「得てして」とは?意味と類語!例文と使い方!
「得てして」、という言い回しを知っているでしょうか。
「得てして妙だ」、などといった表現ならば聞いたことがある、という人もいるかもしれません。
それならば、「得てして」、という表現にはどのような意味があるのでしょうか。
ここでは「得てして」、という言い回しについて紹介します。
目次
- 「得てして」とは?
- 「得てして」の使い方
- 「得てして」を使った言葉と意味を解釈
- 「得てして」と「一般的に」の違い
- 「得てして」を使った例文や短文・意味を解釈
- 「得てして」の類語や言い換え
- 「ややもすると」とは?
- 「得てして」の英語や例文(解釈)など
「得てして」とは?
「得てして」という言葉はある事態になる傾向がある様子、ややもすると、ともすると、という意味があります。
このような傾向になりがちであるという意味を持ち、一般的にという側面もあります。
例えば、「一度学校をサボってしまうとえてしてサボり癖がつく」などといった使い方をします。
一度学校をサボってしまえば、サボることがいかに簡単であるかということを学んでしまいます。
また、頑張って学校に行くことが面倒だと感じてしまい、またサボってしまうという繰り返しになる可能性があります。
このような時に「得てして」、という表現が使えます。
- 読み方
- 「得てして」の語源
読み方
えてして、という表現は「えてして」と読みます。
「とくてして」と読んでしまう人は滅多にいませんが、間違えないように気をつけましょう。
「得てして」の語源
「得てして」、という表現はもともと可能の意思を示す副詞に「え」というものがあり、これに助詞「て」をつけた形「えて」という表現が使われていました。
中世以降から存在していたのではないかと考えられています。
それが近世になり、「為(し)て」という形がついて「得てして」という言葉になりました。
可能の副詞「え」は動詞の「得(う)」の連用形が転じた形だと言われています。
「得てして」の使い方
「得てして」という表現は傾向がある、という意味で使われることが多いとされます。
例えば、「成功したからといって甘く見ると、得てして失敗するよ」などのように使えます。
成功したからといって周りを馬鹿にしたり、簡単に成功できるものだと思い込んだりすれば、次は失敗してしまうかもしれません。
また、自分の足を救われる可能性もあります。
注意を促す時に「得てして」という表現が使えます。
また、中には「頭が良い人は得てしてプライドが高い」と感じる人もいるのではないでしょうか。
頭が良い人の中には、自分の頭の良さを誇りに思ってプライドが高い人もいます。
もちろん全員というわけではありませんが、自分の経験上そのように感じたのであれば、「得てしてプライドが高いよね」などと表現することが可能です。
「得てして」を使った言葉と意味を解釈
ここでは「得てして」という表現を使った言い回しを紹介します。
- 「得てして妙」
- 「得てしてそういうものです」
「得てして妙」
「得てして妙」、という言い方は巧みに言い表している様子を指しています。
例えば風刺画などを見ていると、上手に世の中の問題などが言い表されていることがありますが、「まさにその通りだ」「うまく言い表しているなぁ」と思うことがあるのではないでしょうか。
例えばことわざ等の中にも「よくある」「そういう感覚ってよくわかる」などといったものがありますよね。
そのようなものはまさに「得てして妙」、と表現できます。
うまく言い表している、という意味になるのです。
例えば、誰かと話したときに「それ、うまく言い表しているね!」と思った時などは「得てして妙だね!」と表現できます。
「得てしてそういうものです」
「得てしてそういうものです」、という表現はその前に来る表現を表して「そういうものです」「そういう傾向があります」という意味になります。
例えば、「正直者は馬鹿を見る。得てしてそういうものです」と言えば、「正直者は馬鹿を見る、世の中にはそのような傾向があります」という意味になります。
一生懸命成功しようと努力を続けても、世の中には親から受け継いだお金や仕事などで成功する人もいるものです。
世襲制の会社等にコネで就職した人思いますし、そのようなコネがない人にしてみれば、なかなかそのような世界には手が届かないと落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
正直に頑張るのではなく、親の七光によって成功できる人も多い時代なのです。
しかし、その一方で自分の努力で自分の道を切り開いていく人もたくさんいますから、努力を怠らないようにしたいものです。
「得てして」と「一般的に」の違い
一般的に、というのは特殊な人物や場合についてではなく、広く認められて行き渡っていることを指しています。
広く全体を取り上げるという意味があり、全体的に、とよく似た意味があります。
「得てして」、という表現も一般的に、という表現とよく似ていますが、一般的にという表現は多くの人が、というよりは人間が、といった抽象的な概念になり、良い事について述べることもたくさんあります。
例えば、「一般的に日本人は祭りが好きです」などのように表現できます。
