「家人」とは?使い方や例文!差別用語?
日本語には色々な言葉がありますが、言葉を構成する漢字が簡単なものでも、その意味をどのように解釈すればいいのか、難しいことがないでしょうか?
例えば「家人」という言葉がありますが、この言葉の意味を尋ねてみると、「家の人のこと?」と答えたり、「家来という意味じゃない?」と困惑したように返してくるかもしれません。
そこでここでは、この「家人」について説明していくことにします。
目次
- 「家人」とは?意味や読み方
- 一般用語の「(かじん)家人」について詳しく解釈
- 「一般用語の「かじん)家人」の類語や言い換え
- 「一般用語の「かじん)家人」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「家人(けじん)」を使った言葉を解釈
「家人」とは?意味や読み方
「家人」という言葉を使っている人を見かけたり、聞く機会がほとんどないと言ってもいいくらいに珍しい言葉ではないかと思います。
「家人」はどのような読み方になるか調べて見ると、「かじん」、「けじん」という2種類の読み方があることが分かりました。
「いえびと」と読めなくはないのですが、この言葉のオーソドックスな読み方は「かじん」、「けじん」となり読み方によって異なる意味合いになってきます。
- 「家人(かじん)」
- 「家人(けじん)」
「家人(かじん)」
「家人」=「かじん」では、「家族の中で、一家の主(あるじ)、つまり主人以外の人、あるいは家の者」という意味になってくるのですが、妻が、夫のことを「家人(かじん)」と称する場合に使うことが多い言葉です。
「家人(けじん)」
「家人(けじん)」となると、「古代の奴隷や家来」という意味になるのですが、日本の歴史の中で、「身分の高い人の家臣や従者」のことを指していました。
しかし、意味合いは、古代と中世では意味合いが異なってきますが、古代においては律令における賤民のことを言っており、当時の身分制度によって、良民・賤民(せんみん)の2階層に別れ、さらに賤民は細かく5段階に分かれていました。
その中に家人(けじん)の位置があったのです。
それが中世(平安時代)に移ってくるとその中期以降、貴族に仕える家臣や従者のことを「家人」と呼ぶようになったとされています。
一般用語の「(かじん)家人」について詳しく解釈
では、ここで「家人(かじん)」という発音で使う時のことについて触れて行きたいと思います。
- 妻が夫を「家人」と言っていいか?
- 「かじん」=「家人」を使う時の注意点
妻が夫を「家人」と言っていいか?
「家人」を「かじん」として使うのは、「家の主人以外の家の人」ですが、家族の誰に対しても使うことができると思われます。
特に 妻が夫のことを「家人」と呼ぶのは昔の時代であれば、妻が夫を敬わなければならなった慣習から、使うことができなかったのでしょうが、今では、男女平等が当たり前に時代なので、問題はないでしょう。
「かじん」=「家人」を使う時の注意点
では、「家人」を「かじん」として使う時に注意することが、何かあるでしょうか?
それは、「かじん」という意味で使うべき時に「けじん」と発音してしまうことでしょう。
本来「家人(かじん)」=「家の人」という意味なのに、「家の人」=「けじん」と誤った発音をしてしまうことで、「家の人」=「奴隷」と変な解釈になってしまうからです。
笑うに笑えないブラックジョークになりかねない誤用となってしまいそうなので、よく注意して使い分けることが必要でしょう。
「一般用語の「かじん)家人」の類語や言い換え
では、「一般用語の「かじん)家人」としての類義語としては、どのような言葉で置き換えることができるでしょうか?
- 「家族」
- 「世帯」
- 「ファミリー」
「家族」
最もポピュラーな表現としては、「家族」が一番身近で平易な言葉で、「同じ家に住み生活を共にする配偶者や血縁の人々」のことを指しています。
「家族」の意味を改めて考える機会がそんなに多くはないかもしれないので、ここで正しく理解しておきたい言葉です。
「世帯」
「世帯」という言い回しもあり、「一戸を構えて営む独立の生計」や「その生計を共にする生活体」のことで、「夫婦とその家族(子供)で成り立っている形」とも言えるでしょう。
「とうとう、俺も世帯を持つようになった」などのような言い方をすることがあるので、聞いたことがあるのではないでしょうか?
「ファミリー」
「ファミリー」も類語語ですが、「家族」の英語の“family”であることは言う間でもありません。
「一般用語の「かじん)家人」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここで「一般用語の「かじん)家人」としての例文も併せて見て行きたいと思います。
- 「一般用語の「かじん)家人」を使った例文1
- 「一般用語の「かじん)家人」を使った例文2
- 「一般用語の「かじん)家人」を使った例文3
「一般用語の「かじん)家人」を使った例文1
「自分をこんなに困らせる家人は、本当の家族だろうか?」
例え「家人」=「家族」であっても、あまりにもわがままばかり押し通す「家人」だったなら、その人は本当に家族とみなされないかもしれません。
「一般用語の「かじん)家人」を使った例文2
「我が家は家人が多いので、食事の準備が大変です」
現代のファミリーは少子化の傾向を強く大家族が少なくなっています。
しかし、昔のように多くの「家人」を養っている家庭もあるでしょうが、食事の準備も後片付けもすごく大変でしょう。
「一般用語の「かじん)家人」を使った例文3
「ペット犬のジョイナスも私達と10数年連れ添った大事な家人なのです」ペットも今では家族以上の家族、すなわち大切な「家人」の1人(犬)なのです。
「家人(けじん)」を使った言葉を解釈
ここでは、「家人(けじん)」を使った言葉を解釈していきます。
- 「御家人」とは?
- 家人(けじん)と家来の違いはある?
「御家人」とは?
「御家人」という言葉は日本の歴史の授業で学んだ言葉ですが、家人(けじん)の敬称のことで、鎌倉・室町時代出てきた言葉で、その頃は「将軍と主従関係で結ばれた武士」を指しており、江戸時代になると「将軍直属の下級武士」を指すようになりました。
武家の棟梁将軍の家人の身分を示す言葉ですが、中世と近世では意味合いが異なっていたのです。
「御家人」は、鎌倉時代の「御恩」と「奉公」が有名で、御家人が鎌倉殿から受ける恩恵の「御恩」と御家人は御恩の見返りとしての「奉公」のことを日本史の授業で学んだことを思い出す人もいることでしょう。
家人(けじん)と家来の違いはある?
「家来」は主人との間で雇用関係がありますが、がありますが、「家人」は主人とは忠義で結ばれた強い関係があります。
「かじん」、「けじん」と2つの読み方ができる「家人」は、発音によって全く異なる解釈ができる言葉ですが、正しく理解しないと、とんでもない誤解を生んでしまう可能性があるので、正しい使い方を理解することが、とても大切です。