「いたたまれない」とは?意味と類語!例文と使い方!
「いたたまれない」、という表現を聞いたことがあるでしょうか。
「悲しいことがあっていたたまれない」、「ショックを受けていたたまれない」、という表現があります。
それならば、「いたたまれない」という言葉にはどのような意味があるのでしょうか。
目次
- 「いたたまれない」とは?意味
- 「いたたまれない」の使用例
- 「いたたまれない」を使った意味と意味を解釈
- 「いたたまれる」の日本語は間違い?
- 「いたたまれない」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「いたたまれない」の類語や言い換え
- 「いたたまれない」の英語や例文(解釈)など
「いたたまれない」とは?意味
これには、もうそこにじっとしていられない、という意味があります。
精神的な圧力を受けてそれ以上その場にとどまっていられない、その場にいるのが耐えられない、といった意味になります。
心が穏やかではない時に用いられることが多く、悲しい、気まずい、恥ずかしい、などといった感情を表す言葉と合わせて使われることが多いと言えるでしょう。
日常生活のみならず、ビジネスシーンでも使える表現ですからぜひ覚えておきたいものです。
- 「いたたまれない」の語源
- 「いたたまれない」の漢字
「いたたまれない」の語源
この表現は居る、という表現と堪らない、という表現が合わさってできたものですので、最初は「いたたまらない」という形だったと考えられています。
しかし、「〜できない」という言い回しは、例えば「止まる」が「止まれない」になるように、「〜れない」という形になることが多いため、「いたたまれない」という形になったと考えられています。
「いたたまれない」の漢字
この表現は「居た堪れない」と表記することがあります。
普段はひらがなで書くことの方が多いと考えられます。
「いたたまれない」の使用例
この言葉は感情を表す表現とともに使われることが多いと言えます。
ここではその例をいくつか紹介します。
- 「いたたまれない気持ち」
- 「恥ずかしくていたたまれない」
- 「さみしくていたたまれない」
「いたたまれない気持ち」
恥ずかしい、寂しい、悲しい、などという気持ちのためにその場に留まっていられない、という感情を表します。
例えば、1人遠い場所で勉強をしている時に友達の誰かが亡くなったという話を聞けば、「いたたまれない気持ち」になりますね。
悲しくてその場にじっとしていられない、何かしないではいられない、という気持ちを指します。
「恥ずかしくていたたまれない」
恥ずかしさから隠れたい、穴があるなら入りたい、という気持ちになるかもしれません。
恥ずかしくてその場にいられないという気持ちになった場合、まさに「恥ずかしくていたたまれない」という表現が使えます。
「さみしくていたたまれない」
例えば初めて一人暮らしを始めて家族が恋しい、友達が恋しい、などという気持ちのためにその場にいられない、家に一人でいると気が滅入ってしまいそうで外出したくなる、といった気持ちを表します。
もちろん、そのような気持ちは友達ができたりしない限り改善される事は無いのですが、それでも外出して気を紛らわせることでスッキリすることもあるのではないでしょうか。
特に一人暮らしを始めたばかりの時などは家が恋しくなることも多いと言われています。
「いたたまれない」を使った意味と意味を解釈
「いたたまれない」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「いたたまれない事件」
- 「いたたまれない状況」
- 「いたたまれないニュース」
- 「いたたまれない時」
「いたたまれない事件」
「いたたまれない事件」というのは、様々な感情のためにその場にいられない、心が穏やかではいられない、という事件を指しています。
例えば、近所で交通事故があった、子供やお年寄りが亡くなった、などという話を聞くと、「いたたまれない気持ち」になる人も多いのではないでしょうか。
子供が事故に巻き込まれた、などという話を聞くと悲しみや悔しさが湧き上がりますよね。
最近では幼い子供が虐待される事件も多く、子供が命を落とした話を聞くたびに「いたたまれない」、という気持ちになる人もたくさんいると考えられます。
「いたたまれない状況」
「いたたまれない状況」という言葉が使われる場合もあります。
家族の誰かが病気になり、余命が僅かしかない、それでも何もできない、という状態はまさに「いたたまれない状況」だと言えるでしょう。
あるいは、遠くにいる知り合いや家族が病気になった、などという話を聞くと、いてもたってもいられなくなるかもしれません。
「いたたまれないニュース」
世の中には「いたたまれないニュース」もたくさんあります。
日本国内では2011年3月11日の東日本大震災や大津波が「いたたまれないニュース」として多くの人の記憶に残っていますが、世界的には2001年9月11日の世界同時多発テロや、2019年4月15日のパリのノートルダム大聖堂による大火災などもいたたまれないニュースとして世界を駆け回りました。
ノートルダム大聖堂は何百年という長い歴史を持つ場所であり、観光客が多く訪れる場所でもあります。
この目で見たことがあるという人も多いため、日本人にも大きな衝撃を与えました。
世界遺産にも指定されている場所が火災に遭い、部分的とは言え消失してしまうのは何とも「いたたまれないニュース」だといえます。
「いたたまれない時」
悲しい、悔しい、などという気持ちではなかったとしても、恥ずかしい、などという感覚で「いたたまれない気持ち」になることもあるのではないでしょうか。
例えば、自分の子供が何らかの自分のミスで怪我をしてしまえば、本当に「いたたまれない気持ち」になるものです。
あるいは、子供の病気に気付かなかったなどという場合にも、反省の気持ちからいたたまれなくなってしまう場合があります。
「いたたまれる」の日本語は間違い?