しかし、得てしてという表現は好ましくないという意味で「そうなりやすい傾向にある」と述べることが多いため、一般的に、という表現とは意味が異なるといえます。
「得てして」を使った例文や短文・意味を解釈
ここでは、「得てして」という表現を使った例文を紹介します。
- 「得てして」を使った例文1
- 「得てして」を使った例文2
「得てして」を使った例文1
「過信は得てして失敗を招く」
何かがうまくいった場合など、どうしても甘く見てしまって失敗した、という経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
何かがうまくいくと、どうしても簡単なんだと思い込んでしまったり、また同じ方法を使えば上手くいくと思い込んでしまったりして、徐々に失敗していく可能性があります。
さらにそれが他の人の人間を巻き込んでいる場合、他の人から「あの人はいつもこのやり方をするよね」と思われてしまうこともあるでしょう。
その結果、周りの人の方が賢くなっていく場合もあります。
そのため、何かがうまくいったからといって過信をしてはいけません。
自分の努力が報われた、と思ったとしても、謙虚になることが大切です。
謙虚になり、新たな事柄を身に付けていくことで自分を進歩させることが可能になるのです。
「得てして」を使った例文2
「時間がない時に限って、得てして信号が赤になるものです」
急いでいる時や何かに遅れそうなときなど、そのような時に限って信号がやたらと赤になるという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
普段は青信号で問題なく行けるような場所であっても、急いでいるときはすべての信号が赤になるかのように感じてしまうかもしれません。
また、急いでいる時に限って忘れ物をしたという経験を持つ人もいるのではないでしょうか。
今まで1度も忘れ物をしたことがないのに、急いでいる時に限って何かしら忘れてしまう、という経験を持つ人は少なくありません。
いつもは時間に余裕があっても、時間がない時に限って時間がかかる、という事は誰にでもあるものです。
遅れないように、時間に注意して行動したいですね。
「得てして」の類語や言い換え
ここでは「得てして」という表現の類義語を紹介します。
- 「ややもすれば」
- 「往々にして」
- 「とかく」
「ややもすれば」
ややもすれば、というのは物事がとにかくそうなりがちである様子という意味を持ちます。
ともすれば、という表現と似ていますが、ともすればという表現はしばしばそうなる傾向がある、という意味になります。
ややもすれば、というのは物事がとにかくそうなる傾向にある、という意味ですので、ややもすれば、という表現からはとにかく頻繁にそうなる、ということがわかります。
「往々にして」
往々にして、という表現は専ら、そうなる場合が多い、という意味になります。
ネガティブな意味合いを含んでいることが多いため、相手に誤解させてしまうこともありますから使い方には気をつけなければいけません。
物事が頻繁に起こる傾向がある、という意味があり、良い事柄に使っても問題はありませんが、一般的には好ましくないことに対して使われます。
例えば、「このようなケースは往々にして保護者からのクレームにつながる可能性があるので気をつけてください」などと使うことが可能です。
学校等では保護者からのクレームに対して用心しなければいけないこともあるのではないでしょうか。
「とかく」
とかく、という表現はともすると、ややもすれば、と同じ表現になります。
ある状況になりやすい、そういった傾向がある、という意味を持ち、ネガティブな事柄に対して使われることが多いでしょう。
例えば、「今の学生は、試験がなければとかく怠けがちです」などと使えます。
試験の内容が既に教えられていたり、レポートだったりすると、そこまで勉強しないという大学生も最近は多いのではないでしょうか。
その理由で試験をする大学教員も珍しくありません。
「ややもすると」とは?
先ほど、ややもすると、という表現について述べましたが、ややもすれば、という表現は起こって欲しくないことが起きてしまう、マイナスのニュアンスで使われます。
その状態になる度合いが強く、何かちょっとしたことが起きただけでそうなってしまう、というニュアンスがあります。
どうかすると、という意味を持ちます。
「得てして」の英語や例文(解釈)など
えてして、という表現は“often happens”、“tend to”、“be apt to”、“be likely to”という表現になります。
例えば、「そういう時には得てして忘れ物をするものです」というのであれば“people tend to forget things at such times.”という表現になります。
「得てして」、という表現は日常会話で使う事はあまりないかもしれませんが、必要な時にスマートに使えるとそれなりに知的な印象を残せます。
そのため、ビジネスではぜひ知っていたい表現でもありますから、正しい意味合いを理解しておきましょう。
ただし、あまり批判的なことやネガティブなことを言い過ぎてしまうとマイナスの印象与えてしまうこともありますので気をつけなければいけません。