「善後策」とは?意味と使い方!「善後策」と「次善策」の違い
ビジネスの場で「善後策」という言葉が出てくることがあります。
一体どの様な意味なのか、語源や例文と併せて理解しておきましょう。
目次
- 「善後策」の意味とは?
- 「善後策」の読み方
- 「善後策」と「次善策」の違い
- 「善後策」の言葉の使い方
- 「善後策」を使った例文や短文など(意味を解釈)
- 「善後策」の類語や言い換え(似たことわざ)
- 「善後策」の英語や例文(解釈)など
- 「善後策」の対義語
「善後策」の意味とは?
「善後策」の意味と漢字の成り立ち、語源について紹介します。
- 「善後策」の意味
- 「善後策」の言葉の成り立ち
- 「善後策」の由来
「善後策」の意味
善後策の意味は「ものごとが終った後に上手く処理する為の方法のこと」です。
何か問題や事件が起きた時に、それを上手に後始末することで、今後それが良い方向に流れる様に仕向けることを言います。
何か問題が発生した時にその場を取り繕ってそのままにしておくと、迷惑や心配をかけた人達が気分を害することがあります。
その様なことがない様に立ち回り、皆がある程度納得いく様な方向に向けて収束を図る時に使われます。
今ではなくこれからの為に良い流れを作っておく為に行動する時の言葉です。
「善後策」の言葉の成り立ち
「善後策」は「善後+策」という言葉で成り立っています。
「善後」は「善き事後」のことで「良い方向に後始末をすること」「うまく処理すること」という意味があります。
「策」は「はかりごと」「計画」という意味があり「対策」「策略」などに使われます。
これらの2つの言葉が組み合わさり「後の為に善い方向にものごとをはかること」という意味で使われる様になりました。
「善後策」の由来
「善後策」の由来は、中国の歴史的な書物である「孫子」から来ています。
「孫子」の中に「智者がいるとはいえ、その後を善くすることあたわず」という一節があります。
これは「こちらにどんなに知恵のある武将がいたとしても、とても上手く後始末をつけられない」という意味です。
この文の全体の意味は「力とお金の使い方を加減しないと勝てる戦にも負けてしまう」という意味ですが、ここから「善後策」という意味が引用される様になりました。
「善後策」の読み方
「善後策」は「ぜんごさく」と読みます。
漢字を読むのは難しくないのですが、書くとなると「前後策」と書き間違う人が多いので注意しましょう。
「善後策」と「次善策」の違い
「次善策」の意味と「善後策」との違いについて紹介します。
- 「次善策」の意味
- 「善後策」と「次善策」の違い
「次善策」の意味
「次善策」とは「最善ではないが、最善の次に良いと思われる方法のこと」です。
幾つかの案があり、ベストな方法と比較するとその期待する効果は落ちるのですが、数ある中でもベストの次に良いと思われる方法のことを言います。
問題を解決する時には、一つの方法だけではなくそれがダメだった場合や、想定外のことが起きた時の為に2番手、3番手の策まで用意しておいた方が安心です。
自分達が最善だと思っても決定権を持つ人が反対したり、他に不利な立場になる人が数多く出てその策が施せないこともあるのです。
この様な時に2番目に良いと思われる方法のことを「次善策」と呼ぶのです。
「善後策」と「次善策」の違い
「善後策」と「次善策」は、そもそも使い方が全く違います。
「善後策」は「悪い事が起きた時に、後のことがうまくいく様に後始末をつける良い方法のこと」です。
「次善策」は「最善ではないけれども、最善の次に良いと思われる方法のこと」です。
どちらも「良い方法」を表していますが、その目的や判断基準が全く違うのです。
「善後策」の言葉の使い方
「善後策」の言葉の使い方には以下のポイントがあります。
- 問題が起きた時に使う
- 「善後策を講じる」として使うことが多い
問題が起きた時に使う
「善後策」は何か問題が起きた時に、後始末を上手くつける方法のことです。
実際に何かしらの問題が起きた時に使われます。
問題が起きる前に万が一の時の為に対策を講じておく時には「事前策」を使います。
「次善策」と同じ読み方をするので、勘違いしない様に注意しましょう。
「善後策を講じる」として使うことが多い
「善後策」は名詞ですので動詞を伴って使われます。
最も使われる表現が「善後策を講じる」で、次が「善後策を考える」です。
ビジネスなど硬い表現をする時には「講じる」を使った方が良いでしょう。
「善後策」を使った例文や短文など(意味を解釈)
「善後策」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「善後策」を使った例文1
- 「善後策」を使った例文2
「善後策」を使った例文1
「善後策を講じたお蔭で損害を最低限に済ませられた」
ビジネスで失敗をした場合、早く対応しないと顧客からクレームがきたり、最悪の場合訴訟にまで発展します。
何か起きた時にすぐに対応したりお詫びに回るなど、対処法を行ったことで大損害を食い止められたことを表しています。
「善後策」を使った例文2
「退職した時の為に善後策をしっかりとしておこう」
会社を辞める時に引き継ぎをしっかりとしないと、後にその業務を担当する人が大迷惑をこうむります。
自分が辞めた後スムーズに仕事が続けられる様に、マニュアルを作ったりデータを整理しておくことが大切です。
「善後策」の類語や言い換え(似たことわざ)
「善後策」の類語は以下の通りです。
- 「対応策」【たいおうさく】
- 「フォローアップ」【ふぉろーあっぷ】
「対応策」【たいおうさく】
問題が起きた時に、その内容に見合った対処法を取る為の方法や計画のこいとです。
会社ではマニュアル化されていることが多いのですが、ケースバイケースで対応してくれることも多くなります。
「フォローアップ」【ふぉろーあっぷ】
英語の“follow-up”の日本語読みで「そのものごとが終ってからも更に面倒を見続けたり、必要な時には対処をすること」です。
こちらはどちらかというとその都度後から補足していくという意味が強くなります。
「善後策」の英語や例文(解釈)など
「善後策」の英語は以下の通りです。
“You need to take a corrective measure right away.”
「今すぐに善後策をするべきだよ」となります。
“corrective mesure”で「正しい対策=善後策」として使われてます。
「善後策」の対義語
「善後策」の対義語は「その場しのぎ」です。
意味は「その場だけ一時的に何とかする為に取りつくろうこと」です。
よく考えずにその場が上手く収まることだけを考えた方法で、後から矛盾点や足りない点などがボロボロ出てくる可能性が高く、「善後策」とは反対の意味になります。
「善後策」は「後のことを考えて良い後始末をつけること」です。
何か問題が発生した時に、先のことを考えて対策を練るシーンあれば使ってみると良いでしょう。