「たってのお願い」とは?意味と使い方
「たってのお願い」とは、「無理を承知の上で強く要求するお願い」です。
「たってのお願い」の「意味・漢字の解釈・使い方・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・英語と解釈」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「たってのお願い」について
- 「たって」の漢字
- 「たってのお願い」の言葉の使い方
- 「たってのお願い」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「たってのお願い」の類語や類義語・言い換え
- 「たっての頼みで」の英語と解釈
「たってのお願い」について
「たってのお願い」というのは、話し言葉でも書き言葉でも使うことができる言い回しで、相手に対して「どうしても(是非とも)お願いしたいことがある時」に使われる言葉です。
「たってのお願い」には、「どうしても聞いてもらいたいお願い」や「何とかして受け入れてもらいたい要望・希望」といったニュアンスがあります。
- 「たってのお願い」の意味
「たってのお願い」の意味
「たってのお願い」の意味は、「無理を承知で強く要求するお願い」や「どうあっても聞き入れてもらいたいと強く希求するお願い」になります。
「たってのお願い」というのは、「無理やりにでも受け入れてもらいたいという強い要求・希求の込められている願い事」のことであり、「たってのお願いだが、彼女にだけは病気のことを黙っていてほしい」などの文章でその意味が示されます。
「たって」の漢字
「たってのお願い」の「たって」に当てられる漢字の意味や用法を解釈していきます。
- 「達て」の解釈
- 「断って」の解釈
- 「強って」の解釈
「達て」の解釈
「達て(たって)」というのは、「たってのお願い」の言葉の漢字表記で、もっとも良く使われる漢字になります。
「達て(たって)」は「断って」の当て字として解釈されていますが、「達て」には「無理を承知の上で強く要求したり希望したりする様子」の意味合いがあります。
「達て」は、「そこをどうにか・是非とも・何とかして・無理を承知で」などの「要求する気持ちの強さ」を表す言葉なのです。
「断って」の解釈
「断って(たって)」という漢字表記が「たってのお願い」の元々の正しい漢字でしたが、「理を断って(りをたって)」という言葉に由来しています。
「理を断って」というのは、「理屈(正しい筋道)を断ち切って無理矢理にでも、どうにかして」ということを意味しています。
「断って」というのは、「どうしても実現しようとして、無理やりにでも強く要望したり希求したりするさま」を意味する言葉になっています。
「強って」の解釈
「強って(たって)」という言葉も「達て」と同様に、元々は「断って(理を断って)」の当て字でしたが、現在の漢字の字義からすると、「たってのお願い」の意味(強いてお願いすることの意味)が一番分かりやすくなっています。
「強って」は「強いてでも・無理にでも・そこを何とかして」ということを意味していて、「無理だと分かっていても、強いてでもお願いすること」を示しているのです。
「たってのお願い」の言葉の使い方
「たってのお願い」の言葉の使い方は、「相手がなかなか受け入れにくいことでも、無理を承知の上でお願いしたい時」や「強い調子で要求したり希望したりする場合」に使うという使い方になります。
例えば、「たってのお願いですが、現在の経営危機を立て直すまで資金面で支援して頂けませんか」などの文章で使うことができます。
- 「たっての所望」との使い分け
- 「たっての要望」との使い分け
「たっての所望」との使い分け
「たっての所望」という言葉の意味は、「無理を承知でどうしても手に入れたいもの、是非ともやってもらいたいこと」になります。
「たっての所望」は、「たってのお願い」「たっての要望」と比較すると、「ピンポイントで欲しいもの・してもらいたいこと」だけを意味しているという違いがあります。
例えば、「たっての所望だったアンティークの高級時計をプレゼントして頂いた」などの文章で使えます。
「たっての要望」との使い分け
「たっての要望」という言葉は、「どうにかして聞き入れてもらいたい要求・希望」や「相手にしてもらいたい具体的な対応への要求・希望」を意味しています。
「たっての要望」は、「たってのお願い」「たっての所望」と比較すると、「自分がしてもらいたいことに対する手間のかかる手段・方法までも含めた要求」を意味しているという違いがあります。
特に、ピンポイントで欲しいものやしてもらいたいことの結果だけを求める「たっての所望」よりも、「たっての要望」は手間のかかる手段や具体的な方法(対応)までも求めているのです。
「たってのお願い」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「たってのお願い」を使った例文や短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「たってのお願い」を使った例文1
- 「たってのお願い」を使った例文2
- 「たってのお願い」を使った例文3
「たってのお願い」を使った例文1
「たってのお願いですが、私が制作したアクセサリーをお店に置いて頂けないでしょうか?」
この「たってのお願い」を使った例文は、「無理を承知の上でお願いですが、私が制作したアクセサリーをお店に置いて頂けないでしょうか?」という営業のお願い事を意味しています。
「たってのお願い」を使った例文2
「彼女のたってのお願いだったので、私は無下に断ることもできませんでした」
この「たってのお願い」を使った例文は、「どうしてもと懸命に頼み込んでくる彼女のお願いだったので、私はきっぱりと断ることもできなかった」ということを意味しています。
「たってのお願い」を使った例文3
「生前に祖父のたってのお願いを聞いて上げられなかったのが心残りです」
この「たってのお願い」を使った例文は、「生前に祖父のどうしても叶えてほしいと言っていたお願いを、聞いて上げられなかったのが心残りである」ということを意味しています。
「たってのお願い」の類語や類義語・言い換え
「たってのお願い」の類語・類義語・言い換えについて、分かりやすく解説します。
- 「痛切な願い」
- 「渇望」
「痛切な願い」
「たってのお願い」の類語・言い換えとして、「痛切な願い」があります。
「痛切な願い」というのは、「心からその物事が実現することを強く希望している願い」を意味しています。
「痛切な願い」という言葉は、「その願望を強く身にしみて感じていること」を前提にして、どうしてもその物事が実現してほしいと切実に思っている願い。
「切望」を意味しているのです。
無理を承知で強く求める「たってのお願い」に似た意味を持つ類語として、「痛切な願い」を指摘できます。
「渇望」
「たってのお願い」の類義語・言い換えとして、「渇望(かつぼう)」があります。
「渇望」の言葉の意味は、「のどがカラカラに渇いた時に水を強く欲するように、非常に強く望むこと。
「熱望・切望」になります。
どうしてもしてほしいと求める「たってのお願い」は、「渇望」という言葉で言い換えることができます。
「たっての頼みで」の英語と解釈
「たっての頼みで」という言葉は、“at someone's urgent(earnest) request”や“at someone's particularly wish”の英語で表現することができます。
“at someone's urgent(earnest) request”は、「その人の差し迫った要求で・その人の熱狂的な要求で」を意味しています。
“at someone's particularly wish”は、「その人の特別な望みで」を示す文章になります。
- “We went on a trip to Hawaii at her urgent(earnest) request.”
“We went on a trip to Hawaii at her urgent(earnest) request.”
この「たっての頼みで」を使った英語の例文は、「彼女のたっての頼みで、私たちはハワイ旅行に行きました」を意味しています。
「たってのお願い」という言葉について徹底的に解説しましたが、「たってのお願い」には「無理を承知で、どうしてもと強く求めるお願い」などの意味があります。
「たってのお願い」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「痛切な願い」「渇望」などがあります。
「たってのお願い」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。