「お墨付き」とは?意味と類語!例文と使い方!
「お墨付き」とは、「権力・権威のある人が与える許可・保証のこと」です。
「お墨付き」の「意味・読み方・語源・例文と解釈・類語(シソーラス)や言い換え・英語と解釈・お墨付きは誰でも貰えるか?」などについて、詳しく説明していきます。
目次
- 「お墨付き」とは?
- 「お墨付き」と「折り紙付き」と「太鼓判を押す」の違い
- 「お墨付き」を使った言葉と意味を解釈
- 「お墨付き」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「お墨付き」の類語や言い換え
- 「お墨付き」は誰でも貰える?
- 「お墨付き」の英語や例文(解釈)など
「お墨付き」とは?
「お墨付き」の言葉の意味は、「権力・権威・権限のある人が、ある人物に対して与える許可・保証のこと」になります。
「お墨付き」というのは「権力・権威を持つ人が与える許可・保証」のことで、「お墨付き」を貰うことでその権力・権威が通用する範囲内で「その人物に一定の信頼・実績・能力・腕前(技量)などがあること」を分かりやすく他者に示すことができるのです。
丁寧の接頭辞の「お」を除いた「墨付き」には、「墨で書いた筆跡・墨の付き具合」や「中世から近世江戸期にかけて、将軍及び諸大名が臣下に与えた証明書(判物・はんもつ)」の意味があり、後者は「お墨付き」の語源と関係します。
- 読み方
- 「お墨付き」の語源・由来
読み方
「お墨付き」の読み方は、「おすみつき」になります。
「お墨付き」の語源・由来
「お墨付き」の語源・由来は、「中世の室町時代から近世の江戸時代にかけて、将軍・諸大名が臣下に与えた領地関係の証明書(判物と呼ばれる)」に由来していて、その証明書に署名を図案化(イラスト化)した「花押(かおう)」が「墨」で書き記されていたことが語源になっています。
「お墨付き」と「折り紙付き」と「太鼓判を押す」の違い
「お墨付き」とは、権力・権威を持つ人が「特定の人物」の人間性・信用・実績・能力などを保証したり許可したりすることを意味しています。
「折り紙付き」とは、「平安時代から贈答品に付けられたとされる物の品質・出自・作者などを保証する文書や鑑定書」が原義であり、原則として「特定の物」の品質(クオリティー)を保証することを意味しています。
ただし、現在では特定の人物の能力・技量・実績を保証する場合にも使われることはあります。
「太鼓判を押す」とは、「その人の能力・技術・実績などを保証すること」や「物の価値・品質を保証すること」を意味する言葉です。
「太鼓判を押す」のは必ずしも権力・権威・権限がある人とは限らないので、「(将軍が保証する)お墨付き・(鑑定書で保証する)折り紙付き」と比べるとその保証の度合いがやや落ちる違いがあります。
「太鼓判」の語源は、「戦国時代の甲斐国で鋳造された金貨=武田信玄が考案したとされる甲州金の価値(本物であること)を証明する装飾」にあるとされます。
「お墨付き」を使った言葉と意味を解釈
「お墨付き」を使った言葉とその意味を解釈していきます。
- 「お墨付きがある」
- 「お墨付きを与える」
- 「お墨付きを得る」
「お墨付きがある」
「お墨付きがある」というのは、「自分よりも上位の人から、自分の仕事・権限について保証をもらっていること」を意味しています。
「お墨付きがある」ことによって、「お墨付きを与えてくれた上位者の権力・権威・権限が通用する範囲」においては、「自分の地位・役割・権限・能力」などをほぼ無条件に他者に認めさせることができるのです。
例えば、「先生のお墨付きがあるので、彼の実力を信頼しても良いだろう」や「師匠のお墨付きがないと、ここでは仕事をすることができません」などの文章で使えます。
「お墨付きを与える」
「お墨付きを与える」の言葉の意味は、「権力・権威(権限)を持っている人物が、誰かの地位・能力・権限を保証してあげること」になります。
特定の人物に「お墨付きを与える」ことによって、その「お墨付きを与えられた人物」は自分の地位・権限・実績などを周囲の人達に認めてもらいやすくなるのです。
例えば、「私は自分の愛弟子にお墨付きを与えたいと思います」や「先生にお墨付きを与えて頂いたからには、自分の職責をしっかりと果たしていく所存です」などの文章で使用することができます。
「お墨付きを得る」
「お墨付きを得る」というのは、「権力・権威・権限のある人物から、自分の地位や権限を認めてもらうこと」を意味しています。
「お墨付きを得る」ことができれば、その上位者の権力・権威が通用する集団や相手に対して、「自分の地位・役割・権限・能力」などを容易に認めてもらいやすくなるのです。
例えば、「お墨付きを得るためには、厳しいトレーニングに耐えて最終試験に合格する必要があります」や「私がこのお墨付きを得るために、どれだけの苦労と根回しをしてきたのか、あなたに分かりますか?」などの文章で使うことができます。
「お墨付き」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「お墨付き」を使った例文や短文などを紹介して、その意味を解釈していきます。
- 「お墨付き」を使った例文1
- 「お墨付き」を使った例文2
「お墨付き」を使った例文1
「社長である私が、実績を出していて信頼の置ける部下に、営業本部長としてのお墨付きを与えました」
