「小康状態」とは?意味や使い方!語源や例文
「小康状態」という言葉を日常会話でよく耳にします。
どの様な意味で使われているのか、使い方なども併せて紹介します。
目次
- 「小康状態」とは?
- 「小康状態」の言葉の使い方
- 「小康状態」の類語や類似表現や似た言葉
- 「小康状態」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「小康状態」の反対語
- 「小康状態」の英語と解釈
「小康状態」とは?
「小康状態」の意味や語源などについて紹介します。
- 「小康状態」の読み方
- 「小康状態」の意味
- 「小康状態」の語源や由来
- 「小康」と「寛解・緩解」との違い
「小康状態」の読み方
「小康状態」は「しょうこうじょうたい」と読みます。
読み方は難しくないのですが、いざ書こうとすると分らないことも多いので覚えておきましょう。
「小康状態」の意味
「小康状態」の意味は「一度悪い状態になっていたものが、回復傾向にあり落ち着いている様子」です。
一時的に危険な状態から持ち直して、現在のところ差し迫った様子はなく安定している状態で、「小康」だけでも意味が通じます。
但し、完全に回復した訳ではないのでいつ急変するか分かりません。
「小康状態」は病院で患者の容体を表す時に使われるイメージがありますが、実は健康状態だけではなくさまざまなものごとに対して使われます。
天候や株価など状況が変わり易いものを表すこともあり、日常会話でも使えるのです。
「小康状態」の語源や由来
「小康状態」の語源は漢字の成り立ちから分かります。
「小康」の「小」は「小さい」「わずか」という意味があります。
「康」は「無事・安らか・丈夫」という意味があります。
つまり「小康」は「わずかに安らか」を表します。
そして「状態」は「そうなること」という意味があります。
これらの漢字が組み合わさり「わずかに安らかになっていること」という意味で使われているのです。
「小康」と「寛解・緩解」との違い
医学的に「小康」と似た意味を持つ言葉に「寛解・緩解」があります。
「寛解・緩解」はどちらも「かんかい」と読み、現在では「緩解」の方が使われる様になりました。
どちらも「病気が一時的に良くなること」という意味ですが、この2つは使い方が全く違います。
「小康」は「最も悪い状態から脱して現在落ち着いていること」です。
そして「小康」の場合は、その後完全に回復する可能性も含んでいます。
「緩解」は、「薬や治療などにより病状が一時的に消えている状態のこと」です。
完全に回復することが難しい病気の治療過程を表す言葉で、限定された病気に対して使われるのです。
「小康状態」の言葉の使い方
「小康状態」は以下の様なシーンで使われます。
- 国同士のトラブルに対して
- 天候に対して
- 株価に対して
国同士のトラブルに対して
国同士が緊張した状態や、紛争や戦争が起きている時に、一時的にお互いが攻撃を控えて相手の動向を見守っていることを「小康状態」と言います。
攻撃を繰り返す最悪な状態ではなくなり、市民が何とか日常生活を営めることを表します。
このまま休戦になるのか、何かのきっかけで戦闘が再開されるのか分かりません。
天候に対して
日常会話でお天気の話題に「小康状態」を使うこともあります。
どこかへ出かける計画がありお天気を気にしている時に「雨が小康状態になった」と言います。
これは、それまで激しく降り続いていた雨が小降りになったり、やんで曇り空になったことを表します。
但し、雨の本体である低気圧はまだ居座り続けているので、いつまた雨が強くなるかは分りません。
株価に対して
株価は値動きが大きく、1日のうちでも大きく変動することがあります。
株価が大きく下落した後取り戻してしばらく大きな値動きが見られない時に「小康状態を保っている」と言います。
今後更に下落するのか上昇するのかは分らず、投資家にとっては緊迫する状態となります。
「小康状態」の類語や類似表現や似た言葉
「小康状態」の類語を紹介します。
- 「一段落」【いちだんらく】
- 「中休み」【なかやすみ】
- 「小休止」【しょうきゅうし】
「一段落」【いちだんらく】
意味は「文章の中のまとまった部分」「ものごとがひとまず片付くこと」です。
それまで動いていたものごとが落ち着き、現在は何もせずに済んでいる時に使われます。
「中休み」【なかやすみ】
「一つの目的を持って行動している時に一時的に休むこと」という意味です。
仕事で一つの作業が終った後にお茶を飲んで休憩したり、学校で授業の合間に休みを取る時に使われます。
この場合ものごとは終わった訳ではなく、一定の時間が終ると再開されます。
「小休止」【しょうきゅうし】
「何かの作業中にほんの少し手を止めて休むこと」という意味で、他の言葉に比べてほんのわずかな時間を表します。
「小康状態」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「小康状態」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「小康状態」を使った例文1
- 「小康状態」を使った例文2
「小康状態」を使った例文1
「祖母の容体が小康状態なので母は一度自宅に帰ることにした」
祖母の容体が悪くて母親が病院に付きっきりでしたが、少し持ち直したのでとりあえず一度自宅に帰って休みことにしたという意味です。
「小康状態」を使った例文2
「雨が小康状態なので今のうちに帰ろう」
急に土砂降りの雨になった為に雨宿りをしていましたが、小降りになったのでその隙に自宅に帰ろうとしていることを表しています。
「小康状態」の反対語
「小康状態」反対語は特にありませんが、近い意味となると「悪化」です。
「悪化」は「それまでよりも悪い状態になること」で、「状態」は付ける必要はありません。
こちらも「容体が悪化する」だけでは無く様々なものごとに使われる言葉です。
「小康状態」の英語と解釈
「小康状態」の英語はそれぞれの意味により以下の2つがあります。
- “My grandmother's illness is now stable.”
- “The heavy rain is letting up.”
“My grandmother's illness is now stable.”
「祖母の病気は小康状態です」です。
“be stable”で「様子が安定している」という意味になります。
“The heavy rain is letting up.”
「土砂降りの雨が小康状態になった」です。
“let up”で「状況が落ち着く」という意味になります。
「小康状態」は「悪い状態になっていたものが、回復傾向にあり落ち着いている様子」です。
病気だけではなく幅広いものごとに対して使えます。
どうしようもない状態が一時的に良くなったと思われる時に使って見ましょう。