「渋面」とは?意味と読み方!語源や由来
「渋面」という言葉は、漢字を見るとなんとなく意味がわかりますが、読み方がわからない、という人もおられるかと思います。
ここでは、「渋面」という言葉についてご紹介していますので、ぜひこの機会に一読ください。
目次
- 「渋面」とは?
- 「渋面」の読み方
- 「渋面」の言葉の使い方
- 「渋面」を使った例文と意味を解釈
- 「渋面」の類語や言い換え
- 「渋面」の英語や解釈
- 「渋面」の対義語
「渋面」とは?
「渋面」とは、不快感、不満、苦痛などを感じているときにする顔、または、そのような顔つきのことを言います。
いやなことがあったり、苦いものを食べたりしたとき、人は苦々しい顔をしてしまったり、苦々しい気持ちになります。
そのような場面で使われる言葉と言えます。
「渋面」の読み方
「じゅうめん」「しぶつら」「しぶづら」「しぶめん」さまざまな読み方が思いつくかと思いますが、どれも間違いではないようです。
間違いでないからこそ、逆説的にどれも間違いなような気がしてしまいますね。
声に出して使うよりも、メールなど、文字で見られるものでの表現に使うと、相手にも伝わりやすいでしょう。
「渋面」の言葉の使い方
「渋面をする」のような形が一般的ですが、ほかに、「渋面を作る」という言い方もよくされています。
作る、ということは、少し演技がかっている場合もあります。
つまり、あえて相手に不満を伝えたいときなどにも使うことができるということです。
「渋面」を使った例文と意味を解釈
では、「渋面」を使用した例文をご紹介します。
具体例を見ておくと、どのような場面で使うといいかわかりやすいので便利です。
- 「渋面」を使った例文1
- 「渋面」を使った例文2
- 「渋面」を使った例文3
「渋面」を使った例文1
「海外旅行に行ってみたい、というと父はあからさまに渋面を作った」
家族で海外旅行に行くには、金銭的な余裕と日程的な余裕、段取りと、たくさんの懸念事項があります。
それらすべてをある程度楽しめる人でなければ、実行はできないでしょう。
この例文では、父にとって家族での海外旅行はハードルが高く、手放しに楽しめる、喜べるといった行事ではないため、苦々しい顔をすることで、子どもに諦めてもらえないかというちいさな期待を寄せつつも、親の威厳から断りきれないでいる姿がうかがえます。
「渋面」を使った例文2
「娘は処方された漢方薬を見ただけで渋面をするようになった」
梅干を見ただけで唾液が出る、というように、経験則による反応というのは多くの人が経験済みのことかと思います。
ここでは、苦い薬を見ただけで、その苦さを思い出し、ついつい渋い顔になってしまう、ということを例文として挙げています。
「渋面」を使った例文3
「自分が不快であることを示すため、彼は渋面を保ち続けた」
共感能力には個人差があり、知らないうちに人を傷つけてしまっていた、というのはよくあることです。
そのようなときには、傷つけられた側も黙っているのでなく、自分が不快であることを、表情でもいいですし、言葉に出してはっきりと伝える必要があります。
それが、その人といい気分で長くつきあうための秘訣でしょう。
「渋面」の類語や言い換え
次に、「渋面」の類語表現を見ておきましょう。
言い換えのきく言葉を知っていると、「渋面」と伝えたいけど、言葉に出してもわかりづらいかも、というときにも対応できるでしょう。
- 「しかめっ面」【しかめっつら】
- 「仏頂面」【ぶっちょうづら】
「しかめっ面」【しかめっつら】
「カートにお菓子をいれると、母はしかめっ面をして、だめ、と言った」
「渋面」を、誰にでも理解してもらえる類語が「しかめっ面」ではないでしょうか。
不快であることや不満のあることを伝えるときに、眉間にしわを寄せる、という顔の動きをする人は多いですし、そういうものだと、人は教えられたわけでもなく知っています。
「仏頂面」【ぶっちょうづら】
「まだ起きる時間ではなかったのにたたき起こされたせいか、彼女は仏頂面をしている」
「ぶっちょうづら」と読み、機嫌の悪い人が、それをありありと顔に表しているさまをいう言葉です。
また、不平があるが口に出しては言えない状況などで、むすっと膨れた顔をしている状態のことも言います。
「渋面」の英語や解釈
「渋面」を英語で表すときには、“look angry”や“grimace”、“make a wry face”などを使うことができます。
“angry”は怒ること、腹を立てていることなどを意味しますので、“look angry”とは、怒っているように見える、ということです。
“grimace”とは顔をしかめること、顔をゆがめること、といった意味ですので、ほぼ「渋面」の訳語といえます。
“make a wry face”は、「渋面を作る」という意味の英語ですので、フレーズごと覚えてしまうといいでしょう。
「渋面」の対義語
「渋面」とは、不愉快なときにする顔ですから、対義語は、愉快なときにする顔、つまり、「笑顔」となります。
「笑顔」は誰でも知っている言葉ですが、「笑顔」の反対語として「渋面」という言葉があることは、なかなか知られていません。
「渋面」を覚えにくいと思っていた方は、「笑顔」の対義語と考えると覚えやすいのではないでしょうか。
「渋面」とは、不快、不愉快、不満といった感情を表す表情のこととわかりました。
時には「渋面」をしたくなるときもありますが、いつでもにこにこと「笑顔」でいるように心がけていると、あちこちから福がもたらされるのではないでしょうか。