この「お墨付き」を使った例文は、「社長である私が、今までの仕事で実績を出していて信頼している部下に、営業本部長としての地位・職務および権限(命令権)の保証を与えた」ということを意味しています。
「お墨付き」を使った例文2
「大臣をはじめとした政権与党の中枢にいる政治家のお墨付きがあるので、彼は役所の政策立案で非常に強い権限を持っているのです」
この「お墨付き」を使った例文は、「大臣をはじめとした政権与党の中枢にいる政治家の後ろ盾の保証(大いに権限を振るって仕事をして良いとの保証)があるので、彼は役所の政策立案で非常に強い権限を持っている」ということを意味しています。
「お墨付き」の類語や言い換え
「お墨付き」の類語・言い換えについて、分かりやすく解説していきます。
- 「裁可・認可・公認」
- 「証明書・信任状」
- 「文句なし・言うことなし」
「裁可・認可・公認」
「お墨付き」の類語・言い換えとして、「裁可(さいか)・認可(にんか)・公認(こうにん)」があります。
「裁可」というのは、「君主(上位者)が臣下(部下)の提出する議案・提案を裁決してそれで良いと許可すること」を意味する言葉です。
「認可」の言葉の意味は、「それで良い(適当である)として許可すること」や「公的機関が第三者の行為を認めて、その法律上の効力を実際に具現化させること」になります。
「公認」というのは、「公的機関・権威者(上位者)が公的に意味・効果のあるものとして認めること」を意味しています。
権力や権威のある人が保証することを意味する「お墨付き」は、「裁可・認可・公認」という言葉に言い換えることができます。
「証明書・信任状」
「お墨付き」の類語・言い換えとして、「証明書(しょうめいしょ)・信任状(しんにんじょう)」があります。
「証明書」というのは、「公的機関・法人・権威者などの後ろ盾によって、そこに書いてある内容が正しいことを保証する書類」を意味しています。
「信任状」という言葉の意味は、「特定の人物を外交官・外交使節として派遣する内容を記した公文書」が原義であり、「特定の人物の地位・身分を保証する文書・書類」になります。
権力・権威・権限のある人が許可したり保証したりすることを意味する「お墨付き」の類語として、「証明書・信任状」を上げられます。
「文句なし・言うことなし」
「お墨付き」の類語・言い換えとして、「文句なし(もんくなし)・言うことなし」があります。
「お墨付き」というのは、権力・権威・権限のある上位者が、特定の人物の地位(身分)・能力・権限・実績などを認めて保証することであり、「お墨付きを得る」ことによって、「文句なしの人物」として認められやすくなります。
「お墨付きがある」ということは、「言うことなしの人物であり、その人物の地位や能力を上位者(権力者・権威者)が保証していること」を意味しているのです。
そういった「お墨付き」の意味・効力(他者にあれこれ文句を言わせないだけの効力)を考えると、「お墨付き」の言葉は「文句なし・言うことなし」という言葉によって言い換えることができるのです。
「お墨付き」は誰でも貰える?
「お墨付き」は誰でも簡単に貰えるわけではなく、「お墨付きを与える権限・資格・地位を持っている人物」から、「自分の人間性・能力(技量)・実績」などを高く評価してもらわなければ、「お墨付き」を得ることはできません。
「お墨付き」というのは、突き詰めれば「人の人に対する高い評価を前提にした承認・許可・保証」のことですから、「お墨付きを与える立場にある人」から「自分という人物」を信用してもらい、「自分の人間性・能力(技量)・実績」を認めてもらえなければ貰うことができないのです。
「お墨付き」を貰うためには、「人間関係・信頼関係・血縁関係」などを前提として、「自分の人間性・能力(技量)・実績に対する上位者の高い評価や好感度」などが必要になってきます。
ただ能力・実力・技術だけがあっても、上位者から人間性や態度を嫌われていれば、「お墨付き」を貰えない恐れがあります。
「お墨付き」の英語や例文(解釈)など
「お墨付き」という言葉は、“endorsement”(証明書・裏書き)や“approval”(許可・認可・賛同)、“greenlight”(ゴーサイン・認可・許可)などの英語で表現することができます。
- “My ceramics technology has my master's endorsement(approval).”
- “President gave me a final greenlight of this business plan.”
“My ceramics technology has my master's endorsement(approval).”
この「お墨付き」を使った英語は、「私の陶芸・陶工の技術には、師匠のお墨付きがあります」を意味しています。
“President gave me a final greenlight of this business plan.”
この「お墨付き」を使った英語は、「社長は私に、このビジネスの計画に対するお墨付きを与えてくれました」を意味しています。
「お墨付き」という言葉について徹底的に解説しましたが、お墨付きには「権力・権威・権限のある人が、特定の人物に対して与える許可・保証のこと」などの意味があります。
「お墨付き」の類語(シソーラス)・言い換えとしては、「裁可・認可・公認」「証明書・信任状」「文句なし・言うことなし」などがあります。
「お墨付き」という言葉について詳しく調べたい時は、この記事を参考にしてみて下さい。