「一足先に」とは?意味と類語!例文と使い方!「一足早く」も解説
この「一足先に」という表現は、色々な場面で見掛けます。
使い勝手のいい言葉なので、そのような時に状況の時や、それの表現に対してすすんで使っていいでしょう。

目次
- 「一足先に」とは?
- 「一足先に」の ビジネスでの使い方
- 「一足先に」を使った言葉と意味を解釈
- 「一足先に」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「一足先に」の類語や言い換え
- 「一足先に」の対義語
- 「一足先に」の英語(解釈)など
「一足先に」とは?

「一足先に」は、同じこと(もしくは類似するようなこと)をしようとしている人に対し、それより少し早いという意味で使う言葉です。
その人に直接使う場合だけでなく、その様子の表現に用いることもできます。
「一足」という表現が、「少し」のことを意味しています。
人だけでなく、団体として他の団体より少し先にという場面にも用いることができ、その結果とはあまり関係なく、行動自体を少し先に起こしたという意味で使います。
- 読み方
- 「一足先に」と「一足早く」は全く一緒の意味?
読み方
「一足先に」は、「ひとあしさきに」と発音してください。
普通に読めばそのように読めてしまうので、特に難しいことはありませんが、人によっては読み方を考えてしまうかも知れない表現かも知れません。
それは、日本語とは難しいもので、例えば、「一段落」という言葉の読み方は「いちだんらく」で、こちらも聞く「ひとだんらく」は間違いです。
その為、このような漢字三文字で構成される言葉で先頭に「一」があった場合、「いち」と読むと覚えてしまった人が居るかも知れない為です。
「一段落」は「いちだんらく」ですが、この「一足先に」は「ひとあしさきに」と、「一」を「ひと」と読みます。
言葉によって同じ「一」でも読み方が異なっているので、この点に注意してください。
「一足先に」と「一足早く」は全く一緒の意味?
「一足先に」と似た意味の言葉に、「一足早く」という表現があります。
こちらでも意味はほとんど変わらず、言い換え表現に使うことができます。
例として、「一足先に始めた」は、そのまま「一足早く始めた」と置き換えることができ、同様の使い方ができますが、「一足早く」の方は、特に比較対象がなくても使える表現です。
「一足早く導入した」と使った場合、その導入に関する比較対象がある訳ではなくても、時代に「」先駆けて」といったニュアンスになります。
この点が2つの表現の違いになるので、何らかの比較対象と比べて少し先にといった意味で使いたい場合には、「一足先に」の方が向いています。
「一足先に」の ビジネスでの使い方

「一足先に」という表現は、ビジネスでも使うことができますが、上司や取引先などに使う場合には少し丁寧にして、「一足お先に」とするのがいいでしょう。
後輩や同僚が相手であれば、「一足先に行っている」で構いませんが、相手によっては「一足お先に向かいます」とする具合です。
これは、「先に失礼します」とは言わず、「お先に失礼します」と使うような違いだと考えると分かりやすいでしょう。
「一足先に」を使った言葉と意味を解釈

「一足先に」を使った、よく見る表現です。
このような形で使うことが多い言葉なので、意味だけでなく、どのようなニュアンスが含まれるのか覚えておきましょう。
- 「一足先に行く」
- 「一足先に天に召された」
- 「一足先に自由になった兵士」
- 「一足先に春の訪れを楽しむ」
「一足先に行く」
すぐ上でも挙げましたが、その人より少し先に行くと表現している使い方です。
誰かと同じ場所まで行く際に、そのついでに途中で何か用事を済ませたいので、その為に一足先に出るというようなシチュエーションに用いることが多いです。
「一足先に天に召された」
天に召されたという表現は、死去したことを意味します。
このように使った本人(たち)より早く逝ってしまったという意味になり、自分(たち)も近い将来にそうなるだろうというニュアンスが含まれた使い方です。
その為、年配の人が使うことが多い表現です。
「一足先に自由になった兵士」
いずれは他の兵士も自由になると(確定的ではなくても)分かっている場合に、その兵士たちより少し早く自由になったと使っています。
この形で「装甲騎兵ボトムズ」という人気アニメのサブタイトル(メインタイトルは「仲間」、そのサブイトルとして、「一足先に自由になった兵士のために」)として使われたことがあります。
「一足先に春の訪れを楽しむ」
日本は、北か南かで春の訪れだと感じる時期が少し異なります。
これは地域による寒暖の差が原因で、北に行くほどそれが遅い傾向があります。
2019年の桜の開花を例に挙げると、九州の福岡では3/21だったのに対し、北陸の仙台では4/5と、約2週間の差がありました。
九州の人は、そのような遅く春が訪れる地域に対して、「一足先に訪れた春」を楽しむことができます。
そのような時に使われる表現だと考えていいでしょう。
「一足先に」を使った例文や短文など(意味を解釈)

