「万全の態勢」とは?意味と語源!ビジネスでの使い方
皆さんは「万全の態勢」という言葉をご存知でしょうか?
この言葉は色々な状況の中で、しっかりとした構えで臨むのような時に、耳にする言葉かもしれません。
しかし、具体的にどのような意味があり、どんな場面で使うことができるか、今一つ、キチンと理解できていない人もいることでしょう。
そこでここでは、この「万全の態勢」について、説明をしていくことにします。
目次
- 「万全の態勢」とは?
- 「万全の態勢」使い分け
- 「万全の態勢」を使った言葉と意味を解釈
- 「万全の態勢」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「万全の態勢」の類語や類義語・言い換え
- 「万全の態勢で臨む」の英語と解釈
「万全の態勢」とは?
「万全の態勢」という言葉は「予定している計画や作業などを行うことに伴い、細かな部分に渡って、できる限りの準備や対策などを講じて抜かりがないようにすること」を意味しています。
ビジネスの世界でも、物事を円滑に進めていくためには、考えうることを全て列挙して、想定される課題や問題に対する策を考えることが常道ですが、そのような時も「万全の態勢」が使われることになるでしょう。
- 「万全の態勢」の読み方
「万全の態勢」の読み方
「万全の態勢」は、「ばんぜんのたいせい」という読み方をしますが、特に社会人で仕事をしている人ならば、この表現はよく聞くことがありますので、どのように読むか困惑することはないと思います。
「万全の態勢」使い分け
「万全の態勢」は「あらゆる準備や対策などを講じて抜かりがないようにすること」という意味がありますが、「態勢」と同じ発音をする言葉に「体勢」、「体制」があり、「万全の」+「たいせい」の慣用句で使われています。
ここでは、それぞれの使い分けについて見て行くことにします。
- 「万全の体勢」との使い分け
- 「万全の体制」との使い分け
「万全の体勢」との使い分け
「体勢」とは「体の構え・姿勢」という意味があり、「態勢」は「身構え・対応」という意味合いがあります。
このことから「万全の体勢」は、「抜かりのない姿勢で事に当たる」という意味で解釈することができるでしょう。
言い換えると、「ベストコンディションで臨む」という言い方もできるかもしれまません。
「万全の体制」との使い分け
「たいせい」には、前項目の「体勢」の他に「体制」という表記もあります。
「態勢」と比較した場合、「態勢」は「一時的、短期的なもの」を指していることが多く、一方の「体制」は「恒久的、長期的なもの」という解釈があります。
したがって「万全の体制」とは、「長期的な視野に立って、抜かりのない準備をする」ということになり、「組織的な仕組みを整える」という理解もできると思います。
「万全の態勢」を使った言葉と意味を解釈
ここでは、「万全の態勢」を使った言葉の意味を解釈していくことにします。
- 「万全の態勢を整える」
- 「万全の態勢で臨む」
「万全の態勢を整える」
「万全の態勢を整える」とは、「物事を行うにあたって、全ての面において準備をしっかりと行うこと」という意味合いがある表現です。
「整える」は「整理する」という意味で、「乱雑になっている状態から、整列された状態に持っていくこと」を言っていますが、物事の準備をする際も抜かりのない態勢を作る場合に使われることになるでしょう。
「万全の態勢で臨む」
「臨む」とは「ある所や事に向かう」、あるいは「それを目の前にする」という意味があり、「万全の態勢で臨む」となると、「しっかりとした準備をして事にあたる」という解釈ができます。
私達が仕事をする際に考えなければならないことは、いかに無駄な作業を省いて限られたリソースと時間の中で、完了させるかということです。
このようなことを現実のものとするためには、「万全の体制で臨む」ことが重要なのです。
「万全の態勢」を使った例文や短文など(意味を解釈)
では、ここで「万全の態勢」を使った例文を見て、活用法を学んでいきたいと思います。
- 「万全の態勢」を使った例文1
- 「万全の態勢」を使った例文2
- 「万全の態勢」を使った例文3
「万全の態勢」を使った例文1
「我が社では、不測の事態が起ったしても、すぐにシステムが再稼働できるように万全の態勢を取っています」現在の企業では、災害や事故に備えて、BCP対策が求められいます。
想定外のことが起こることは、決して非現実的なことではありませんので、万が一のことが起こっても、「万全の態勢」を取ることが必須です。
企業では、業務システムが停止してしまうことは、企業の生命線を断つことになるので、すぐに復旧することが大前提です。
「万全の態勢」を使った例文2
「今回のイベントでは、景品もしっかり準備して万全の態勢で臨むことにしています」これも「万全の態勢」の典型的な活用法でしょう。
企業では年に数回のイベントで大きなビジネスチャンスを発掘する所もありますので、景品も不足しないように準備して、多くの顧客獲得を目指しています。
「万全の態勢」を使った例文3
「できるだめ多くの情報を収集して万全の態勢を整えてから、次の試合に臨むことにした」このようなことは、どのような場面でも求められることです。
ここではスポーツの試合で必勝することを前提に「万全の態勢」を使っていますが、ビジネスのシーンでも必ず出て来る表現です。
「万全の態勢」の類語や類義語・言い換え
「万全の態勢」は他に似ている言葉に、どのような類義語があるにでしょうか?
- 「万事抜かりなく」
- 「準備万端」
「万事抜かりなく」
「万事抜かりなく」という言い回しが「万全の態勢」の類義語として挙げることができますが、「万事」とは「全てのこと」という意味があり、「万事抜かりなく」となると、「全てのことについて、抜け漏れがないようにすること」という理解ができます。
「準備万端」
「準備万端」とは、「どのような事態になっても対応できるように十分な準備をする」ということになります。
「諸々の準備」や、「準備全て」といったことで、これから大きなことに取り組む前に、この言葉が出てきます。
「万全の態勢で臨む」の英語と解釈
「万全の態勢で臨む」を英語で表現すると、“face in the attitude of thorough”という文章で訳すことができますが、直訳すると「徹底的な態度で臨む」ということになります。
「万全の態勢」という言葉は、意外と身近な所で使われているのですが、私達が何かに取り組もうとする時に、そのことを絶対に成功させるという気持ちが強ければ、意識せずとも「万全の態勢」になるのではないでしょうか?