「下記に記す」とは?重言で間違い?意味と使い方や言い換え!
日本語には、重複表現(重言)と呼ばれる表記が少なくありません。
この「下記に記す」もその中の1つです。
目次
- 「下記に記す」とは?
- 重複表現は間違いでもない?
- 重複表現は気にする人も多い!「下記に」を使った言い換え
- 「下記に記す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「下記に記す」の「記す」を残した言い換え
「下記に記す」とは?
「下記に記す」は、「下に書いておく」と言い換えることができます。
「詳しくは下記に記す」などという使い方をよく見掛けますが、先に挙げた重複表現と呼ばれる使い方になるので、正確に言えば、間違った使い方です。
この重複表現とは、「馬から落馬する」といったような、付ける必要のない言葉が付いている表記のことです。
「落馬」自体が馬から落ちるという意味の言葉なので、「馬から」は不要です。
これと同じく、「下記に記す」も「記」が重複してしまっており、正確に表現するなら、どちらかの「記」を使わずに表記しないといけません。
- 「下記に記す」の読み方
「下記に記す」の読み方
「下記に記す」は、「かきにしるす」と読んでください。
読み方(発音)だけでは重複表現だと分からないかも知れませんが、漢字で表現すると、何かおかしいと気付くでしょう。
「かきにきす」とも読めますが、「記す」は「しるす」と読むのが一般的です。
このような重複表現は、日本語して間違いになりますが、実際に記載しないと意外にそれに気付かないことも少なくありません。
重複表現は間違いでもない?
重複表現について少し説明すると、先の「馬から落馬する」は、「馬から」が余計です。
この「下記に記す」も「記」が二重に使われていることから、同じ漢字を使う時には注意しないといけないと考えてしまいがちですが、それ以外でも、意味が重複していると重複表現になってしまいます。
例えば、「ダントツの1位」がいい例です。
「ダントツ」とは、「断然のトップ」を略した言葉なので、「1位」という意味が含まれています。
その為、「ダントツの1位」は重複表現で、おかしい使い方になります。
ですが、実際には「誰々はダントツだった」という使い方より、「誰々はダントツの1位だった」の方をよく見聞きするでしょう。
このような、「市民権を得ている」とも言える重複表現も数多く、日本語として間違っていることは確かですが、実用上ではあながち間違いとも言えない場合もあります。
この「下記に記す」も、その1つだと言えるでしょう。
重複表現は気にする人も多い!「下記に」を使った言い換え
「下記に記す」を重複表現以外の形で表記してみます。
できれば、これらに言い換えた方がいいでしょう。
- 「下記に示す」【かきにしめす】
- 「下記の通り」【かきのとおり】
- 「下記を参照」【かきをさんしょう】
「下記に示す」【かきにしめす】
「下記に記す」の重複表現を解消するなら、このようにするのが一番です。
ビジネス文章でもよく見掛ける形で、何かを下に書いておくと表現したい場合には、こう使っておけば間違いはありません。
「下記の通り」【かきのとおり】
こちらも、「下記に記す」と置き換えることができる表現です。
同じくビジネス文章にも使うことができますが、少々ぞんざいな表現になるので、公式な文章ではあまり見掛けません。
「下記を参照」【かきをさんしょう】
「下記を参照のこと」などの形で使うことが多い表現です。
いずれも、「下記」した内容を見る(見ておく)ように言いたいのだと解釈できます。
「下記に記す」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「下記に記す」を使った例文や短文です。
間違いではありますが、意味は充分に伝わるでしょう。
- 「下記に記す」を使った例文1
- 「下記に記す」を使った例文2
「下記に記す」を使った例文1
「それについては下記に記す」
何かの説明の中で、それについての詳しいことを下に書いておくという意味で使っています。
一番多く見掛ける使い方ですが、重複表現だと分かりやすい例でもあります。
「下記に記す」を使った例文2
「下記に記す内容を充分に踏まえた上で検討したい」
この場合、「下記に記す」とするより、「下記の」だけの方が重複表現でなくなると同時に、日本語としてスムーズです。
そのように、この方がスムーズだと思った表現に置き換えることで、重複表現を回避できる場合も多いです。
「下記に記す」の「記す」を残した言い換え
「下記に記す」の言い換え表現ですが、「下記」の方ではなく、「記す」を残した形です。
意味としては同じなので、先に挙げた3つと共に覚えておきましょう。
- 「下に記す」【したにしるす】
- 「以下に記す」【いかにしるす】
- 「後に記す」【あとにしるす】
「下に記す」【したにしるす】
重複していた「記」を1つ取った形です。
見た目にも重複表現ではないことが分かり、一番簡単な訂正の仕方です。
「以下に記す」【いかにしるす】
上の「下に記す」とほとんど変わりませんが、こちらの方がビジネスで使う場合には向いています。
この表現以外でも、ビジネス文章では「下」は「以下」とした方が締まって見えます。
「後に記す」【あとにしるす】
「下」を使わずに、「後」としています。
文章において、「下」はそれより「後」のことなので、こちらでも充分に意味が通る表現です。
「下記に記す」のような重複表現は、使わないに越したことはありません。
ですが、実際には正しい表現よりよく見聞きするものも少なくなく、その全てを間違いだと言い切ってしまうこともできないのが難しいところです。