「洗礼を浴びる」とは?間違い・あながち間違いではない?言い換えや「洗礼」の意味も詳しく解釈!
この「洗礼を浴びる」という表現は、キリスト教で昔から使われている「洗礼」の意味から転じた解釈によって作られた言葉です。
目次
- 「洗礼を浴びる」とは?
- 「洗礼を浴びる」は間違い?適した言い換え表現とは?
- 「洗礼を浴びる」は慣用句?使ってもそれほど問題はない?
- そもそも「洗礼」とは?詳しく解説
「洗礼を浴びる」とは?
「洗礼を浴びる」とは、「今までにしたことがない経験をさせられる」と解釈できる表現です。
一般的に使われている「洗礼」(せんれい)の意味は、「新しい経験」のことだと考えていいでしょう。
ただし、いい意味で使うことはまずなく、ほとんどの場合で「初めて悪い意味で体験したこと(つまりは経験)」という解釈で使います。
「洗礼を浴びる」は間違い?適した言い換え表現とは?
「洗礼」は、元の意味(キリスト教用語としての解釈、後述します)から、「浴びる」と使うことも多い言葉ですが、あまり好ましい使い方ではありません。
できれば、以下のように言い換えた方がいいでしょう。
- 「洗礼を受ける」
- 「洗礼を食らう」
「洗礼を受ける」
「洗礼」が体験することなので、「受ける」とする方が日本語としてスムーズです。
例えば、スポーツでプロに入ったばかりの選手が「プロの洗礼を受けた」と使われることがあります。
この場合、それまでの環境とはレベルが違うと体験させられたという意味だと考えていいでしょう。
「洗礼を食らう」
この「食らう」という使い方も見聞きしますが、少々乱暴な表現になる為、上の「受ける」の方が一般的です。
スポーツ関連の記事中で、「プロの洗礼を食らった」のような使い方が見られますが、その対象が新人選手などだからこそ許されている(乱暴な表現でも)と解釈してください。
「洗礼を浴びる」は慣用句?使ってもそれほど問題はない?
「洗礼を浴びる」は、あまり好ましい使い方ではないながら、この形で1つの慣用句として考えられている節があります。
その為、「受ける」や「食らう」の方が適しているながら、「浴びる」と使っても間違いとは言えません(意味は全て同じです)。
- 野球の記事のキャッチなどに「洗礼を浴びる」はよく使われる
野球の記事のキャッチなどに「洗礼を浴びる」はよく使われる
スポーツの中でも特に野球では、前述した「プロの洗礼を浴びる」といった表現が使われます。
例として、○○というドラフト1位で即戦力だと期待された投手が、初登板ですぐにノックアウトされてしまったような時に、「○○、初登板でプロの洗礼を浴びる」などのキャッチとして使われます。
そもそも「洗礼」とは?詳しく解説
キリスト教における「洗礼」とは、同教徒となる為の儀式です。
教派によっても異なりますが、聖職者(神父、または牧師)の前で祈りと共に身を水に浸し、同教徒になる告白が行われます。
この儀式は「バプテスマ」とも呼ばれ、これによってキリスト教徒として正式に認められます(教派によっては、「洗礼証明書」という正式な書類の発行を受けることができます)。
この「洗礼」を受けた者が、「キリスト者(クリスチャン)」と呼ばれることになる訳です。
儀式中の身を水に浸すという行為から、一般の言葉として「浴びる」という表現が使われるのだと考えられています。
洗礼を浴びるは、誤用ではないながら、あまり使われない表現です。
「洗礼を受ける」と言い換えて使う方が好ましいと覚えておきましょう。