「鶴の一声」とは?意味や使い方!例文や解釈
「鶴の一声」という言葉がありますが、一体どの様な声のことなのでしょうか。
意味や語源などを詳しく紹介します。
目次
- 鶴の一声」とは?
- 「鶴の一声」の表現の使い方
- 「鶴の一声」の類語や類似表現や似た言葉
- 「鶴の一声」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「鶴の一声」の反対語
- 「鶴の一声」の英語と解釈
鶴の一声」とは?
「鶴の一声」の概要について紹介します。
- 「鶴の一声」の読み方
- 「鶴の一声」の意味
- 「鶴の一声」の語源や由来
- 「鶴の一言」は間違い?
「鶴の一声」の読み方
「鶴の一声」は「つるのひとこえ」と読みます。
「つるのいっせい」と読まない様にしましょう。
「鶴の一声」の意味
「鶴の一声」の意味は「大勢の人を従わせる力がある一人のひとこと」という意味です。
大勢で議論をしている時に、指導力や権力がある人が自分の意見を述べると、周囲の人が否応なしに従わざるおえない状況になります。
その人に逆らうと後でどうなるか分からない、自分は責任を負いたくないなど様々な理由により反対する人が誰もいないのです。
その様な影響力のある言葉に対して「鶴の一声」と言います。
「鶴の一声」の語源や由来
「鶴の一声」の語源は、実際の鶴の声からきています。
鶴は普段あまり鳴き声を出しませんが、たまに鳴くととにかく甲高くてよく通る大きな声です。
これは、鶴が長い首を持っている為に声帯が反響し易く、例えて言えば長いラッパの様な構造でそれだけ遠くまで響く鳴き声が出ます。
その距離は数百メートルで、他の鳥たちが「鶴がそれほどまで鳴くのだから大きな危険が迫っているのではないか」と警戒する程と言われています。
それ程までに影響力のあることから、「強い力を持っている人の意見」という諺ができたのです。
「鶴の一言」は間違い?
よく「鶴の一言」という人がいますが、こちらは誤用です。
「一声」には「一度だけ出す声」「短い言葉を発すること」という意味があります。
よく考えると鶴は喋るはずがなく、「一言」何かを言うということはありません。
鶴の鳴き声に例えた諺ですので「鶴の一声」だとおぼえておきましょう。
「鶴の一声」の表現の使い方
「鶴の一声」の使い方について紹介します。
- 「雀の千声鶴の一声」
- 良い意味悪い意味両方で使われる
「雀の千声鶴の一声」
「鶴の一声」の前に「雀の千声(すずめのせんこえ)」という言葉を付けて「雀の千声鶴の一声」と言うことがあります。
実はこれは「鶴の一声」の全文で、「雀の千声」は「つまらない者たちの言うこと」という意味です。
つまり、元々の全体の意味は「つまらない者たちの言うことよりも、力のある者のひとことの方が従うにふわさしい」ということなのです。
良い意味悪い意味両方で使われる
「鶴の一声」は、権力者の一言で全てが決まるという意味から、良い意味で使うべきなのか悪い意味で使うべきなのか悩む人もいるでしょう。
「鶴の一声」は、良い意味と悪い意味の両方で使える言葉です。
大勢の意見が中々まとまらず、ダラダラした雰囲気になった時に、リーダーシップのある人が「こうしよう」と言って話をどんどん進めると皆が「助かった」と思うでしょう。
或いは、多くの人が期待していたことに対して、権力のある人が独断で決めてしまい、皆の意見が全く反映されないということもあります。
「鶴の一声」は、そのものごとの内容ではなく「強い人の一言で決まった」という状況を表す言葉です。
「鶴の一声」の類語や類似表現や似た言葉
「鶴の一声」の類語は以下の通りです。
- 「有無を言わせない」【うむをいわせない】
- 「一存」【いちぞん】
- 「ワンマン」【わんまん】
「有無を言わせない」【うむをいわせない】
「相手の意思にかかわらず、無理矢理ものごとを押し付けること」という意味です。
「一存」【いちぞん】
「上司や周囲の承認を得ずに、自分の意思だけで判断して行動をすること」という意味です。
「ワンマン」【わんまん】
「一人で何でも手がけること」という意味です。
こちらは英語の“one-man”が語源で、「本来複数ですることを一人で全部する」というニュアンスがあります。
本来は「ワンマンバス」の様に「ドライバーが一人でバスを運行させる」などという意味です。
しかし「ワンマン社長」などの言葉に使われ「人の意見に耳を貸さずに何でも勝手にしてしまう人」という意味で使われることも多くなります。
「鶴の一声」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「鶴の一声」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「鶴の一声」を使った例文1
- 「鶴の一声」を使った例文2
「鶴の一声」を使った例文1
「お局様の鶴の一声で歓送迎会の場所が決まった」
歓送迎会の会場をどこにするか若い人達がああでもない、こうでもないと決めかねていたところ、お局様がひとこと「○○にしましょう」と言ったことで、その場所に決まったことを表します。
お局様は長くいるのでその周辺のお店を知り尽くしているのです。
「鶴の一声」を使った例文2
「プロジェクトが社長の鶴の一声で変更されてしまった」
スタッフで協力して進めてきたプロジェクトですが、急に社長が方向を変換する様に言ってきました。
社長としてはその会社全体の利益を考えてのことですが、話し合う余地を残さずに絶体命令として伝えています。
目標が変わってしまうことで混乱してしまい、モチベーションが下がってしまったことが伝わります。
「鶴の一声」の反対語
「鶴の一声」の反対語を紹介します。
- 「雀の千声」【すずめのせんこえ】
- 「民主的」【みんしゅてき】
「雀の千声」【すずめのせんこえ】
使い方の章で紹介しましたが、「雀の千声」に「鶴の一声」を続けて使われます。
これは「雀の千声」が「つまらない者たちの言うこと」で、「鶴の一声」が「強い者の価値ある一言」という引き合いの意味があります。
「民主的」【みんしゅてき】
「その集団の構成員の意見を反映させてものごとをすすめること」という意味です。
「民主的」は「民主主義に基づいた政策」であり、「民主主義」とは国家が国民に主権を置き政治を行うことという意味です。
「鶴の一声」の英語と解釈
“A king's word is more than another man's oath. ”
「国王の言葉は他の人の誓いの言葉に勝る」です。
こちらは「鶴の一声」と同じ意味を持つ英語の諺として知られています。
因みに「鶴」は英語では“crane”で、「クレーン車」の「クレーン」と同じです。
「鶴の一声」は、「大勢の人を従わせる力がある一人のひとこと」という意味です。
皆で話し合っている時に、皆に慕われていたり、幅を利かせている人の一言で決まった時に使ってみましょう。