「一足先に」を使った例文や短文と、その意味の解釈です。
どれも特に難しい意味はなく、何かと比べて少し早くという解釈で使っています。
- 「一足先に」を使った例文1
- 「一足先」を使った例文2
「一足先に」を使った例文1
「どうして彼は一足先に出てしまったのだろう」
一緒に出よう(出掛けよう)と思っていたところ、気が付いたら一足先に出てしまっていて、その理由が分からないと表現しています。
「一足先に」は、比較対象があってこその言葉なので、この場合は自分がその対象だということです。
「一足先」を使った例文2
「他社より一足先に販売することができた為、当分はシェアを独占できそうだ」
同種の商品は、先に発売したもの勝ちといったことになることも多いです。
それに成功した為、しばらくは市場でその種類の商品のシェアを独占できそうだと喜んでいる使い方になります。
ただし、このようなケースで後から発売する方は、価格面はもちろん、性能もアップさせて出してくることが少なくありません。
それにどこまで耐えることができるか(価格を同等の水準まで下げたり、マイナーチェンジによって性能もアップさせるなどの対策によって)という戦いになるのが、同種の商品における市場でもシェア争いだと言えるでしょう。
「一足先に」の類語や言い換え

「一足先に」と似た意味の言葉や、言い換えに使用できる表現です。
どれも、何かの対象に対して「それより先に」という意味で使います。
- 「先行して」【せんこうして】
- 「先駆けて」【さきがけて】
- 「先んじて」【さきんじて】
「先行して」【せんこうして】
「一部を先行して公開します」などという使い方になります。
この場合の意味は、その一部も含まれる全体(本体)の発売や公開の前に、内容の一部分を先に表に出すことだと解釈できます。
新しいCDアルバムや写真集が発売される際には、それらの中から一部の曲や何枚かの写真をこのように先行して公開するようなプロモーションがよく行われます。
「先駆けて」【さきがけて】
こちらの表現も、何かの対象より先にという意味で使われます。
「アルバムの発売に先駆けて、その中から1曲をお届けします」のような形で使う言葉で、やはり比較対象があってこその表現です。
「先んじて」【さきんじて】
この言葉もまた、何かに対して先に行うという意味で使います。
「他社より先んじて、この分野に手を付けた」などの形で、ビジネスシーンでよく見聞きします。
上の2つより「一足先に」と近い言葉で、対象より少し「先んじて」行うことが、「一足先に」と表現されると考えていいでしょう。
「一足先に」の対義語

「一足先に」の反対の意味になる言葉は、「一足遅れて」(ひとあしおくれて)です。
言葉を見ただけで、すぐに逆の意味だと分かるのが特徴で、この表現が使われた時には、「その対象より少し遅れてしまった」と解釈します。
「一足遅れて出発した」とすると、他の人より少し遅れて出発したという意味になります。
「一足先に」の英語(解釈)など

「一足先に」を英語で表記すると、“one step ahead”となります。
「少し先に」という意味になり、日本語の「一足先に」がそのまま表現できます。
“Our company ideal is always one step ahead of other their.”という例文にすると、「当社の理想は、常に他社の一足先に立っていることだ」といった意味になります。
“I'm already one step gone ahead to him.”とすると、「私は既に彼より一足先に出掛けた」となり、このように、“one step”と“ahead”の間に行動を指す言葉が入った形で使うこともできます。
「一足先に」は、「少し先に」と解釈すると、とても分かりやすい言葉です。
主に行動に対して使う言葉で、逆の意味となる「一足遅れて」と合わせて色々なシチュエーションで使うことができるでしょう。