「草分け」とは?意味と読み方!「草分け」と 「先駆け」 違い
「草分け」という表現を知っているでしょうか。
大学で研究をしていたりすると、聞いたことがあるかもしれません。
それならば、「草分け」とはどのような意味を持つ言葉なのでしょうか。
ここでは「草分け」という言葉について紹介します。
目次
- 「草分け」とは?
- 「草分け」の読み方
- 「草分け」の言葉の使い方
- 「草分け」を使った例文と意味を解釈
- 「草分け」の類語や言い換え
- 「草分け」の英語や解釈
- 「草分け」と「先駆け」違い
「草分け」とは?
「草分け」という言葉にはあることを最初に始めること、という意味があります。
もともと最初にその土地を開拓して村落を作ったものやその家のことを指しており、転じて「特定の分野や専門の先駆者やその基盤を作り上げた人」を「草分け」と呼ぶようになりました。
そのため、「草分け」という言葉は土地を切り開いて村などを興す人や興す事を指す場合もありますが、物事を初めて行うことや行った人、という意味を持つようになったのです。
村や町の基礎を作った人、基礎を作ること、これまでにない分野を独自に編み出す様子、などといった意味で使われます。
「草分け」の読み方
「草分け」という言葉は「くさわけ」と読みます。
そのままの読み方ですので、複雑に考えずに単純に読めば大丈夫です。
「草分け」の言葉の使い方
「草分け」という言葉は、最近ではその分野を最初に始めた人、という意味で使われます。
先ほども述べた通り、もともとは未開の土地を切り開くという意味を持っていましたが、そこから未開の分野を切り開くこと、創始者、などという意味で使われるようになったのです。
「草分け的存在」などと表現されることもあり、研究等において今まで誰も触れていなかった分野に初めて着手した人などを指すことがあります。
研究においてはまだなお、誰も手をつけていない分野がありますが、そのような分野に着手する事は簡単ではありません。
しかしそのような人こそ「草分け的存在」と言われるのです。
「草分け」を使った例文と意味を解釈
ここでは「草分け」という言葉を使った例文を紹介します。
- 「草分け」の例文1
- 「草分け」の例文2
「草分け」の例文1
「あの大学には、この分野における草分け的な存在の先生がいる」
大学や研究機関では、日々様々な研究が行われています。
研究者の中にはそれまでの研究を引き継いでいく人もいますが、中には誰も手を出したことのない分野に挑戦したり、今まで困難すぎて誰も解明したことがない分野に進んでいったりする研究者も少なくありません。
そのような「草分け的」な研究者は学術的な世界にとっては非常に重要な存在であり、大学も重宝する傾向にあります。
そのような大学には、その分野に関心を持つ学生が集まることもあり、大学にとっては財政的にも重要な影響を受けます。
「草分け」の例文2
「研究を続けて、いつかこの分野の草分け的な存在だと認めてもらえるようになりたいです」
大学院生や若手研究者の中には、自分こそいつかは「草分け的な存在」になりたい、「草分けだと呼ばれるようになりたい」、と考えている人もいるのではないでしょうか。
最近は研究を続けていくことも経済的に困難だと言われていますが、それでも誰かが認めてくれるような研究ができれば、「草分け的な存在」としてその名を馳せることも可能です。
今はまだ自分の指導教員の影響が強いという状態であったとしても、いつかは自分の名前で立ち上がりたい、と考えている人もいるかもしれませんね。
「草分け」の類語や言い換え
ここでは「草分け」という言葉の類義語を紹介します。
- 「パイオニア」
- 「開拓者」
「パイオニア」
パイオニアという言葉には開拓者、先駆者、という意味があります。
誰よりも早く物事を始める人、新しい領域を切り開く人、と考えられており、例えば野球の野茂選手は日本人メジャーリーガーのパイオニアとして知られています。
今まで日本人選手としてメジャーリーグに行く人はいなかったため、日本人メジャーリーガーという新たな領域を切り開いたとして知られています。
これはもともと古代フランス語の「歩兵」という言葉からできあがったと考えられます。
歩兵は敵軍に突っ込み、敵地を切り開いていかなければいけませんでした。
そこからパイオニアという言葉ができあがったと言われています。
「開拓者」
開拓者というのは山などの開拓に携わる人を指しますが、新しい領域を切り開く人という意味も持ち合わせています。
例えば、アメリカの大統領リンカーンはもともと開拓者の家庭で育ちました。
リンカーンの父親は息子であるリンカーンにも開拓者になることを望み、勉強は全く必要ないと考えていたのです。
しかし、父親の再婚相手であったサラという女性が「学問は必要だ」という考え方の持ち主だったため、リンカーンは勉強を続けることが可能になりました。
「草分け」の英語や解釈
「草分け」という表現を英語にすると、“pioneer”や“pathfinder”、“trailblazer”という表現が使えます。
例えば、「彼女は日本の教育学における草分け的な存在だった」というのであれば、“She was one of the pioneers of Japanese education.”と表現できます。
「草分け」と「先駆け」違い
「草分け」という言葉と先駆けという言葉は非常によく似ていますが、意味が若干異なります。
先駆けというのは最初に行うという意味を持ちますが、「草分け」というのは最初に行って基盤を作った人、ということになります。
例えば、「草分け」という言葉には村や町の基盤を作った人という意味もあり、必ずしも町や村を作り上げた人とは限らないのです。
そのため、「草分け」という表現と先駆けという表現は少し意味が異なります。
開拓者などという言葉に比べると、「草分け」という言葉はあまり知られていないかもしれません。
しかし、基盤を作り上げた人という意味でとても大切な表現ですので、ぜひ覚えておきたいものです。