「ご無体な」とは?意味や使い方!類語や言い換え
時代劇などで「ご無体な」という言葉を耳にすることがあります。
現在でも使われているのでしょうか、正しい意味や例文などを紹介します。
目次
- 「ご無体な」とは?
- 「ご無体な」の類語や言い換え
- 「無体」を使った言葉と意味を解釈
- 「ご無体な」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「ご無体な」とは?
「ご無体な」の読み方と意味、言葉の成り立ちについて紹介します。
- 読み方
- 「ご無体な」の意味
- 「ご無体な」の言葉の成り立ち
- 「ご無体な」の語源
- 「ご無体な」の使い方
読み方
「ご無体な」は「ごむたいな」と読みます。
「ごぶたいな」と読み間違わない様にしましょう。
「ご無体な」の意味
「ご無体な」の意味は「無理なこと、無法なこと、道理に合わないことを言われた時に言い返す言葉」です。
「ご無体」は主に目上の人に対して使う言葉です。
昔は主従関係が絶対であり、主君に対して部下は口答えは許されませんでした。
大袈裟ではなく、主君が「黒」と言ったら白いものでも「黒です」と言わなければならなかったのです。
しかしあまりにも主君が部下に対して無理難題を言い付けると、部下としてさすがに「できません」「嫌です」とはいえないのですが、その代わりに「ご無体な」と言い返したのです。
「ご無体な」の言葉の成り立ち
「ご無体な」という言葉を理解するには、言葉の成り立ちについて知っておきましょう。
「ご」は「御」で、目上の相手に対して敬語にしている意味があります。
「無」には「存在しない」という意味のほかに「ないがしろにする」という意味があります。
「体」には「からだ」「その様子」という意味があります。
「な」は元々「な・・そ」として使われていて、相手に懇願しながら禁止する言葉で「どうか〇〇して下さいますな」という意味があります。
この2つの事が組み合わさり「人のからだをないがしろにして下さいますな=無理なことを言わないで下さい」という意味に使われる様になったのです。
「ご無体な」の語源
「ご無体な」の語源は「無体な仕打ちをして下さいますな」「無体なことをして下さいますな」が省略された言葉です。
主君に対して長々と懇願すると余計に怒りが増して首をはねられてしまう可能性もあったので、最小限に言い返してなるべくその場を収める様にしていました。
それまで従順に主君の言うことを聞いてきた部下が精いっぱい反論してこの様な表現になったのです。
「ご無体な」の使い方
「ご無体な」は、目上の人が無理なことを言った時に言い返す言葉です。
ビジネスでつかうのにはふさわしくありません。
但し、飲み会など上司とコミュニケーションを取る為の場で、「お前何か芸をやれ」などと言われた時に冗談として「そんなご無体な」と言うのは良いでしょう。
お互いの信頼関係が成り立っていれば、無礼講として使うことで場を和ませる効果があるのです。
「ご無体な」の類語や言い換え
「ご無体な」の類語は以下の通りです。
- 「理不尽な」【りふじんな】
- 「無茶苦茶な」【むちゃくちゃな】
- 「パワハラな」【ぱわはらな】
「理不尽な」【りふじんな】
意味は「ものごとの筋が通っていなくて納得できなこと」です。
立場の強い人が相手に対して通りが通っていないことを言う時に使われます。
「無茶苦茶な」【むちゃくちゃな】
意味は「道理が合わないこと」で、「乱暴である」という意味の「無茶」を強調する為に「苦茶」が付けられました。
「パワハラな」【ぱわはらな】
こちらは最近社会問題になっている言葉で、上司が立場を利用して部下を不利な立場に追い込むことを言います。
「ご無体な」の現代版と言ったところです。
「無体」を使った言葉と意味を解釈
「無体」を使った言葉を紹介します。
- 「無体を強いる」【むたいをしいる】
- 「無体を働く」【むたいをはたらく】
「無体を強いる」【むたいをしいる】
無理なことなことを強制するという意味です。
立場が上の人や力の強い人が弱い人に対して、とてもできないことを要求したり、嫌なことをやれと言う時に使います。
「無体を働く」【むたいをはたらく】
立場が上の人が、下の人に向かって無理なことをしたり、乱暴をするという意味です。
「無体を働く」というのは良く使われる表現です。
「ご無体な」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「ご無体な」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「ご無体な」を使った例文1
- 「ご無体な」を使った例文2
「ご無体な」を使った例文1
「そんなご無体な、お許しください」
時代劇で最も良く使われる言葉です。
領主がその街の庄屋に対してとても無理な量の年貢を設定した時や、代わりに娘を差し出せと言った時などに使われます。
大抵の場合は庄屋が囚われたり殺されたりして、その後正義の味方が表れて悪代官を成敗します。
「ご無体な」を使った例文2
「いきなりテストなんて、そんなご無体な」
学校で、教師が抜き打ちテストをする時に生徒が言うセリフです。
この場合、不満を持っていますが冗談っぽく流しているので、さほど深刻な意味はありません。
文句を言いながらも試験を受けてさんざんな結果になることでしょう。
信頼関係が成り立っている場合、この様に冗談で返してもさほど問題はないのです。
「ご無体な」は、目上の人に対して「無理なことはして下さるな」という意味で使われる言葉です。
時代劇に使われる言葉ですので、日常会話で友達に対して使うのがおすすめです。