「返す刀」とは?使い方や意味・例文・誤用についても詳しく解説!
この「返す刀」とは、言葉からすると物騒な響きがありますが、実際には比喩表現として使うことがほとんどです。
目次
- 「返す刀」とは?
- 「返す刀」を「反撃」との意味で使うのは誤用?
- 「返す刀」を使った表現と意味を解釈
- 「返す刀」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「返す刀」とは?
返す刀とは、何かを攻撃した後の流れから、他にも攻撃するという意味で使う言葉です。
この攻撃とは、物理的に斬りかかるようなことだけでなく、言葉で責め立てるような場合も含みます。
「あの評論家は、○○議員を責めた返す刀で、所属政党の批判まで始めた」などという使い方になる言葉で、「その流れから」というニュアンスだと考えると分かりやすいでしょう。
- 読み方
- 「返す刀」の使い方
読み方
「返す刀」は、「かえすかたな」と読んでください。
簡単な漢字しか使っていない言葉なので、見たそのままを読めば間違えることはないでしょう。
尚、「返し刀」(かえしがたな)とすると、木や竹の切り方のこととなり、全く意味が異なってしまうので注意してください。
「返す刀」の使い方
「返す方」は、先に行った(言った)ことの「勢いのままに」、「そのついでに」といった意味で使います。
その為、まずはその先の部分がないと使えない言葉です。
よって、2つのことを行った(言った)時にのみ使える表現になります。
本来の意味だと先の説明のように、その2つが「攻撃する」ことでないといけませんが、近年ではそれ以外の使い方でも(攻撃が絡まなくても)構わないという解釈が主流になっています(特に誤用にはなりません)。
「返す刀」を「反撃」との意味で使うのは誤用?
「返す刀」という言葉からは、受けた攻撃を凌いだ刀でそのまま斬り返すといったような解釈もできてしまいます。
その為、「反撃」としても使えると思ってしまいがちですが、そのような意味で使うのは誤用になります。
この言葉に「反撃」という意味はなく、そう使うのは間違いなので気を付けてください。
「返す刀」を使った表現と意味を解釈
「返す刀」を使った各表現になりますが、2つ目はよく見る誤用なので、悪い使い方の例だと考えてください。
- 「返す刀で申し訳ありません」
- 「返す刀もない」
「返す刀で申し訳ありません」
この表現は、「ついでで申し訳ありません」と解釈してください。
あまり使うことはない形ですが、決して「攻撃」という意味ではなく、何かのついでだという(それが本来の目的ではないことに対する)お詫びの表現です。
「返す刀もない」
「反撃する気や力もない」という意味として使っていると思われる表現ですが、「返す刀」に反撃という意味はないので、このような使い方は誤用です。
それなりに見掛けることがあるだけに、こういった使い方はしないように気を付けましょう。
「返す刀」を使った例文や短文など(意味を解釈)
返す刀を使った例文や短文と、その意味の解釈になります。
本来の「攻撃」という意味だけでない使い方も含めています。
- 「返す刀」を使った例文1
- 「返す刀」を使った例文2
「返す刀」を使った例文1
「あの会社に飛び込み営業に行った返す刀で、隣りの会社にも営業をかけてみた」
飛び込み営業を言わば「攻撃」と捉えると、意味が分かりやすいでしょう。
実際にもこのような(考えようによっては「攻撃」と解釈できる)使い方になることが多い言葉です。
「返す刀」を使った例文2
「折角ここまで来たのだから、返す刀でもう少し遠くまで行ってみよう」
「ついでに」という意味合いで使っている例になります。
全く問題のない使い方ながら、あまり見ない表現なのは、この言葉の正しい使い方があまり理解されていないからかも知れません。
「返す刀」は、テレビのニュースでさえ、間違って(誤用で「反撃」の意味で)使っていることがある言葉です。
言葉の意味は時代と共に変わっていくこともありますが、この言葉を「反撃」と使うのは完全な誤用なので注意しましょう。