例踏襲」とは?
前例踏襲とは、以前と同じやり方などの方法、もしくは形などの前例を一番の参考にすることです。
物作りでこの言葉を使った時には、以前の物と同様の製法だったり、見た目がそっくりといったような意味で、「前例踏襲でこのような形になった」などの使い方になります。
このように、その対象からは分からない製法などから、見た目や性能などに対しても使える言葉で、ともかく「先の例に従う」という意味で幅広く使うことができます。
- 「前例踏襲」の読み方
「前例踏襲」の読み方
「前例踏襲」は、「ぜんれいとうしゅう」と読んでください。
「前例」は問題なく読めると思いますが、「踏襲」は多少難しいかも知れません。
ですが、「踏」は音読みでは「とう」としか読まない漢字なので、それ以外の読み方をする方が難しく、覚えてしまえは何ということもありません。
「前例踏襲」の表現の使い方
前例踏襲は、このやり方や見た目、性能などがどこからきているのかと聞かれた際に使う場合と、次作は充分に前例踏襲の上で(同じくやり方や見た目などに対して)製作するなどと使う場合の二通りがあります。
前者の場合は、ここが前例踏襲していると説明することに繋がり、後者ではどの部分を前例踏襲の上で製作するかといった話になるでしょう。
「前例踏襲」のメリット
前例踏襲には、過去に成功した(または、それに近い)内容をそのまま引き継ぐことで、失敗のリスクが下げられるメリットがあります。
例えば、過去に売れた商品で人気のあった点を前例踏襲すると、次作が全くヒットしないということはまずなくなると考えることができます。
また、全く新しい開発や製作にはならないことで、コストの抑制にも繋がると考えていいでしょう。
「前例踏襲」のデメリット
前例踏襲には、上のようなメリットだけでなく、デメリットもあります。
それは、物の場合は以前とあまり変わらないものになってしまう可能性があり、新製品だとしても、以前のものの焼き増しのような捉え方をされてしまうかも知れません。
技術に関して言えば、古い時代のそれをいつまでも引きずっていると、いくら効率がいいとは言っても、時代遅れの作りのままとなってしまうかも知れません。
過去の成功を元に前例踏襲するとしても、このような点がデメリットになることが考えられます。
「前例踏襲」を使った例文と意味を解釈
前例踏襲を使った例文と、その意味の解釈になります。
例にもあるように、この前例踏襲は、裁判ではごく普通に行われていることです。
- 「前例踏襲」を使った例文1
- 「前例踏襲」を使った例文2
「前例踏襲」を使った例文1
「やはり、同様の判例から前例踏襲した判決に留まった」
裁判の判決は、過去の判例を参考にして出されるのが一般的です。
それには2つの理由があり、1つは、ただでさえ長く掛かることの多い日本の裁判において、審議時間の短縮に繋がる為で、もう1つは、同様の内容の裁判で、担当の裁判官によって全く違う判決が出てしまってはいけないからです。
「前例踏襲」を使った例文2
「今度発売される新モデルは、前モデルの前例踏襲に見えるデザインながら、斬新さも感じる」
その新モデルは、以前のモデルの面影を残しつつ、うまく斬新さを出せたといったところでしょう。
うまく前例踏襲した例だと言うことができそうです。
「前例踏襲」の類語や言い換え
前例踏襲を別の言葉で言い換える場合には、以下がよく用いられます。
- 「先例に倣う」【せんれいにならう】
「先例に倣う」【せんれいにならう】
「先の例に倣って」という「前例踏襲」の意味とも言える表現ながら、「先例に倣うことにした」などと前例踏襲より使いやすい表現です。
そのまま言い換え表現になります。
前例踏襲には、説明したようなメリット、デメリットの両面がある為、それらを充分に考慮した上で判断するべきだと言えるでしょう。
裁判の例は、特殊なケースだと考えてください。