「折角」の意味とは?使い方や例文、類語を紹介!
普段の会話であまり気にせずに「折角」という言葉を使っているでしょう。
しかし「折角」には様々な意味や使い方があるのです。
ビジネスで役立つ「折角」について紹介します。
目次
- 「折角?」とは?
- 「折角」の使い方や注意点
- 「折角」を使った言葉と意味を解釈
- 「折角」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「折角」の類語や類義語など
- ビジネスシーンで使える「折角」
- 「折角」の英語と解釈
「折角?」とは?
「折角」の読み方や意味について紹介します。
- 「折角」の読み方
- 「様々な苦労をして現在に至っていること」の意味
- 「滅多にないチャンスに恵まれたこと」の意味
- 「努力や期待に応えられなくて残念に思うこと」の意味
- 「折角」の語源1
- 「折角」の語源2
「折角」の読み方
「折角」は「せっかく」と読みます。
読みにくい感じなので平仮名表記にする人も多くなります。
「切角」と書き間違わないように注意しましょう。
「様々な苦労をして現在に至っていること」の意味
そこまで至るまでに無理をしたり、困難を乗り越えたりしてきていることを言います。
やっと今の状態になり、一段落ついた時の言葉です。
「滅多にないチャンスに恵まれたこと」の意味
今までにあまりなかった様な良い状況になり、それを生かしたいと思うことを言います。
自分の力ではなく、自然にチャンスが巡って来た時の言葉です。
「努力や期待に応えられなくて残念に思うこと」の意味
自分や相手が努力したにもかかわらず、それを生かせなくて残念に思ったり、申し訳ないと思う気持ちのことです。
その結果が既に分かっていて、謝罪をしたりお断りをする時の言葉です。
「折角」の語源1
折角の語源には2つの説があります。
1つ目は、中国の古い書物に記載されている一節に由来しています。
漢の学者である朱雲(しゅうん)という人と当時の皇帝の家臣である充宗(じゅうそう)が学問について論争をしていて、朱雲が充宗を論破しました。
充宗は非常に言葉が巧みで、今迄誰も勝てなかったのです。
そこで周囲の人が喜び、充宗は「五鹿」という場所に住んでいたことから「朱雲が鹿の角を折った」と噂を広めました。
このことから「力を発揮して困難を乗り越えること」という意味で「折角」が遣われる様になったのです。
「折角」の語源2
2つ目の語源は、中国の古い書物に記載されている一節に由来しています。
後漢時代に郭泰(かくたい)という学者がいて、とても人望がある人でした。
或る日郭泰が外遊した時ににわか雨があり、頭巾が濡れて角の部分が折れて曲がってしまいました。
その時周りにいた皆が信頼する郭泰をみて、自分の頭巾の角を折り曲げて被ったのです。
ここから「自分で角を折ること」として「折角」という言葉が使われ始めました。
「折角」の使い方や注意点
「折角」の使い方や注意点を紹介します。
- 「わざわざ」との違い
「わざわざ」との違い
「折角」と意味が似ている言葉に「わざわざ」があります。
「わざわざ」の意味は「その機会の為に行動をおこすこと」「する必要がないことをあえてすること」の2つです。
「折角」が「苦労をして現在に至ること」「今でにないチャンスを手に入れたこと」という意味なのに対して、「わざわざ」は「敢えてそれをすること」という意味が強くなります。
「折角」の場合、その後に続くことが大切であったりその人にとって価値があるのに対して、「わざわざ」の場合は「取って付けた様なもの」という意味で使われることがあります。
例えば「折角ですからお言葉に甘えさせて頂きます」では「わざわざ」は使えません。
「わざわざ連絡してくれなくても」という時には「折角」は使えないのです。
この2つの言葉は状況によっては言い換えができないものであることを覚えておきましょう。
「折角」を使った言葉と意味を解釈
「折角」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「折角のご案内ですが」【せっかくのごあんないですが】
- 「折角なら」【せっかくなら】
「折角のご案内ですが」【せっかくのごあんないですが】
相手から何らかの招待やお誘いを受けたけれども自分の気持ちが乗らない、内容に魅力を感じない、或いは都合が悪いなどしてお断りする時に使います。
「折角」を付けることで相手を気遣う気持ちを含んでいます。
「折角なら」【せっかくなら】
時間を作って努力をして今の状態になったのですから、それを生かして他のことにつなげようとする時に使われます。
「折角ならもっと先まで行ってみよう」「折角ならやってみた方がいいんじゃない」など、その先にことに価値を持たせる表現です。
