「眇める」とは?意味と類語!例文と使い方!
「眇める」とは、「片目を細くして見ること・片目を細めること」を意味する言葉です。
「眇める」の「意味・読み方・使い方・眇めるを使った言葉の意味・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「眇める」とは?
- 「眇める」は両目を細めるの意味で使える?表現方法
- 「眇める」を使った言葉と意味を解釈
- 「眇める」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「眇める」の類語や類義語・言い換え
- 「片目を眇める」は意味が重複している?
「眇める」とは?
「眇める」の言葉の意味は、「片目を細くして見ること」や「片目に力を入れて細めること」になります。
「眇める」というのは、「対象物をよく見るために、片目に力を入れて細めること。
片目を細くして見ること」を意味する言葉なのです。
「眇める」の「眇(すがめ)」という漢字の原義には、元々、「片目・斜視(しゃし)」などの意味合いがあり、「片方の目が細いこと」や「片目がつぶれているさま・独眼(どくがん)」を意味しています。
また、「眇(すがめ)」には、「瞳を片方に寄せて横目・流し目で対象を見ること」の意味もあります。
- 「眇める」の読み方
- 「眇める」の使い方
「眇める」の読み方
「眇める」の読み方は、「すがめる」になります。
「眇める」の使い方
「眇める」の使い方は、まぶしい場合や対象物を良く見るために、「片目を細める時・片目を細くして対象を見る時」に使うという使い方になります。
例えば、「直射日光を受けて、あまりのまぶしさに彼女は目を眇めていました」や「眇めるようにしてこちらの様子を伺っている怪しい雰囲気の男が目に入りました」などの文章で、「眇める」という言葉を正しく使用することができるのです。
「眇める」は両目を細めるの意味で使える?表現方法
「眇める」は両目を細めるという意味では、使うことができません。
その理由は、「眇める」の漢字の「眇(すがめ・びょう)」に「片目・独眼・片目がつぶれている」の原義が備わっているからで、「眇」という漢字に「両目を細める」という意味合いが元々ないからです。
「眇める」という言葉は国語辞典にも「片目を細めること」と意味が紹介されているように、「両目を細めるの意味」では使用することができないのです。
両目を細めるの意味を表現したい時には、ストレートに「両目を細めて見ている・両目を薄く開いている」などの文章で表現することになります。
「眇める」を使った言葉と意味を解釈
「眇める」を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「目を眇める」
- 「目を眇めて、ねらいをつける」
- 「矯めつ眇めつ」
「目を眇める」
「目を眇める」というのは、「片目を細くすること」や「片目を細くして対象物をよく見ること」を意味している言葉です。
まぶしさなど光量の強さが影響して、片目を細くすることもあれば、視力が不足していて対象物をしっかりと見るため、片目を細くして人・物をよく見ることもあります。
例えば、「ちょうど直射日光が当たる席に座っていたため、彼女は目を眇める仕草をしきりにしていました」や「少年のことが気になるのか、その男は目を眇めるようにして少年のいる方角を見つめていました」などの文章で使うことができます。
「目を眇めて、ねらいをつける」
「目を眇めて、ねらいをつける」という言葉の意味は、「片目を細くして焦点を合わせながら、対象物(目標物)に対してねらいを定めること」になります。
自分が興味関心を覚えて狙いを定めたい人物・モノがある場合などに、「目を眇めて、ねらいをつける」という言葉を使うことがあります。
例えば、「目を眇めて、ねらいをつけなければ、遠方にいる獲物を仕留めることはできません」や「長い間ずっと欲しかったブランドのコートが売りに出ていたので、目を眇めてねらいをつけました」などの文章において、この言葉を使うことができます。
「矯めつ眇めつ」
「矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)」という言葉の意味は、「いろいろな角度や視点からよく見る様子」になります。
「矯めつ眇めつ」というのは、「矯める(ためる)・矯む(たむ)」と「眇める(すがめる)・眇む(すがむ)」を組み合わせて作られた慣用句です。
「矯める・矯む」の言葉の意味は、「ねらいをつけてじっと見ること、しっかり見ること」になります。
「眇める・眇む」の言葉の意味は、「片目を細めてよく見ること」になります。
それらの意味の組み合わせから、「矯めつ眇めつ」は「いろいろな角度・観点からよく見ること」を意味するようになったのです。
例えば、「矯めつ眇めつ、お気に入りの高級時計を眺めていました」などの文章で使用することができます。
「眇める」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「眇める」を使った例文や短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「眇める」を使った例文1
- 「眇める」を使った例文2
- 「眇める」を使った例文3
- 「眇める」を使った例文4
「眇める」を使った例文1
「夏の目もくらむような強い日差しを浴びて、たまらずに目を眇めてしまいました」
この「眇める」を使った例文は、「夏の目もくらむような強い日差しを浴びて、我慢することができずに、片目を細くしてしまいました」ということを意味しています。
