「あふるる」の意味とは?「あふれる」と「あふるる」の違い
小説や古文で「あふるる」という言葉をみかけることがあります。
非常に風情のある響きですが、どの様な意味があるのでしょうか。
目次
- 「あふるる」とは?
- 「あふるる」の関連や言葉について解釈
- 「あふるる」の使い方や使った例文や短文など(意味を解釈)
「あふるる」とは?
「あふれる」と「あふるる」の違いや意味について紹介します。
- 「あふれる」と「あふるる」の違い
- 「いっぱいになりこぼれ出す様子」の意味
- 「人やものが入りきらずにはみ出すこと」の意味
- 「気力や感情が満ちている様子」の意味
「あふれる」と「あふるる」の違い
「あふれる」と「あふるる」の違いは、「現代表現か文語表現か」という点です。
「あふれる」は、現代の日常会話で使われています。
一方、「あふるる」は古文や小説、詩歌など古い文章で使われる表現です。
「あふるる」は、昔は「あふる・あぶる」と言われていました。
活用は「あふれない・あふれる・あふる・あふるる・あふるれば・あふれよ」となります。
意味は「散らばる」「落ちぶれてさまよう」という意味で使われていました。
現在では「あふれる」と「あふるる」は同じ意味で使われています。
「いっぱいになりこぼれ出す様子」の意味
液体が容器や定められた場所に収まりきらずに、外にこぼれ出すことを言います。
その広さは様々で、コップの水など狭い場所を表すこともあれば、川の水など広い場所を意味することもあります。
「人やものが入りきらずにはみ出すこと」の意味
人やものが用意をされた場所に入り切れずに外にはみ出すことを言います。
イベント会場に人が集まり過ぎてしまった時や、モノが捨てきれずに収納場所がなくなり、通路や部屋に置かざるを得ない状態などに使います。
「気力や感情が満ちている様子」の意味
情熱を傾けていたり、集中してやっているという気持ちが他の人にも伝わることを言います。
目に見えないものですが、本人の表情や言動などに表れます。
「あふるる」の関連や言葉について解釈
「あふるる」を使った言葉について解釈します。
- 「真情あふるる軽薄さ」清水邦夫作の舞台作品
「真情あふるる軽薄さ」清水邦夫作の舞台作品
「真情あふるる軽薄さ」は清水邦夫作の舞台作品で、1969年に蜷川幸雄による演出で上演されました。
内容は非常に刺激的かつ前衛的で、一人の酔っぱらった青年が何かの行列に並んだ人達と小競り合いをした末に、痛い目に遭うという内容です。
当時の安保闘争が活発化している時代背景を取り込んだ作品で、ストーリーが過激なのと、客席も巻き込んで出演者が兆発をするなどの演出で非常に話題になりました。
タイトルのユニークさでも評価の高い作品です。
「あふるる」の使い方や使った例文や短文など(意味を解釈)
「あふるる」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「あふるる」を使った例文1
- 「あふるる」を使った例文2
「あふるる」を使った例文1
「情感あふるる新緑の風景」
新緑の季節に自然の景色がキレイな場所を訪れて、感動する気持ちでいっぱいになった様子を表しています。
「あふるる」を使った例文2
「涙があふるる思いで見送った」
人と別れるときには辛いけれども悲しい顔を見せたくないものです。
涙が今にも零れ落ちそうになるのを必死で我慢して大切な人を見送った様子を表しています。
「あふるる」は「人やもの、気持ちなどが一杯にりこぼれ出すこと」です。
古典的で風流な表現ですので、文章の中で使ってみると良いでしょう。