「やぶれかぶれ」とは?意味や使い方や例文!方言?
映画やドラマのなかで「やぶれかぶれ」という言葉が出てくることがあります。
一体どの様な意味で使われているのでしょうか。
目次
- 「やぶれかぶれ」とは?
- 「やぶれかぶれ」を徹底解釈
- 「やぶれかぶれ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「やぶれかぶれ」は方言?
- 「やぶれかぶれ」の類語や類似表現
- 「やぶれかぶれ」の英語と解釈
「やぶれかぶれ」とは?
「やぶれかぶれ」の意味と解釈について紹介します。
- 「やぶれかぶれ」の意味
- 「やぶれかぶれ」が使われる背景
「やぶれかぶれ」の意味
「やぶれかぶれ」の意味は「もうどうにでもなれとやけになる様子」のことです。
後先のことを考える余裕がなく、自分にとってどんなに不利な状態になっても構わないので今どうしてもやりたいことがある時に使われます。
その行動がほぼ成功する可能性はないのですが、それでもいいからとにかく何とかしたいと強く思う気持ちのを言います。
そして「やぶれかぶれ」には思うだけではなくその後行動に表すという流れも含んでいます。
今まさにやけになって行動する人のたかぶった心理状態を表しているのです。
「やぶれかぶれ」が使われる背景
「やぶれかぶれ」が使われる背景として、現在何らかの行動を起こしていて、それがうまくいっていないということがあります。
失敗が続いたり想定外のことが起きたりして、どんどん悪い方向に進んでしまい、絶体絶命に近い状態になっているのです。
そこで半ばやけくそになったり、開き直って「もうどうにでもなれ」と思い、大胆な行動を取る直前の言葉として使われます。
主に映画やドラマで主人公や犯人が追い込まれてしまい、「こうなりゃやぶれかぶれだ」と言って明らかに不利な状態で立ち向かっていく時に使われています。
気持ちとして不安や恐怖心は既になくなり、自滅も覚悟している状態です。
「やぶれかぶれ」を徹底解釈
「やぶれかぶれ」をより理解する為に語源や使い方を紹介します。
- 「やぶれかぶれ」の語源
- 「やぶれかぶれ」の使い方
「やぶれかぶれ」の語源
「やぶれかぶれ」は漢字を使うと「破れかぶれ」と書きます。
言葉の成り立ちは「破れ+かぶれ」で、それぞれの意味が語源になります。
「破れ」は「破れる」で、「形が壊れたり裂けたりすること」「ものごとが成り立たなくなること」「負けること」という3つの意味があります。
「破れかぶれ」の場合、全ての意味が当てはまります。
「かぶれ」は「そのものの影響を強く受けて悪い様に染まること」という意味があります。
これらの2つの言葉が組み合り「砕けたり負けたりすることに対して悪い意味で影響されてしまうこと=やけになること」という意味で使われる様になったのです。
「やぶれかぶれ」の使い方
「やぶれかぶれ」は名詞なので、「やぶれかぶれの行動」と後の言葉を修飾したり、「やぶれかぶれになる」と動詞を伴って使われます。
「やぶれかぶれだ」と言うだけでその人の追いつめられた気持ちを表現できます。
また、「やぶれかぶれ」は切羽詰まってやけになり、無謀な行動を取ろうとしている状態も表します。
ビジネスなどで使ってしまうと、まるで計画性がなく、ムダな行動をしている様に思われるので注意しましょう。
日常会話でもよく使われますが、多くの場合半分冗談で使っていると思って良いでしょう。
「やぶれかぶれ」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「やぶれかぶれ」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「やぶれかぶれ」を使った例文1
- 「やぶれかぶれ」を使った例文2
「やぶれかぶれ」を使った例文1
「もう時間がないからやぶれかぶれで全部3番にしておいた」
試験でどうしても答えが分らず、制限時間が迫ってしまったので、やけになって選択式の問題の答えを全て3番と解答したことを表します。
確かに無謀な方法ですが、何も書かなければ配点はゼロですが、何かしら書いていれば偶然にも当たる可能性は十分にあります。
特に入試など1点の差で合否が別れる瀬戸際の場合には、とにかく何かしら書いて答案用紙を埋めよ、というのは塾でも教わる心得です。
「やぶれかぶれ」を使った例文2
「やぶれかぶれでパソコンをフォーマットし直したら復活した」
パソコンの調子が悪く、すぐにフリーズしたり動作が遅くて仕事になりません。
色々と試してみましたが直せず、修理に出すと料金が高いのでその前に自分でできる最終手段としてフォーマットに踏み切りました。
パソコンの内容が全て消えてしまうし、アプリも全部インストールし直しですが、修理で数万円とられるならばと思いやけになってフォーマットしてみたのです。
するとパソコンがスムーズに起動する様になり、サクサクと動くようになりました。
「やぶれかぶれ」は方言?
「やぶれかぶれ」は響きが「ぶれぶれ」とユニークですので方言ではと思う人もいます。
しかし「やぶれかぶれ」はきちんとした語源がある言葉で、方言ではありません。
方言だと言われる理由としては、関西から九州地方にかけて「やぶれかぶれ」というチェーン店の居酒屋が多くあるからでしょう。
「やぶれかぶれ」の類語や類似表現
「やぶれかぶれ」の類語は以下の通りです。
- 「投げやり」【なげやり】
- 「捨て鉢」【すてばち】
- 「自暴自棄」【じぼうじき】
「投げやり」【なげやり】
「ものごとをいい加減な態度でとりおこなうこと」という意味です。
「投げやり」の「やり」は武器の「槍」ではなく、「遣り」と書きます。
「遣り」の意味は「やること・行かせること」で、「投げやり」の意味は「途中で放棄するかの様にやること」から来ています。
「捨て鉢」【すてばち】
意味は「思い通りならずにやけを起こすこと」という意味です。
語源は「お坊さんが修行として民家を回り、持っている鉢に食料を入れて貰う『托鉢』を捨てること」から来ています。
托鉢をする為に訪問した家で冷たい言葉で断られたり、または僧侶になる為の修行が辛くて途中で挫折することを「鉢を捨てること」に例えて使われる様になりました。
「自暴自棄」【じぼうじき】
意味は「思い通りにならない為に正常な感覚を失い、やけになって行動してしまうこと」という意味です。
「やぶれかぶれ」の言い換えとして使われています。
「やぶれかぶれ」の英語と解釈
“I am so desperate now.”
「今ややぶれかぶれな状態だ」になります。
“desperate”には「自暴自棄の・やぶれかぶれな」という意味があります。
「やぶれかぶれ」は「もうどうにでもなれとやけになる様子」という意味です。
ものごとが思い通りにいかずに苛立ち、開き直って無謀な行動をしようとする時に使われます。
ダメ元でやってみようと思うことがあった時に使ってみるとよいでしょう。