「御心」とは?意味と使い方!
「御心」というととても宗教的なイメージの言葉です。
しかし意外に日常会話で使われることも多い言葉ですので、意味や解釈などについて知っておきましょう。
目次
- 「御心」の意味とは?
- 「御心」の読み方
- 「御心」の言葉を使った言葉など解釈
- 「御心」使った例文と意味を解釈
- 「御心」の類語や言い換え
- 「御心」の英語や解釈
「御心」の意味とは?
「御心」の意味と解釈について紹介します。
- 「仏教・神道・キリスト教などの神様を敬い、その気持ちや概念を表す言葉」の意味
- 「日本国の天皇を敬い、その気持ちや理念を表す言葉」の意味
- 「相手を敬い、気持ちや考えなどを表す言葉」の意味
- 「御心」がキリスト教のイメージが強い理由
- 「大御心」とは
「仏教・神道・キリスト教などの神様を敬い、その気持ちや概念を表す言葉」の意味
「御心」と聞いてすぐに思い出すのは宗教でしょう。
「神の御心」は仏教・神道・キリスト教に限らず、その宗教が崇拝する神を敬い、その気持ちや概念を言い表す言葉です。
心というのは気持ちや考えの他に、その宗教を信じる人たちを導く概念であったり、人々に対してかくあるべきと知らしめる訓戒も含まれています。
宗教の目指すもの、神の意志などを全てひっくるめて「御心」と表すのです。
「日本国の天皇を敬い、その気持ちや理念を表す言葉」の意味
日本国の天皇は象徴として存在しています。
国民は天皇に対して尊敬の意を表し、その気持ちや理念のことを「御心」と言い表します。
何故ならば、天皇は神の子孫であるとされているからです。
初代の天皇である「神武天皇」は、古事記に記されている「天照大御神(アマテラスオオミカミ)」という最も位の高い神様の子孫とされています。
そこから代々天皇家が引き継がれてきていますので、「今上天皇=神様の子孫」と言えるのです。
これはあくまで日本の神話によるものですが、天皇制自体がその様な暗黙の了解で続いていることは確かです。
「相手を敬い、気持ちや考えなどを表す言葉」の意味
神様や天皇ではなく、もっと身近な人の心に対して使われることもあります。
非常に強い影響力を持っている人や、絶対的な存在の人の気持ちや方針などを言い表す時に「御心」と使うこともあります。
或いは丁寧な言葉遣いをするときに単に心に「御」をつけて「御心」と言うこともあるのです。
「御心」がキリスト教のイメージが強い理由
「御心」というとキリスト教で使われる言葉というイメージが強くなります。
これは聖書の中に直接「御心」という言葉が出てくるからです。
イエス・キリストが無実の罪で囚われる直前、これから自分の身に起こる恐ろしいことに対する覚悟としてゲッセマネという場所にこもり、神である父に祈り続けました。
その際に「わが父よ、できればこの苦難を回避させて下さい。
しかしそれは私の願いですので、あなたの『御心』に従います」と言ったとう記述があります。
自分がこれから十字架にかけられることはとても恐ろしくて避けたいのだけれども、父である神がそう導くのならばそれに従うという意味です。
神ほどの人ならば簡単にキリストを救えた筈ですが、最終的にはキリストは十字架にかけられ、それが神の「御心」だったのです。
そこから「御心のままに」という言葉が使われる様になり、現在でも使われることがあるので、キリスト教のイメージが付いていると言えます。
「大御心」とは
天皇陛下に関する記述で「大御心」という言葉が使われることがあります。
これは、「今上天皇陛下のご意思」であり、「天皇家に代々伝わる精神」でもあります。
天皇陛下が自分のご意思を述べられることがありますが、それは天皇家に代々伝わる日本への理念となるものです。
「御心」の読み方
「御心」には読み方が2通りあります。
「おこころ」と読む場合には、相手の気持ちや考えを敬って言うことを意味します。
「みこころ」と読む場合には、宗教での神の気持ちや概念を敬って言うことを意味します。
「ぎょしん」とは読まないので注意しましょう。
「御心」の言葉を使った言葉など解釈
「御心」を使った言葉を幾つか紹介します。
- 「御心にかなう」【みこころにかなう・おこころにかなう】
- 「仏の御心」【ほとけのみこころ】
「御心にかなう」【みこころにかなう・おこころにかなう】
「みこころにかなう」と読む場合、神の意思に従った行動ができることを意味します。
神を信じて教えを守り、清く正しく一生を終えるのです。
しかし例え神の御心にかなったとしても、残念ながら人は生きているうちは恩恵にあやかれないものです。
一生を終えた時に天国へと導かれることで恩恵を受けられるのです。
「おこころにかなう」と読む場合、目の前の相手を敬い、その希望通りにすることを意味します。
身近なところではビジネスで顧客から要望が出た時に、「おこころにかないます様に最善を尽くします」と言うことがあります。
「仏の御心」【ほとけのみこころ】
仏の教えは「慈悲の心」を説いていることが多く、その意思を理解することを意味します。
敵対している相手を許す時なども使われます。
「御心」使った例文と意味を解釈
「御心」を使った例文と解釈を紹介します。
- 「御心」使った例文1
- 「御心」使った例文2
「御心」使った例文1
「イエスの使徒たちは神の御心のままに布教活動を進めていった」
イエス・キリストが天に帰った後、12人の使徒たちはそれぞれ独自に布教活動を進めて行きました。
全て神の意思に沿った内容で、使徒たちは聖人として現在でも崇められています。
「御心」使った例文2
「とまれ孔明あるからには御心を安んじたまえ」
三国志の中で、劉備玄徳の軍に曹操の大軍が迫ってきた時に諸葛孔明が発した有名なひとことです。
「孔明がいますから安心して下さい」という意味です。
「御心」の類語や言い換え
「御心」の類語は以下の通りです。
- 「思し召し」【おぼしめし】
- 「神意」【しんい】
「思し召し」【おぼしめし】
意味は「相手の気持ちや考えを敬って言う言葉」です。
「神意」【しんい】
意味は「神の心や意思を表す言葉」です。
「御心」の英語や解釈
“Leave it to the will of God.”
「神の御心のままに」となります。
英語では“will”を使うことが多くなります。
「御心」は「神や天皇の気持ちや意思を敬って言う言葉」です。
その他にも「人の気持ちや考えを敬って言う言葉」という意味もあります。
宗教的な使い方ばかりではないので、覚えておいて損はありません。