この例文の「眇める」の言葉は、「(耐えられないほどのまぶしい日光に対して)光量を調節するために、片目を細くしたこと」を意味しているのです。
「眇める」を使った例文2
「このあたりでは見かけることのない美人が通り過ぎたので、男たちはみんな目を眇めるようにして女の後ろ姿を目で追いかけていました」
この「眇める」を使った例文は、「このあたりでは見かけることのない美人が通り過ぎたので、男たちはみんな瞳を片方に寄せて流し目(横目)で、女の後ろ姿を目で追いかけていた」ということを意味しています。
この例文の「眇める」の言葉は、「目の瞳を片方だけに寄せて、横目・流し目で美しい女の姿を盗み見ていること」を意味しているのです。
「眇める」を使った例文3
「狩猟を生業(なりわい)とするハンターたちは、獲物となるイノシシ・鹿に対して目を眇めてしっかりと狙いを定めていました」
この「眇める」を使った例文は、「狩猟を生計の手段にしているハンターたちは、獲物となるイノシシ・鹿に対して、片目を細くするような形・やり方で、しっかりと狙いを定めていた」ということを意味しています。
この例文の「眇める」の言葉は、「対象物(目標物)をしっかりと見るために、片目を細くして焦点(照準)を合わせること」を意味しています。
「目を眇めて狙う」というのは、「片目を細くして焦点(照準)を合わせながらターゲット(目標となる獲物)を狙うこと」を意味する慣用句的な表現になっています。
「眇める」を使った例文4
「鑑定士の男性は矯めつ眇めつ、江戸時代に描かれたものとされる作者不詳の鑑定品の掛け軸を眺めていました」
この「眇める」を使った例文は、「鑑定士の男性は色々な角度・視点から、江戸時代に描かれたものとされる作者不詳の鑑定品の掛け軸を眺めていた」ということを意味しています。
「矯めつ眇めつ」というのは、「眇める(目を細くしてしっかりと見る)」から派生して生まれた慣用句であり、「色々な角度・視点から対象となるものをよく見る」ということを意味しています。
「眇める」の類語や類義語・言い換え
「眇める」の類語・類義語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「片目を細める・目を細くして見る」
- 「斜視・寄り目にする」
- 「横目・流し目・独眼」
「片目を細める・目を細くして見る」
「眇める」の類語・類義語・言い換えとして、「片目を細める・目を細くして見る」があります。
「眇める」という言葉の意味は、「(まぶしさ・視力などの原因で)片目を細める」や「片目を細くして対象物を見る」になります。
その「眇める」の意味合いから、「眇める」という言葉は「片目を細める・目を細くして見る」という文章に、そのまま言い換えることができるのです。
「斜視・寄り目にする」
「眇める」の類語・類義語・言い換えとして、「斜視(しゃし)・寄り目にする」があります。
「眇める」には「目の瞳を片一方に寄せて、斜視のような感じで寄り目にすること」の意味があります。
「斜視」というのは、「片方の目は視線が目標とする方向に正しく向いているが、もう片方の目が内側や外側(上や下)に偏って向いている状態」を意味する言葉です。
「斜視」は、「藪睨み(やぶにらみ)・ひんがら目・眇(すがめ)」とも呼ばれることがあります。
それらの意味合いから、「眇める」とよく似た意味を持つ類語(シソーラス)として、「斜視・寄り目にする」という言葉を指摘することができるのです。
「横目・流し目・独眼」
「眇める」の類語・類義語・言い換えとして、「横目(よこめ)・流し目(ながしめ)・独眼(どくがん)」があります。
「眇める」という言葉には、「目の瞳を一方向に寄せて、横目や流し目で対象を見ること」の意味があります。
「眇める」は「片目を細める」の意味ですが、その原義には「片目(片目がつぶれている)・独眼」があります。
それらの意味合いから、「眇める」と似たような近い意味を持つ類義語として、「横目・流し目・独眼」を上げることができるのです。
「片目を眇める」は意味が重複している?
「眇める」の言葉は「片目を細くする・片目を細くして見る」という意味なので、「片目を眇める」は意味が重複している「重言(じゅうげん)・重ね言葉」になりますが、完全な誤用というわけではありません。
特に現代においては「眇める」という言葉は、日常的・一般的に頻繁に使用されている言葉ではなく、「彼は陽の光を受けて眇めていた」だけでは意味が通じにくいという前提があるため、「彼は陽の光を受けて片目を眇めていた」という表現の方が読者に意味が通じやすいということがあります。
また、「目を眇める」という言い回しも慣用的に使われているので、「片目を眇める」という文章にも違和感を感じにくくなっています。
「片目を眇める」は意味が重複している重言ですが、「眇める」の言葉の的確な意味が共有されにくくなった時代背景・人々の言語認識を踏まえると、説明的なニュアンスのある「片目を眇める」の文章に対して、使用してはならない重言の誤用(誤りである間違った文章)だとまでは言い切れないでしょう。
「眇める」という言葉について徹底的に解説しましたが、眇めるには「片目を細くして見ること・片目を細めること・瞳を片方に寄せて、斜視のように寄り目(流し目)をすること」などの意味があります。
「眇める」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「片目を細める・目を細くして見る」「斜視・寄り目にする」「横目・流し目」などがあります。
「眇める」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。