「いたたまれない」という表現は否定語になります。
そうなると肯定する表現も存在するのではないか、と考える人もいるでしょう。
しかし、いたたまれるという表現は日本語には存在しません。
あくまでも「いたたまれない」という言葉があるだけで、いたたまれる、という言葉は日本語にはないのです。
うっかり使わないように気をつけなければいけません。
「いたたまれない」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「いたたまれない」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「いたたまれない」を使った例文1
- 「いたたまれない」を使った例文2
- 「いたたまれない」を使った例文3
「いたたまれない」を使った例文1
「ノートルダム大聖堂内火災のニュースを聞き、なんともいたたまれない気持ちになった」
2019年4月15日、フランスのパリにあるノートルダム大聖堂が火災に遭い、聖堂の塔が決壊しました。
パリ中心部にある世界遺産ですので、多くの人に知られた場所でもあります。
また、ディズニー映画「ノートルダム大聖堂」でこの大聖堂を知っているという人もいるのではないでしょうか。
翌日4月16日には鎮火され、欧州連合の大統領たちが加盟国に対し、再建への協力を呼びかけています。
実際にパリを訪れた人の中にはこの大聖堂を目にした人も多く、ショックを受けた人も多いのではないでしょうか。
「いたたまれない」を使った例文2
「世界貿易センタービルが攻撃された時には、ショックで悲しみでいたたまれなかった」
今となってはだいぶ昔の話になりますが、2001年9月11日、初めてアメリカの本土が攻撃されるという事態に見舞われました。
出勤時間であったアメリカのニューヨークで大きなテロが起こり、そのニュースは世界中に駆け巡ったのです。
まだインターネット等が一般化する前でもあり、テレビで中継を見たという人も多いのではないでしょうか。
特に2機目の飛行機が貿易センタービルに突撃する姿はリアルタイムで見たという人もたくさんおり、ショックを隠せなかった人も少なくありません。
世界で最も発展した場所の1つでもあるマンハッタンがあのような攻撃に遭い、「いたたまれない気持ち」になった人も多かったことでしょう。
「いたたまれない」を使った例文3
「津波が起こったときは津波が人を飲み込んでいく中継を見て、本当にショックでいたたまれなかった」
日本で「いたたまれないニュース」と言えば、やはり2011年3月11日の東日本大震災なのではないでしょうか。
特に大きな津波が街を飲み込んでいく様子、迫ってくる津波から人が逃げてくる様子などは中継でも多く放送され、日本全国、そして世界の人々にも大きな影響を与えました。
地震や津波など、自然災害は人間の力を超えたものであり、人間の無力さを感じさせる一件になりました。
同時に、災害に対する防災意識を高めるきっかけにもなり、今では地震や台風等に対する防災への呼びかけが拡大しています。
「いたたまれない」の類語や言い換え
ここでは「いたたまれない」という表現の類義語を紹介します。
- 「やるせない」
- 「居心地が悪い」
- 「身の置き場がない」
「やるせない」
やるせないという表現は憂いや悲しみを紛らわそうとしても話しようがない、という意味です。
ショックなどを受けた時、どうしてもその気持ちを紛らわすようと考えますよね。
自分の気持ちが相手にしっかり伝わらない、残念なニュースを受けた、などという場合、気晴らしをしようと考える事は珍しくありません。
しかしそのような場合に気持ちのやり場がない、どうすることもできない、気が紛らわせられない、などという場合にやるせないという表現が使われます。
「居心地が悪い」
居心地が悪い、という表現は「その場にいたくないと思う雰囲気」「その場にとどまっると不快感がある」ということになります。
例えば、みんなの前で大きなミスをした場合など、どうしても居心地が悪く感じてしまうのではないでしょうか。
精神的な不快感があり、その場から離れたくなることがあります。
そのような場合は居心地が悪い、と表現できます。
「身の置き場がない」
身の置き場がない、という表現はその場にいる人はどうしても気まずい、「いたたまれない」、という意味になります。
例えばやり場のない不安などにか誰か時など、身の置き所がないような不安だと表現することがあります。
安心して休める場所がないという意味になり、苦しい立場に追い詰められている、恥ずかしさのあまりどうしたら良いかわからない、などという意味があります。
「いたたまれない」の英語や例文(解釈)など
「いたたまれない」という表現を英語にするとbe unable to stayになります。
そもそもその場にいられない、という意味になりますから、例えば「恥ずかしくていたたまれなかった」というのであれば“I was still a shame to stay on.”になります。
- 「いたたまれない気持ちになる」の英語
- 「悲しくて耐え難い」の英語
- 「悲しくてたまらない」の英語
「いたたまれない気持ちになる」の英語
「いたたまれない気持ちになる」、という表現を英語にすると“I feel like running away.”になります。
悲しくてその場にいられない、逃げ出したい、という意味になります。
「悲しくて耐え難い」の英語
悲しくて耐え難い、という表現は“I can't stand it.”や“It's so sad I can't bear it.”と訳すことが可能です。
「悲しくてたまらない」の英語
悲しくてたまらないのであれば、“I'm feeling down.”と表現することも可能です。
これはどちらかというと悲しくて落ち込んでいる、といった意味合いが強く、“I'm depressed.”と言い表すこともできます。
「いたたまれない」という表現は日常的にもよく使われる言葉ですので、ぜひ覚えておきましょう。
それでも「いたたまれないニュース」はあまり聞きたくないものですね。