「比べるべくもない」とは?意味や類語!比ぶべくもない?表現の使い方!
日本語は難しいもので、これで意味が通ると思った表現が、実は間違いだったりします。
目次
- 「比べるべくもない」とは?
- 「比ぶべくもない」の表現の使い方
- 「比ぶべくもない」の英語と解釈
- 「比ぶべくもない」の類語や言い換え
- 「比ぶべくもない」を使った例文と意味を解釈
「比べるべくもない」とは?
「比べるべくもない」は、そのニュアンスから、「比べるまでもない」といったことだと分かりそうなものです。
そして、意味としては、比べるまでもなく、どちらかが圧倒的に優れていると言いたい時に使うのだと分かるでしょう。
しかし、この「比べるべくもない」は実は誤用で、そのような言葉を使うことはありません。
言いたいことは分かりますが、日本語としておかしい表現となってしまうので注意してください。
- 「比ぶべくもない」ないが正解?
「比ぶべくもない」ないが正解?
「比べるべくもない」を正しい表現にすると、この「比ぶべくもない」(くらぶべくもない)となります。
一見で古典仮名使いのようですが、普通に現代でも使われる言葉です。
意味は先のように、詳しく比べるまでもなく、どちらかが圧倒的に優れているということです。
「この2台の車の性能は、比ぶべくもない」のような形で使ってください。
「比ぶべくもない」の表現の使い方
「比ぶべくもない」と表現するからには、それだけの差がある場合です。
誰が見てもそうだと分かる時や、それについて全く詳しくない人には分からなくても、少しでも知っていれば分かるような場合に使います。
例えば、「排気量が50ccのバイクと750ccでは、比ぶべくもない」といった使い方の場合、これは誰でも分かりそうなものですが、「国内の車のシェアで、トヨタとマツダでは比ぶべくもない」のような時には、車について詳しくない人には、その2社がどれほどシェア的に違うのかという以前に、どちらが上なのかさえ分からないかも知れません。
ですが、その2社では実際に約7倍もの差があることから、普通に「比ぶべくもない」と使って構いません。
ちなみに、トヨタが1年間に国内で販売する車の数は約150万台で、マツダは20万台程度です。
これくらいの差があれば、充分に「比ぶべくもない」と表現できます。
「比ぶべくもない」の英語と解釈
「比ぶべくもない」は英語では、“can't compare”と表現するのがいいでしょう。
「比べることができない」という解釈になり、“This two companies can't compare.”と使うと、「この2社は比ぶべくもない」という意味になります。
この文章では、そのどちらが上なのか(規模や売上げなどが優れているのか)分かりませんが、比較にならないほど離れていると表現しています。
「比ぶべくもない」の類語や言い換え
「比ぶべくもない」と同様の意味で使うことができる表現です。
こちらの方が見聞きする機会が多いかも知れません。
- 「桁が違う」【けたがちがう】
「桁が違う」【けたがちがう】
言葉のまま解釈すると、10倍以上の差があるような場合に使う表現になりますが、実際にはそこまでの差ではなくても、どう考えても大きな違いがあると思った場合に用いることができます。
「この2台のカメラの性能は桁が違う」のように使う表現で、「桁違い」と使われることも多いです。
「比ぶべくもない」を使った例文と意味を解釈
「比ぶべくもない」を使った例文です。
この言葉だけでは、具体的にどれほどの差があるのかが分からない為、その点を補足して使うケースも多いです。
- 「比ぶべくもない」を使った例文1
「比ぶべくもない」を使った例文1
「限度額が30万円だった前のカードと、この300万円のカードでは、使い勝手は比ぶべくもない」
利用限度額が10倍にもなっているので、その数字だけで考えれば、正に比較になりません。
ただし、その分使い過ぎに注意しなくてはいけません。
「比ぶべくもない」は、普通に使える言葉ながら、それほど見聞きする訳でもない為、「比べるべくもない」では間違いで、そう使うなら、こちらが正しい表現だと覚えておく程度でいいでしょう。