「姑息」とは?意味や使い方!例文や解釈
「姑息」という言葉はどの様な意味があるのでしょうか。
意外な語源や使い方などを紹介しますので参考にして下さい。
目次
- 「姑息」とは?
- 「姑息」の表現の使い方
- 「姑息」の類語や類似表現や似た言葉
- 「姑息」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「姑息」の反対語
- 「姑息」の英語と解釈
「姑息」とは?
「姑息」の概要について紹介します。
- 「姑息」の読み方
- 「ものごとを一時的な間に合わせで処理すること」の意味
- 「正々堂々と取り組まない様子」の意味
- 「姑息」の語源や由来
- 「姑息」と「卑怯」の違い
「姑息」の読み方
「姑息」は「こそく」と読みます。
意外に難しいので覚えておきましょう。
「ものごとを一時的な間に合わせで処理すること」の意味
「姑息」の意味は「ものごとを一時的な間に合わせで処理すること」という意味です。
何かやらなければならないことがあるのですが、時間がなかったり状況的に無理な時に、一時的な対処法でその場を切り抜けることを言います。
その時の手段や行動する様子を「姑息」と言い表すのです。
「正々堂々と取り組まない様子」の意味
「姑息」の意味から転じて「正々堂々と取り組まずにずるい方法を用いること」という意味があります。
この意味は本来誤用とされていますが、言葉は時代と共に意味が変わるものであり、近年はこちらの意味も記載するサイトが増えています。
「姑息」の語源や由来
「姑息」の語源は漢字の意味からきています。
「姑」は「しゅうと・しゅうとめ」という印象が強い漢字ですが、訓読みは「ひとまず・しばらく」です。
意味は「現在の流れをわずかな間そのままの状態にする」という意味です。
「息」は訓読みでは「いき」で、意味は「呼吸をする」ですが、ここから転じて「ひと息つく・休む」という意味になり、更には「停止する」という意味でも使われる様になりました。
これらの漢字が組み合さり「一時的に休む=一時的に難を逃れる=一時的な間に合わせで処理すること」という意味になったのです。
「姑息」という言葉は中国の歴史的書物「礼記」にも記載されていて「細人(凡人)は姑息に人を愛する」というものですが、この意味は「その場しのぎのことばかりする」という意味で使われています。
「姑息」と「卑怯」の違い
「姑息」とよく似た意味の言葉に「卑怯(ひきょう)」があります。
多くの辞書サイトに「姑息」の意味として「卑怯なことをする」と記載されています。
しかし元々「姑息」には「卑怯」という意味はなく、段々と意味が転じて使われる様になり、多数を占める様になったものと理解しておきましょう。
ここでは「姑息」と「卑怯」の違いについても紹介しておきます。
「卑怯」の「卑」は元々「高さが低い」という意味でしたが、段々と「身分が低い」「いやしい」という意味で付割れる様になりました。
「怯」は「おびえる」と読み、「敵を恐れる様子」から「臆病」という意味になります。
これらの漢字が組み合わさり「卑怯」は「相手やものごとを恐れる心理で正々堂々と取り組まない様子」として使われる様になったのです。
「姑息」は「一時的な間に合わせでものごとを処理すること」ですので、そもそも意味は違うのです。
しかし、「恐怖心によるもの」であっても「一時的なもの」であっても「ものごとに対して真剣に向き合わない」という姿勢は同じになります。
その為に「姑息」と「卑怯」が混同される様になったのです。
「姑息」の表現の使い方
「姑息」の使い方のポイントについて紹介します。
- 「姑息な手段」
- 良い印象を与えない
「姑息な手段」
「姑息な手段」として使う時には、多くの人が「本来取るべき方法ではなくずるい方法でものごとを処理すること」という意味で使います。
正しくは「一時的な間に合わせによりずるい方法を取ったもの」という解釈になります。
良い印象を与えない
ピンチの時に「一時的な間に合わせ」をしたのならば、悪い意味ではないと思う人もいるでしょう。
しかし「姑息」を使ってしまうと「卑怯なことをした」というイメージになってしまいます。
本来悪い意味ばかりではないのですが、周囲の人への印象が悪くなる可能性があるので注意しましょう。
「姑息」の類語や類似表現や似た言葉
「姑息」の類語を紹介します。
- 「つなぎ」【つなぎ】
- 「間に合わせ」【まにあわせ】
- 「狡猾」【こうかつ】
「つなぎ」【つなぎ】
「次の段階に移るまでの予備段階として」という意味です。
一時的な行動であることから「姑息」と意味が似ています。
「間に合わせ」【まにあわせ】
「仮りのものでその場を済ませること」という意味です。
こちらも「姑息」の本来の意味と似ていて、クリーンなイメージがあります。
「狡猾」【こうかつ】
「こうかつ」と読みます。
意味は「ずるく悪知恵が働くこと」です。
こちらは「姑息」の「卑怯」という意味の類語になります。
「姑息」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「姑息」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「姑息」を使った例文1
- 「姑息」を使った例文2
「姑息」を使った例文1
「彼は全て人のものを写して提出するという姑息な手段を使っている」
学校の宿題やレポートを、自分では何もせずに人のノートやレポートを丸写しして提出する人がいます。
人から見ればずるい行為であり、それで単位を取れることに対する不満を表しています。
こちらの「姑息」は「卑怯な」という意味で使われています。
「姑息」を使った例文2
「ガラスを割ってしまったのでガムテープで補強しておいた、姑息だか明日まで持つだろう」
ガラスを割ってしまったのですが、夜遅いなどの理由で修理を呼ぶのは明日になってしまいます。
取りあえずガムテープを貼り補強しておくことを表しています。
こちらは「姑息」の本来の意味での使い方となります。
「姑息」の反対語
「姑息」に反対語はありませんが、反対に近い意味の言葉を紹介します。
- 「本質的」【ほんしつてき】
- 「誠実」【せいじつ】
「本質的」【ほんしつてき】
「ものごとの根本的な性質に関係すること」という意味です。
一時的ではないという意味で「姑息」と反対の意味になります。
「誠実」【せいじつ】
「正直でうそをつかないこと」という意味です。
「姑息」で「ずるい」という意味の反対の意味になります。
「姑息」の英語と解釈
“He fixed his machine temporary.”
「彼はパソコンを姑息に修理した」になります。
一時的ですぐにまた壊れる様な状態のことを意味します。
「姑息」は「ものごとを一時的な間に合わせで処理すること」「正々堂々と取り組まない様子」の2つの意味があります。
本来「卑怯な・ずるい」という意味はないのですが、そのニュアンスで使われることが多いと憶えておきましょう。