「こけおどし」とは?意味と使い方!類語と語源や英語!
日常会話で「こけおどし」という言葉をよく耳にします。
一体どの様な意味なのか、漢字表記や例文も併せて紹介します。
目次
- 「こけおどし」の意味とは?
- 「こけおどし」の漢字
- 「こけおどし」の語源や由来
- 「こけおどし」の使い方・使った例文と意味を解釈
- 「こけおどし」の類語や言い換え
- 「こけおどし」の英語や解釈
- 「こけおどし」と「ししおどし」の違い
「こけおどし」の意味とは?
「こけおどし」の意味と「こけにする」という言葉について紹介します。
- 「こけおどし」の意味
- 「こけにする」とは
「こけおどし」の意味
「こけおどし」の意味は、「いかにも中身がなく効果の低いおどしのこと」です。
その内容は非常にくだらなく、ウソや見栄がバレバレで、愚かな人ならば信用するけれども普通の人には通じない様なことです。
人を脅す時にはより信ぴょう性のあるウソをつくものです。
「金を払わないとすぐにそっちにうちの若い者を行かせるから」などと言えば、脅された方も会社や家に人相の悪い人が来ては困るので、言われた通りにせざるを得ないでしょう。
しかし「こけおどし」の場合、「金を払わないと東京高裁から連絡が来るよ」などと言います。
常識的に考えて急に高裁から呼び出しが来るはずはなく、普通ならば「おかしいだろう」と思う様な脅しをかけることを言います。
その為に更に突っ込んで「東京高裁は控訴審がメインの筈だけど」というと、「名前は分らないけれども弁護士が告訴した」などと言い出しボロが出るのです。
「こけにする」とは
「こけおどし」と似た様な言葉に「こけにする」があります。
「こけにする」の意味は、「人をバカにする」「見下す」という意味で、由来は「こけおどし」と同じ「こけ」です。
どちらの「こけ」も「苔」ではありません、その漢字と意味については下記に紹介します。
「こけおどし」の漢字
「こけおどし」は漢字で書くと「虚仮威し」となります。
非常に難しい字ですので一般的には平仮名表記になります。
「おどし」という漢字には「脅し」もあるのですが、「こけおどし」の場合は「威し」と表記します。
「こけおどし」の語源や由来
「こけおどし」の語源は仏教用語にあります。
仏教では「虚仮(こけ)」は「その人の外見と心の中が違うこと」を意味します。
「虚」は「虚ろ」で「うそ・いつわり」という意味があり、「虚言」「虚像」などに使われます。
「仮」は「仮り」で「真実ではないこと、実体がないこと」という意味があり「仮説」「仮面」などに使われます。
これらの漢字が組み合わさり「見せかけばかりで中身のないこと」という意味で使われる様になりました。
そこから一般社会で使われるに従い、「浅はかなこと」「愚かなこと」という意味に代わり、その様な愚かしい脅しに対して「虚仮威し」と言われる様になったのです。
「こけおどし」の使い方・使った例文と意味を解釈
「こけおどし」の例文と解釈を紹介します。
- 「こけおどし」使った例文1
- 「こけおどし」使った例文2
「こけおどし」使った例文1
「そんなこけおどしに乗ってまんまと金を払う奴があるか」
最近では高齢者を狙った悪質な商法が問題になっています。
自宅まで何度も足を運び、話し相手になって信頼される様になります。
その後「この壺を買わないと不幸になりますよ」などと言って法外な値段で安い商品を買わせるのです。
後から家族が知って「騙された」と思うのですが、業者と連絡が取れずに返品・返金が出来ずに泣き寝入りするケースも多くあるのです。
「こけおどし」使った例文2
「彼女は相手のこけおどしに顔色一つ変えず『警察に行きましょう』と言った」
相手はその女性を脅して何とか言うことをきかせようとするのですが、彼女の方が一枚上手で相手のウソや矛盾を見破っています。
あまりにしつこいと思ったので面倒になり警察の名前を出して撃退に成功しました。
「こけおどし」の類語や言い換え
「こけおどし」の類語を紹介します。
- 「子供だまし」【こどもだまし】
- 「ハッタリ」【はったり】
「子供だまし」【こどもだまし】
子供くらいしかだまされない様なレベルの低いウソや脅しなどのことです。
幼稚で内容がなく、矛盾点ばかりで大人ならばすぐに見破れるでしょう。
「ハッタリ」【はったり】
大きな声や音を出したり、威圧的な態度を取ったりして相手を萎縮させる行為のことです。
実際には気が小さくて相手が怒ったらどうしようと思いビクビクしている人がこの様な言動をする時に使われます。
「こけおどし」の英語や解釈
“I am used to hear that kind of bluster.”
「その程度のこけおどしは聞き慣れている」になります。
“bluster”は「威張り散らす・大声で偉そうに言う」という意味があり「こけおどし」と訳します。
「こけおどし」と「ししおどし」の違い
「こけおどし」と「ししどおし」の違いについて紹介します。
- 「ししおどし」の意味
- 「こけおどし」と「ししおどし」との違い
「ししおどし」の意味
「ししおどし」とは、日本庭園にある石でできた水溜めに水を流す竹の筒のことです。
細い竹の筒に水を流し、一杯になると傾いて「コン!」という音を立てて水が流れ出し、また元の状態に戻る仕掛けのことです。
元々「ししおどし」は畑に設置されていて、農作物を荒らす動物たちを駆除する為の仕掛けでした。
しかし見た目と音が風流であることから日本庭園に設置される様になり、現在ではほぼ観賞用とされています。
「こけおどし」と「ししおどし」との違い
「こけおどし」は「愚かで見え透いたおどし」のことで、人間がやることです。
「ししおどし」は「農作物を荒らす動物を追い払う様に設置された仕掛け」のことで、その仕掛そのものを意味します。
どちらも「おどす」ということに関しては同じですが、主体と目的が全く違います。
「こけおどし」は「愚かで中身が薄っぺらく見えすいたおどし」のことです。
相手に対して「こけおどし」と言うとバカにしたことになるので、使う時には注意しましょう。