「油照り」とは?意味や類語!表現の使い方
皆さんは「油照り」という言葉を見たり聞いたことがあるでしょうか。
この言葉は日常生活の中で使われる言葉というよりは、俳句などの中で目にすることのある言葉です。
言葉からしても、とても興味深くなりそうな言葉なので、今回はこの「油照り」にフォーカスを当てて見て行きたいと思います。
目次
- 「油照り」とは?意味
- 「油照り」の表現の使い方
- 「油照り」の語源や由来
- 「油照り」を使った例文と意味を解釈
- 「油照り」の類語や言い換え
「油照り」とは?意味
「油照り」は「あぶらでり」という読み方しますが、「夏の薄曇りの天気で風が全くなく非常に蒸し暑い日のこと」を意味しています。
確かに「風がなく薄日がジリジリと肌を照りつける」ことで、じっと我慢することができずに汗のにじみ出るようなイメージが伝わってきそうですね。
「油照り」の表現の使い方
俳句や夏の気候を表す際に「油照り」という表現を見かけることがありますが、本当に肌を気色悪く包み込むような汗ばむ空気が淀んだ天気の時に使われることになるでしょう。
「油照り」の語源や由来
「油照り」の語源を紐解くと、明快な答えが中々見つけることができないのですが、使われている言葉からすると、暑さのために肌から「脂汗がジワリと出てくる暑さ」から、この言葉が生まれてきたと考えられます。
「油照り」を使った例文と意味を解釈
では、ここで「油照り」を使った例文を見ながら、具体的な活用シーンをイメージしてみたいと思います。
- 「油照り」を使った例文1
- 「油照り」を使った例文2
「油照り」を使った例文1
「息も絶え絶えになりそうな感じで呼吸する暑さで、空を仰ぎ見ると、薄い曇が広がり風が吹かないので、熱が籠もりっぱなしなのです。これこそ油照りと言えますね」
暑い太陽がジリジリと照り付ける暑さも厳しいものがありますが、このようにどんよりとした天気ながらも、湿度が高い「油照り」の環境も苦しい状況です。
「油照り」を使った例文2
「油照りと言うと、8月初めの京都の、蒸し暑さをイメージさせてしまいます。それほど京都の夏は厳しいので、体調管理が重要になってきます」
京都の夏は、お盆が過ぎると、地蔵盆というものがあって色々な行事が催されますが、その間も汗がにじむような環境です。
しかし、地元の人々はそんな環境であっても、仕事やお祭りを楽しむのか、京都ならではの夏の過ごし方のようです。
「油照り」の類語や言い換え
では「油照り」に近い意味を持つ言葉をいくつか挙げてみることにしました。
- 「猛暑」
- 「酷暑」
- 「蒸し暑い」
「猛暑」
「猛暑」という言葉がありますが、天気に関する言葉としては、「油照り」に近い言葉と言えるでしょう。
「猛暑」とは、「平常の気温と比べて著しく暑い時のこと」で、夏の天候で1日の最高気温が35℃以上の日のことを指しています。
「酷暑」
「酷暑」とは、「非常に暑く厳しい暑さのこと」を言っていますが、2006年夏に西日本で最高気温35度以上の日が続いたことで、例年にはない暑さも記録を更新したのです。
これは「猛暑以上の暑さ」ということもあり、マスコミを中心に「酷暑」と呼ぶようになりました。
「蒸し暑い」
「猛暑」も「酷暑」も厳しい暑さを意味する言葉ですが。
「蒸し暑い」は「蒸されるように暑い」、「湿度が高く風もなくて暑くるしい」といったような意味があり、「油照り」に最も近い表現かもしれません。
「油照り」という言葉を考えた人は、よくこのような言葉を思いついたなと思います。
決して厳しい日差しではないものの、暑さと蒸し蒸しした空気で居心地の良くない感情を上手に表現しているようです。
この言葉が出て来る場面は、今の天候では当てはまる環境がたくさんあるのですが、日常的に使われる言葉ではないだけに、意識して使いたくなる言葉のような気もします。
毎年熱く厳しい夏が続きますが、体調管理をしっかり行い、暑さの中でも風情のある生活を送りたいものです。