「信義にもとる」とは?意味や類語!
仕事をしている中で「信義にもとる」という言葉が出て来ることがあります。
しかし、このような表現が使われていても、詳しい意味を理解しないまま流すように聞き流してしまうこともあります。
そこで、ここではこの「信義にもとる」に注目して説明をして行きたいと思います。
目次
- 「信義にもとる」とは?意味
- 「信義にもとる」の表現の使い方
- 「信義にもとる」を分解して解釈
- 「信義にもとる」を使った例文と意味を解釈
- 「信義にもとる」の類語や言い換え
「信義にもとる」とは?意味
「信義にもとる」とは、「信頼に基づいて成り立っている人間関係の中で、ある人物の態度や行動が不誠実であったり、道義に反していたりするような振る舞いもすることで、信用を著しく失うことを意味している言葉です。
「信義にもとる」の表現の使い方
「信義にもとる」が使われる場面は、ビジネスシーンの中で契約や約束事を勝手に反故にしたり、そのまま放っておくようなことで、相手の信頼を失って人間関係を損なってしまう場面で使われることになります。
また、この言葉は仕事上だけでなくプライベートな場面でも、友人や知人、親戚の間でも、用いられることもあります。
「信義にもとる」を分解して解釈
では、ここで「信義にもとる」を「信義」と「もとる」の2つの言葉に分解して、それぞれの意味を調べてみることにします。
- 「信義」
- 「もとる」
「信義」
「信義」とは、「真心をもって約束を守り、相手に対する勤めをきちんと果たすこと」を指している言葉です。
「信義を重んじることが大切」、「信義に厚い人」などというような使い方ができます。
「もとる」
「もとる」は「悖る」という漢字表記をしますが、「道理などに背く」、「反する」というような意味があります。
「信義にもとる」を使った例文と意味を解釈
では、ここで「信義にもとる」を使った例文を見て行き、具体的な活用シーンを考えてみたいと思います。
- 「信義にもとる」を使った例文1
- 「信義にもとる」を使った例文2
「信義にもとる」を使った例文1
「法律に違反するような取引をしてしまうとは、提携企業との信義にもとることだ。信用失墜だけでは済まされない」
ビジネスでは、取引先との信頼関係で成り立つことが常識の世界です。
現代のビジネス社会では、単なる取引ではなく協業スタイルも当たり前の時代ですが、そのベースとなるのが相互の信頼関係です。
しかし、業績を伸ばすために法律に抵触するような取引をしてしまうことは、パートナーとも言える取引先との「信義にもとる」行為で絶対にやってはいけないことです。
「信義にもとる」を使った例文2
「文学大賞を獲得するために他の作者の文章を盗用することは、作家として信義にもとる行為です」
盗作はどの世界でも許されることではありませんが、目の前の栄光のために、このような「信義にもとる」行為をしてしまう人が少なくありません。
しかし、このような行為は、自分の将来を閉ざしてしまうことも見えなくなってしまうでしょう。
「信義にもとる」の類語や言い換え
「信義にもとる」を他の言葉で言い換えると、次のような同義語が挙げられます。
- 「道義に背く」
- 「信用を失墜させる」
- 「ハソゴを外す」
「道義に背く」
「道義に背く」という表現が「信義にもとる」の類義語としてありますが、「道理から外れた信用を失わせるような行為をしてしまうこと」という意味になります。
言い換えると、「裏切ること」や「正義に背く」と言ってもいいでしょう。
「信用を失墜させる」
「信用を失墜させる」という言い回しも「信義にもとる」に近い意味合いがあり、「信用を失わせるようなことを行うこと」ということを言っています。
「信用を失墜させる」ことは、自分自身の将来を潰してしまうことになりますし、これが企業であれば、再起することは大変難しくなってきます。
「ハソゴを外す」
「ハシゴを外す」という言葉もありますが、これは「人をおだて上げておきながら、突然、態度を変えて応援するのを止めてしまい、相手の孤立させること」を言っています。
仕事の場面でも、このような言動の人間が時々いるのですが、最初は非常にいいことを言っておきながら、途中から態度が豹変させてしまいます。
このようなタイプの人間は注意が必要です。
「信義にもとる」という言葉は、非常に重たい意味を持っており、私達が仕事をする上では、決してこのような行為をしないように自分自身の自覚をしっかりと持つことや、所属する企業や団体もこのような行動に出ないかをけん制する必要があります。