「偏執」とは?意味と類語!例文と使い方!対義語
「偏執」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
なんとなくその漢字の雰囲気から意味がわかるという人もいるかもしれません。
それならば、「偏執」とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。
ここでは「偏執」という言葉の意味について紹介します。
目次
- 「偏執」の意味とは?
- 「偏執」の読み方
- 「偏執」の言葉の使い方
- 「偏執」を使った言葉など解釈
- 「偏執」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「偏執」の類語や言い換え
- 「偏執」の英語や例文(解釈)など
「偏執」の意味とは?
「偏執」というのは偏った考えを頑なに守り、他の人の意見に耳をかさないこと、という意味もありますし、他を妬ましく思うこと、という意味もあります。
一般的には頑固な考え方をしている人を指し、特に偏った考え方を持っている場合にこの言い方が使われます。
偏っているというのは平等ではないという意味もありますが、物事を客観的に見ていない、主観的な見方をしている、そしてその見方にこだわっている、などという場合は偏執だと言われる場合もあります。
なお、「偏執病」は不安や恐怖の影響を受け、他人が常に自分を批判しているという妄想を抱くパーソナリティー障害を指し、ここでいう「偏執」とは意味が異なります。
「偏執」の読み方
「偏執」とは「へんしゅう」と読みますが、「へんしつ」と呼ばれることもあります。
パーソナリティー障害である「偏執病」は「へんしゅうびょう」と呼ばれます。
「偏執」の言葉の使い方
「偏執」とは偏見に固執しており、他人の意見を受け付けないという意味を持っています。
客観的に物事を見られていない、状況や問題をしっかりと判断できない、という場合に使われることが多く、マイナスなイメージが強い表現になります。
1つのことにただ集中しているのではなく、病的に集中しているという意味があり、他の人の意見には耳を貸しません。
つまり、ただ単に物事にこだわっているわけではなく、それを過度に超えた状態だといえます。
こだわりが強すぎるあまり、何かしら支障が出ていることもあるでしょう。
ですから、そこまでの問題が生じていないのであれば「偏執」という言葉は使わない方が良いでしょう。
「偏執」を使った言葉など解釈
ここでは「偏執」という言葉を使った言い回しを紹介します。
- 「偏執的なファン」
- 「偏執的な愛」
「偏執的なファン」
「偏執的なファン」に苦労するアイドルなどは少なくないと言われています。
ストーカーなど、普通のファンの域を超えて追っかけをする人、自分はそのアイドルに愛されていると勘違いし、本当にそのように思い込んでいる人などを「偏執的なファン」といいます。
中にはアイドルたちの住所までしっかりと調べ上げ、不法侵入をする人もなどもいると考えられており、世界的にはこのような「偏執的なファン」が逮捕されている事でもあります。
ただし、問題が起こるまでは警察が動けないということもあり、実際に被害に遭ってしまう芸能人も珍しくありません。
このようなファンに対し、Twitterなどを通じて注意を呼びかける芸能人も増えています。
「偏執的な愛」
「偏執的な愛」というのは妄想のような愛を指しています。
相手が自分のことを愛しているとわからないのに、あるいは嫌っているのに、自分は愛されている、ただそれを正直に言えないだけ、などといったような思い込みに根付いた愛を指しており、周りからも異常に思われることがあります。
その一方で、本人はそのことに気づいていないという問題もあり、逆にその愛の問題性を指摘する人がいたら、その人を敵視することもあります。
「偏執」を使った例文や短文など(意味を解釈)
ここでは「偏執」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「偏執」を使った例文1
- 「偏執」を使った例文2
「偏執」を使った例文1
「うちの祖母は偏執的な物の見方をしていて、嫁である母に冷たく当たったらしい」
嫁姑問題はいつの時代も表面化しやすいものですが、特に古い時代は伝統なども多いですので、今以上に固執したものの見方をしている人が多かったかもしれません。
今はインターネット等の影響もあり、あらゆる見解が学べるようになっています。
しかし、そのような道具がなく、他の意見を知る機会がなければ、自分のものの見方が正しいと思ってしまっても無理はないでしょう。
さらに、昔の女性は今のように社会で働けなかったため、あくまでも専業主婦として生活しており、他の人との接触も少なかったと考えられています。
そのため、物の見方に偏りが生じてしまう場合があります。
「偏執」を使った例文2
「偏執的な物の見方は危険です」
いつの時代であっても、偏ったものの見方は健康的ではありません。
たとえ自分がその気がなかったとしても、どう見ても頑なである、人の話を聞く気がない、などということになれば、新たな見解を学べないばかりか、物事を正しく判断できない可能性が高まります。
例えば、教員が客観的な判断ができなければ、生徒たちを傷つける可能性もありますよね。
このように偏ったものの見方は非常に危険であり、視野を広く持つ姿勢が求められます。
「偏執」の類語や言い換え
ここでは類義語をいくつか紹介します。
- 「先入観」
- 「偏見」
「先入観」
先入観というのは初めに知ったことによって作られた肯定的な観念を指しています。
誤った認識や妥当性に欠ける評価などを下してしまう可能性があり、非常に危険です。
実際の経験等が先立ち、特定の対象に対して主観的な価値判断を下してしまうこともあり、新たな見解を受け付けられなくなってしまう可能性があります。
「偏見」
偏見というのは差別に?がる概念であり、中正でない意見を指しています。
偏った物の見方を指し、偏見を持っていると物事を客観的に考えられない可能性が高まります。
偏見というのは他人を根拠もなしに悪く考えることという説もあり、例えば嫌悪感や恐怖感、誹謗中傷や差別などが偏見をもたらしてしまうこともあります。
「偏執」の英語や例文(解釈)など
「偏執」を英語にすると“obstinacy”になります。
“stubborn”には頑固という意味がありますが、「偏執」ほどマイナスな意味は持っていません。
“biased”は偏った、という意味があるため、例えば「私の母は偏執的な見方をする」ということであれば、“My mothers has a biased perspectives.”と表現できます。
「偏執」という表現は極めてネガティブな意味を持ちますので、この言葉を使う時には気をつけたいものです。
また、できる限り広い視野が持てるように心がけたいものですね。