「折角」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「折角」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「折角」を使った例文1
- 「折角」を使った例文2
- 「折角」を使った例文3
「折角」を使った例文1
「折角資格を取得したのだから、転職に是非役立てるべきだ」
苦労をして勉強して資格を取得したのですから、転職の際に資格が生かせる仕事をした方がいいとアドバイスしている言葉です。
相手がどうしようか迷っている時に「是非こうした方がいい、何故なら」と強調する為に「折角」を使っています。
「折角」を使った例文2
「折角の連休だからやりたいことをやろう」
この人は仕事が忙しくてまとまった休暇が取れない状態だと思われます。
仕事が一段落したなどまたとないチャンスで連休が取れたことで、人に合わせるよりも趣味や旅行など自分がやりたいことを優先させようと思っているのです。
「折角」を使った例文3
「折角のお誘いなのに行けなくて申し訳ありません」
相手が色々と予定を立てて誘ってくれたのに、事情があってお断りをする時の言葉です。
例え一方的に断わるにしても、相手を立てる為に「折角」という言葉を使っています。
相手もただ断られるよりも「申し訳ない」という気持ちが伝わるので気を悪くせずに済みます。
「折角」の類語や類義語など
「折角」の類語は、その時の意味により変わってきます。
- 「はるばる」【はるばる】
- 「この機会に」【このきかいに】
- 「ご親切に」【ごしんせつに】
「はるばる」【はるばる】
「遠く離れた場所に移動すること」「程度が甚だしいこと」という意味です。
こちらは「折角」の「様々な苦労をして現在に至っていること」の類語になります。
「はるばる来たのだから、一泊して行こう」などと言います。
「この機会に」【このきかいに】
「今回の機会を生かして」という意味です。
こちらは「折角」の「滅多にないチャンスに恵まれたこと」の類語になります。
「この機会にダイエットを始めよう」などと言います。
「ご親切に」【ごしんせつに】
「相手の好意に対して感謝の意を示す言葉」です。
こちらは「折角」の「努力や期待に応えられなくて残念に思うこと」の類語になります。
「ご親切にアドバイスして頂きましたが、結局あきらめることにしました」等と言います。
ビジネスシーンで使える「折角」
ビジネスシーンで「折角」を使うシーンについて紹介します。
- 断る場合の使い方
- お詫びをする場合の使い方
断る場合の使い方
「折角」は、相手からの申し出や誘いなどを断る言葉として使えます。
相手を思いやる気持ちが含まれているので、ビジネスの関係を悪くするのを防ぎます。
基本的には「折角の〇〇ですが」と、逆説の文章が続きます。
例文としては「折角のオファーですが、残念ながら弊社では受けかねます、申し訳ございません」となります。
これは、他社からビジネスの話があったのですが、検討した結果メリットがない、技術が伴わないなど様々な理由で断ることになった時に使われます。
最後に丁寧にお詫びする言葉を忘れない様にしましょう。
お詫びをする場合の使い方
「折角」は、相手に対して謝罪をする時にも使えます。
相手に何らかの苦労や手間をかけさせてしまった時に、ただ謝るだけではなく相手の努力に対して申し訳ないと思う気持ちを強調します。
「折角お時間を割いて頂きながら、良い結論が出せずに申し訳ございません」となります。
こちらは、相手と何らかのビジネスの計画があり、連絡を取り合ったり会議の場を設けるなどして時間をかけて話し合ったのだけれども、双方の条件の折り合いがつかずに物別れに終わってしまったことを意味します。
遠まわしですが相手の会社とは取引をしないという結論が出たことを表しています。
「折角」の英語と解釈
「折角」に対応する英語訳はなく、その時の意味に応じた表現になります。
最も代表的な表現を紹介します。
“Since we are here in Karaoke, you might as well sing.”
「折角みんなでカラオケに来たのだから、あなたも歌おうよ」となります。
ものごとを断る場合には以下の様になります。
“Unfortunately I won't be able to come to the party.”
「折角ですが、私はそのパーティには参加できません」となります。
「折角」には様々な意味があり、その時のシーンにより使い方が違ってきます。
普段自然に使い分けていることが多いのですが、使い方を間違えない為にもそれぞれの意味について確認しておきましょう。