「多少なりとも」とは?意味や使い方や例文!
「多少なりとも」とは、「たとえ少しであっても・少しだけでも」を示す言葉です。
「多少なりとも」の「意味・読み方・分解した解釈・使い方・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・多少たりともは誤用か・英語と解釈」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「多少なりとも」とは?
- 「多少なりとも」の言葉の使い方
- 「多少なりとも」の類語や類似表現や似た言葉
- 「多少なりとも」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「多少なりとも」に似た「多少たりとも」は誤用か?
- 「多少なりとも」の英語と解釈
「多少なりとも」とは?
「多少なりとも」とは、「たとえ少しであっても・少しだけでも」や「程度(影響度)が小さくても」を意味する言葉です。
「多少なりとも」という言葉は「多・多い」よりも「少・少ない」のほうに意味の重点があり、「数量(分量)が少なくても・たとえ少しだけであっても・程度が小さくても」という意味のニュアンスがあるのです。
- 「多少なりとも」を分解して解釈
- 「多少なりとも」の読み方
「多少なりとも」を分解して解釈
「多少なりとも」の言葉を、「多少」と「なりとも」に分解して解釈してみます。
「多少」というのは、「多いか少ないか」の意味もありますが、この使い方では「数量(分量)が少しであること・いくらか・程度が小さいこと」を意味しています。
「なりとも」という言葉は、「他にもっと適切なものもあるが(もっと分量が多いほうがいいが)、例えば〜であっても」という意味になります。
「多少+なりとも=多少なりとも」で、「数量(分量)が少しであっても・程度(影響度)が小さくても」という意味になるのです。
「多少なりとも」の読み方
「多少なりとも」の読み方は、「たしょうなりとも」になります。
「多少なりとも」の言葉の使い方
「多少なりとも」の言葉の使い方は、「たとえ数量(分量)が小さくても」や「たとえ程度(影響度)が小さくても」という控えめな仮定をする時に使うという使い方になります。
例えば、「多少なりとも収入がプラスになるのであれば、転職活動をしたいと思っています」や「多少なりとも困っている人たちの役に立ちたいと考えて、社会福祉分野の仕事に興味を持ちました」といった文章において、「多少なりとも」の言葉を正しく使えます。
「多少なりとも」の類語や類似表現や似た言葉
「多少なりとも」の類語・類似表現・似た言葉について、分かりやすく解説していきます。
- 「少しは・いくらかは」
- 「多かれ少なかれ」
- 「多少の差こそあれ」
「少しは・いくらかは」
「多少なりとも」の類語・似た言葉として、「少しは・いくらかは」があります。
「多少なりとも」という言葉は、「たとえ数量・分量が少しであっても」や「多くはないがいくらか(少しの分量)だけなら」ということを意味しています。
その意味合いから、「多少なりとも」とほとんど同じ意味を持つ似た言葉として、「少しは・いくらかは」を上げることができます。
「多かれ少なかれ」
「多少なりとも」の類似表現・似た言葉として、「多かれ少なかれ」があります。
「多かれ少なかれ」とは、「数量(分量)が多いとしても少ないとしても」や「数量(分量)が少ないとしても関係ない・数量の大小に関わらずどちらにしても」ということを意味する慣用句的な言葉です。
その意味合いから、数量・分量が少なくても(少しでも)を意味する「多少なりとも」と似た意味を持つ言葉として、「多かれ少なかれ」を上げることができます。
例えば、「ビジネスに失敗すれば多かれ少なかれ、損失が発生すること自体は避けられません」などの文章で使うことができます。
「多少の差こそあれ」
「多少なりとも」の類語・似た言葉として、「多少の差こそあれ」があります。
「多少の差こそあれ」という言葉は、「わずかな差(違い)くらいはあっても」や「少しの差(違い)があるとしても」という意味のニュアンスを持つ慣用句の言葉です。
その意味から、数量(分量)が少しであってもを意味する「多少なりとも」と類似した意味を持つ類語(シソーラス)として、「多少の差こそあれ」という言葉を指摘することができます。
「多少なりとも」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「多少なりとも」を使った例文・短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「多少なりとも」を使った例文1
- 「多少なりとも」を使った例文2
「多少なりとも」を使った例文1
「多少なりともお役に立てればと思って、早朝から被災地のボランティアに駆けつけました」
この「多少なりとも」を使った例文は、「少しでも(わずかなことであっても)お役に立てればと思って、早朝から被災地のボランティアに駆けつけた」ということを意味しています。
「多少なりとも」を使った例文2
「登山用のレインウェアを着込んでいれば、台風の暴風雨を多少なりとも防ぐことができるでしょう」
この「多少なりとも」を使った例文は、「防水性の高い登山用のレインウェア(ゴアテックス素材)を着込んでいれば、台風の暴風雨を、(完全ではないにしても)少しであっても防ぐことができるでしょう」ということを意味しています。
「多少なりとも」に似た「多少たりとも」は誤用か?
「多少なりとも」に似た言葉として、「多少たりとも」があります。
「多少たりとも」という言葉は、「たとえ少し(わずか)であっても」という意味で使われています。
例えば、「多少たりとも、嫌いな相手のためにお金を使いたくありません」というような例文を考えることができます。
一方、「〜たりとも」は「たとえ〜であってもの仮定」を意味する言葉ですが、その用法は「一人たりとも・一円たりとも・一歩たりとも」のように、「人・物の数量がゼロであること(無いこと)を志向するニュアンス」が強くなっています。
「多少たりとも」は「ゼロ・無いの志向性(一人だけであっても許されないのような)」はなく、逆に「数量が多いほうが望ましいという前提」が置かれています。
そのため、「多少たりとも」は「多少なりとも」と比較すると使用頻度が多く、「たりともの用法・意味」から考えると誤用とする解釈もあります。
「多少なりとも」の英語と解釈
「多少なりとも」という言葉は、“even if only a little”(たとえほんの少しでも)や“more or less”(多くても少なくても)、“in any way”(いずれにしても・どちらにしても)などの英語で表現することができます。
- “Could I help you in any way?”
- “I want to give my daughter some money even if only a little.”
“Could I help you in any way?”
この「多少なりとも」を使った英語の例文は、「多少なりとも、あなたのお役に立てることはありませんか?」ということを意味しています。
“I want to give my daughter some money even if only a little.”
この「多少なりとも」を使った英語の例文は、「私は多少なりとも、娘にお小遣いを上げたいのです」ということを意味しています。
「多少なりとも」という言葉について徹底的に解説しましたが、「多少なりとも」には「たとえ少しであっても・少しだけでも・程度が小さくても」などの意味があります。
「多少なりとも」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「少しは・いくらかは」「多かれ少なかれ」「多少の差こそあれ」などがあります。
「多少なりとも」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。